三国志こばなし集

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劉備「これが蜀科の素案か？」 孔明「はい」 劉「どれどれ…」 孔「…」 劉「…」 孔「…」 劉「孔明よ」 孔「はい」 劉「実に良くできている」 孔「恐れ入ります」 劉「だが気になることが一つある」 孔「…」 劉「刑罰と拷問に関する法の竹簡の量は？」 孔「馬謖らがあと五往復するほどに」 劉「…」

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法正「おや、竹簡がもう無い」 劉巴「貴殿は近隣の竹林を悉く更地にするおつもりですか？」 法「別に賢人がいるわけでもないから構わないでしょう」 劉「悪趣味でおぞましい法や刑罰を記録されるために伐採される竹のことを考えたことはないのですか？」 法「ある訳ない」 劉「聞いた私が愚かでした」

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孔明「今日もあなたの眉は白いですね、馬良」 馬良「はい」 孔「…」 馬「…」 孔「…」 馬「そろそろお時間では？」 孔「…」 馬「お気持ちは、痛いほどお察ししているのですが」 孔「…」 馬「孔明殿をして、そこまで行きたくない蜀科の仕事場とはなんなのですか？」 孔「馬良は行ってはなりません」

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劉巴「…」 簡雍「いや、参った参った」 伊籍「どうされました、簡雍殿？」 簡「殿と張飛の野郎と昼間っから飲んでたんだけどよ」 劉「いいご身分ですな」 簡「違いねえ」 劉「…」 簡「ここは寝心地がいいから、酔い覚ましに来た」 伊「ここがですか？」 劉「我らが何をしているかご存知ないので？」

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法正「黄忠殿」 黄忠「どうされた？」 法「貴殿は我が軍一の弓の達人との評を聞きましてな」 黄「いかにも」 法「ぜひ射てほしい的があるのですよ」 黄「造作もない」 法「あの戸板の赤い部分を射られますかな？」 黄「容易い！」 法「お見事！」 法「戸板の裏には…」 男「…」 法「運が良かったか」

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法正「探しましたぞ馬超殿！」 馬超「…貴殿は？」 法「法正と申す。同郷の英雄に会いに参りました」 馬「そんな、私如きが英雄など」 法「何をおっしゃる」 馬「一族がほぼ全員都にいるにも関わらず謀反した私が？」 法「…」 馬「妻子を棄て劉備様に降ったこの私が？」 法(話しかけるんじゃなかった)

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法正「馬超殿！」 馬超「法正殿…」 法「同郷の誼でお願いしたいことがあり参りました」 馬「それは？」 法「私の友の鍛冶屋が良い剣を打ちましてな」 馬「ほう」 法「罪人を斬って棄て、斬れ味を試したいそうなのですよ」 馬「法正殿」 法「…」 馬「その剣と罪人はどちらですかな？」 法(やるのかよ)

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関羽「…」 関平「どうされました、父上？」 羽「上庸に赴任した孟達が挨拶に来てな」 平「あの」 羽「益州で兄者に仕える者にろくな男がいないと憂いていたのだ」 平「それは？」 羽「揃って不品行を嫌われ冷遇された者たちだ」 平「ええ」 羽「劉璋の判断は間違っていないのでは？」 平「確かに…」

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法正「なぜ私が商いに関する法まで携わらなくてはならないのですかな？」 劉巴「血生臭い頭を綺麗にしろと、殿からの伝言では？」 法「誰が血生臭いと？」 劉「貴殿ほど血生臭い男はここにいませんよ」 法「言葉の刃で他人を切り刻む者が言えますかね、劉巴殿」 李厳「いかん鼻血が」 劉「失せなさい」

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曹丕「司馬懿、あれをやれ」 司馬懿「仕事中なのですが」 曹「朕の命に背くか」 司「…」 曹「早く」 司【狼顧の相】 曹「そのまま仕事だ」 司【なぜです？】 曹「退屈なのだ」 司【果物でも食べればいいじゃないですか】 曹「退屈しのぎでやるには惜しい」 司【私は果物にも劣ると？】 曹「何を今更」

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法正「痩せましたな、伊籍殿」 伊籍「…ええ、最近食が進まず」 法「それだけには見えません」 伊「それは？」 法「心労や疲れも見えます」 伊「…そうなんですよ」 法「伊籍殿を困らせる不届者がいるのではないですか？」 伊「…」 法「もしそんな輩がいるなら私が厳罰に処して」 伊「もういいです」

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法正「これは私刑ではありません。私はただ、獄卒の腕力を確かめる良い方法を模索していただけなのです。私刑ではないです。仮にこれが私刑だとしても、私刑という名の力比べです。お気に召さないのなら他の方法も考えますから、私に言いがかりをつけるのはやめていただきたい、劉巴殿」 劉巴「…」

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劉備「おい、孔明」 孔明「どうされました？」 劉「五虎将ってのを作っただろ？」 孔「関羽、張飛、馬超、黄忠、趙雲の五人でしたね」 劉「曹操の野郎の下にも五人いるらしい」 孔「張遼、徐晃、于禁、楽進、李典とか」 劉「それで蜀科作ってるお前らも五人組じゃねえか」 孔「…」 劉「なんかやれよ」

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孔「…私たちで？」 劉「仲良いじゃねえか」 孔「そう見えます？」 劉「すると五虎将みてえな名前を俺がつけてやらねえとな」 孔「いいです」 劉「蜀科だけに、ショッカーてのはいいんじゃねえか？」 孔「五虎将に秒殺されそうな名前ですな」 劉「よし。以後お前ら五人はショッカーだな」 孔「嫌です」

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劉「なぜだ。ショッカー筆頭大将臥龍」 孔「もう臥龍じゃありません」 劉「目覚めたってか？」 孔「我らは五竜将です」 劉「…言ってみろ」 孔「毒癌竜法正」 劉「…」 孔「狂竜劉巴」 劉「…」 孔「事故竜李厳」 劉「…」 孔「清竜伊籍」 劉「…」 孔「そして超一竜諸葛亮」 劉「寝言は寝て吐け」

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間違えた！ ✖︎李典→○張郃 ごめん李典！一生の不覚だ！ twitter.com/suikoden109/st…

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劉備「第一回。五虎将対ショクカー対抗戦を行う」 簡雍「こいつらを何で競わせるんだ、大将？」 劉「戦わせる」 簡「殴り合いじゃショクカーの連中に勝ち目ねえじゃねえか」 劉「確かに運動じゃ勝ち目ねえな」 簡「かといって知恵の勝負じゃ五虎将に勝ち目がねえぞ？」 劉「…参った。考えてなかった」

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簡「計るものさしが全然違えからな」 劉「てめえもなんか考えやがれ、簡雍」 簡「大酒大食い勝負！」 劉「お前がやりてえだけだろ」 簡「百日宴勝負！」 劉「それだ！」 簡「正気かよ大将？」 劉「違う。宴会芸で勝負させるんだ」 簡「なるほど」 劉「さすがに雲長は呼べねえから魏延を代わりに…」

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孔明「という殿から命が」 劉巴「我らの惨状をご存知ないので？」 伊籍「最近眠いのに眠れなくて…」 李厳「やつれたな、伊籍殿」 法正「宴会芸か…」 孔「なにかできるのですか？」 法「ブサチビ張松のモノマネとか」 孔「他には？」 法「逃げ出してとっ捕まった許靖爺とか」 劉「不謹慎すぎます！」

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張飛「宴会芸だと？」 趙雲「殿からそのように」 黄忠「蜀科の五人組と勝負とな」 魏延「関羽殿の代わりは私が」 張「ネタはねえか？」 趙「皆の名場面を再現するのは？」 黄「良いな！」 張「長板の仁王立ちか！」 趙「私は単騎駆け」 馬超「曹操に敗れた所が名場面？」 張「…俺が編集してやるから」

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Q.蜀科ってなあに？ A.劉備と愉快な仲間たちが、蜀を乗っ取って、念願だった大きな領土をゲットしたよ！ だけど蜀は今まで法がゆるゆるだったから国内もゆるゆるだったんだ！ だから孔明は法をビシビシの厳しい内容にすることを提案したよ！ 厳しくても公平な法律だったから不満は少なかったんだって！

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Q. 蜀科のどこにそんなネタ要素があるの？ A. 一言で言えば「作ったメンバーがおかしい」ことに尽きるよ！ 提案した孔明や物腰柔らかな伊籍は分かる。劉備大嫌いな劉巴や法律違反する李厳も、才があるから分かる。だけど恨み深くて私刑常習犯のヤクザ軍師法正までもが加わってるんだ！ おかしいよね！

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蜀科の愉快な仲間たち① 【諸葛亮(孔明)】 三国志といえばこの人。 天才軍師扱いされがちだけど、実際は名宰相の色の方が強いかも。 劉備に天下三分の計を勧めた所、本当にできちゃってびっくりした。 蜀の法律がゆるゆるなので、厳しい蜀科を作ることになったが、濃すぎる他のメンバーが悩みの種。

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蜀科の愉快な仲間たち② 【法正(孝直)】 蜀のヤクザ軍師。 とにかく執念深く、私怨で私刑を執行しまくったと正史に書かれた。 あまりにエグいので、孔明に法正なんとかしろって諌言した奴がいたが、孔明ですら法正の功の大きさゆえ、あえて止めなかった。 そんなお前がなんで法を作る側にいるんだよ。

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蜀科の愉快な仲間たち③ 【伊籍(機伯)】 劉備の居候先から彼に仕えてきた、蜀科メンバーの良心。 弁舌が優れ、外交官としても活躍。 もっとも、彼に関する記述はあまりに少なく、正史のページ数が1ページしかなくてしょんぼりしたとか。 穏やかな人柄が推測されるので、きっと癒し枠。そうに違いない。