散文

書き散らした子達のまとめ。
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@arimaariha

ドッペルゲンガーというのは、会ったら死ぬものじゃなかったろうか。鏡でも幻でもなく、確かに質感をもって其処にいる自分自身が笑う。「いいでしょ、今日くらい」日付はハロウィーン。悪魔祓いが悪魔になるだなんて、笑えない冗談だ。「「trick or treat?」」 同時に呟いた。

2011-10-05 22:14:12
@arimaariha

レックス。彼の呼び名。ブルーキャッツ。彼のお店。アングラビシダス。彼の大会。たったこれだけのことしか私は彼を知らない。誕生日は?好きなものは?嫌いなものは?疑問が溢れてはどう聞いたものかと首を傾げる。彼に近付くにはどうすればいいかわからなくて、とりあえず。同じ歩幅で歩いてみよう。

2011-10-04 22:37:19
@arimaariha

桜は散ってしまうけれど、わたしはずっと咲き続けるよ。貴方の隣で。ずっと、ずっと一緒にいるから。だから、そんなカオしないで?わたしはまだまだ頑張れるから。わたしは、貴方に操られている限り負けないわ。立ち上がってみせるから、泣かないで?ご主人様。『さくら☆零号機、ブレイク・オーバー』

2011-10-04 22:19:17
@arimaariha

「はろういん?なんじゃそれは?」政宗は首を傾げる。南蛮渡来に強い興味を持つこの少年は、耳慣れないその言葉に惹かれているようであった。商人は顔を上げない。「恐れながら、」と侍女共に目配せした。政宗は頷いて人払いを掛ける。商人はいざって奥の間へ寄る。少年は何も知らず、無邪気であった。

2011-10-05 23:50:11
@arimaariha

アマイモンというのは、上級悪魔ではなかったのか。「シロウ、シロウ早くしてください」なんだって悪魔に膝枕なんざしなくちゃならんのか。こいつの脳みそは幼稚園児並みの安直さであるらしい。「兄上にはしていたじゃないですか」あれはあいつが勝手に居座っただけだ、と言おうとして、唇を塞がれた。

2011-10-08 16:09:56
@arimaariha

フジモトシロウ。兄から時折聞く名前。白い髪と柘榴の瞳の男。物質界で一番強い男。悪魔を、殺す男。興味があった。「お前がフジモトシロウですか?」こっちを気だるそうに睨み付ける紅の冷たさにぞくぞくする。加減しないと、と言い聞かせていた三秒前の自分を叩き殺して、その白に噛みついた。

2011-10-08 15:58:58
@arimaariha

くすくす。クダリが笑う。「ねぇ、ボクには兄貴がいるんだ。知っていた?」男はクダリの肢体をなぞりながら知らないな、と笑った。「ボクにとても良く似ているんだ」愉しそうだろ?クダリは男の首筋にすがりつき囁いた。男の表情が笑みに歪む。渦中の彼の人は、何も知らず夜の帳に眠っていた。

2011-10-08 15:47:48
@arimaariha

レックス、聞いた名だった。爪先でも暗い世界に入った者なら知っている、地下の支配者。彼の元に集まる荒くれを通じて知る彼は、もっと冷徹な男だった。謎めいた男だった。「仙道」こんな風に笑うだなんて、知らなかった。「どうした?」こんな風に撫でてくるなんて、知らなかった。

2011-10-08 15:36:02
@arimaariha

床に叩き付けられる。かは、と喉仏が鳴った。見上げればにやにやといけすかない笑み。「卿は、何を望む?」ほら、お得意のその台詞。血の滲む唾を吐きかけて一言、「お前の命だ、糞梟」笑みが歪むのが見えた。ざまあみやがれ。引き裂かれた寝着を見て、どうやって繕おうかと、それだけを考えていた。

2011-10-08 00:16:05
@arimaariha

獅郎。あんだよ。ユリの最期は、どうだった。…最初、眠ったのかと思った。、そうか。笑っていた、雪男と燐を大事そうに抱いてた。…そうか。魔神の子だろうが育てるって、自分達の子だから、ってさ。そうだな。俺の事なんかまるで見てねぇでやんの、笑えるぜ。…ごめんな。何謝ってんだ、気色悪ぃ。

2011-10-08 00:26:28
@arimaariha

サタンは親父を十五年もの間追っていた、と聞いた。奴はその年月で、親父の何を知り得たのだろう。くしゃりとした笑顔は、耐えるような泣き顔は、安らかな寝顔は?俺が知らない顔も知っているのだろうか。ぎり。小さいと思いながらも、どろどろと仄暗く単純な嫉妬が溢れるのを、抑えきれなかった。

2011-10-07 23:56:36