【アニメてにをは・魔女の宅急便～その１６／終】

アニメてにをは＠石曽根正勝 @animeteniwoha

【３９４】まだ飛ぶ力が安定してなくて、デッキブラシとの相性もばっちりではないので、突然落下します。 決定的瞬間を切り取るのはなかなか大変ですが、『そこまでこだわる意味あるかな？』とも思います… いま『ブラタモリ』を横目に見ながらやってます。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/fJ57kn7cm5

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【３９５】落下して家屋の屋根にお尻を直撃です。 直撃する前と、後とでは、屋根に『衝突した痕』が生まれてます。これもセルに部分背景を描いた『ブック』という手法で処理されています。２回ぶつかってますから、２箇所＝２枚のブックをその都度、背景に敷いてます。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/43xYXTnngv

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【３９６】ここは地味にすごい。 キキの転がりに沿って、一方で左斜め上方向にパラソル広がる地面が迫り出てきて、もう一方で右斜め下へと屋根が引っ込んでいく。両側へと背景を動かして、光景が広がる。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/nyoU8EWNqQ

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【３９７】それからこのカットはパラソルがセル画で処理されていますね。動きが伴わないので背景で処理してもいいのですが。 ①動くヒトとの調和。 ②次のカットへのつながり。 ③生き生きした存在にする。 などの要因が可能性としてありますね。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/IY5CDGoQyE

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【３９８】さっきのカットで生き生きさせておいたパラソルが、このカットではキキの飛翔力にあおられて、見事にひるがえってます。 それにしても２カット目のキキの顔は、やっつけ仕事っぽい造形ですね。こういうのもあると、ある意味、ホッとしますが。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/PD0vUsAPps

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【３９９】ここは叶精二さんの普及活動もあり、横に長い『横長背景』が使われて、【右奥】から【真ん中手前】、そして【左奥】へと、一枚の背景で済ませている手間のかかったカットですね。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/74uMRz12sg

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【４００】でもクライマックスだけあって、さっきのアーケードだけじゃないですよ。視覚的に特別感あふれるカットが連続します。建物から出て、上空へとひとっ飛びする。 この一連の動きが連続していて、背景も一枚絵で出来ています。これも大変なカットだったはず。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/JPUtOTI1nh

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【４０１】何とか高度を保って飛べていますが、向き・揺らぎで安定していなくて、キキはデッキブラシに話しかけながら飛び続けます。 ここもけっこう地味に、作画的に大変そうに、個人的には見えますが。実際どうなんでしょうね？ #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/pwEvyeJfge

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【４０２】気球が落下しそうで、路上の人々が逃げまどいます。群衆の描き分け、作業量の膨大さも驚きですが、路上にかかる気球の影は『ダブラシ』という撮影処理。パトカーの青い灯火は『透過光』。だんだん撮影処理技法も見えてくるようになってきましたか？ #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/UX3woh8zi3

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【４０３】尻を上にした格好で浮かび・移動する気球。 気球の輪郭・マチエールを美術が描き、船体をかたどる描線がセル画ですね。両方の手法が混在して成立しています。 気球の動きは『作用／反作用』を与えず・『スライド』（撮影台上で機械的に動かします）で処理。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/8w3YuP3FIm

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【４０４】これから気球が時計塔へぶつかります。 この段階では気球も塔も『変化する』必要がないので『背景美術』で処理されています。 しかしぶつかって、気球も塔も変化・崩壊します。そのとき両者は『セル画』に変化しますので、その推移にも留意しておいてください #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/bOBKK5e5R4

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【４０５】気球から垂れたロープにつかまり、パトカーのフェンダーに足をかけて辛うじて助かっているトンボ。 ここからは、複数のことが同時に起こっているので、同じ場面でもひとつひとつ分解する形で見ていこうと（休憩中に）決めました。 pic.twitter.com/qzrLYa0Anb

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【４０６】まずはトンボのバランス感覚。 ２枚の絵を、そのフェンダーの傾き加減が違うのが確認できますか？ 左右のつり合いがを辛うじて保っているさまが見事に表現されています。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/aOLuJWcX5p

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【４０７】トンボ目線で見えていて、時計塔が接近してきます。 これは撮影の段階で、トンボのセルと時計塔の背景を別々のガラス板の上に乗せて上から撮影し、実際に板と板とを接近させながら撮影することで時計塔（の美術）が接近するように見えるのです。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/ysLoghbEg7

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【４０８】さらに同じ背景美術でも、時計塔と背後の空とは別々の層として描き分けられています。だから時計塔と雲の位置が少しずつずれるのです。 ただし塔と雲は別の板ではなく、同じ板に重ねて、ひとコマひとコマ重ね・ずらしています。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/1VviZZOZM6

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【４０９】さらに接近。時計塔のおじさんも大きく見えてきましたね。 『塔（＋おじさん）の層』と『トンボの層』は別のガラス板の上に乗せられていて、板と板との距離の接近が、『トンボの前を時計塔が大きく見える』効果をあげています。 これがマルチプレーンです。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/D6nu1Qk4YH

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【４１０】今度は視点は時計塔からになっているので、トンボがカメラに急接近しますね。 トンボが大きくなって見えるのは、ただ普通に動画で処理、です。 塔に接近したことが、トンボの身体にかかる『影の比率の変化』で見せていますね。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/9dmmbsfzQX

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【４１１】また視点はトンボの方から。気球がついに時計塔に直撃する寸前の瞬間です。 時計塔のおじさんの動きを丁寧に見たかった、からではなく、ここでも『モノの接近が影によって示唆されている』のです。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/RsbRuE3tdo

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【４１２】気球が時計塔の頂点にぶつかり、気球は形を崩し、時計塔も尖塔部が破壊されます。 ただし、同じように変化しているようでも、気球は完全に『セル』として変化・変容しています。 一方、尖塔部はうまく気球の内側に隠れ、破片が飛び散ることでその破壊のさまを間接的に告げる形になっています pic.twitter.com/zn944lL2Aq

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【４１３～１】さあ、ここはいくつも見どころ、ありますよ。 トンボが時計塔の壁面に両手を這わせています。 本来セル（トンボ）と背景（時計の壁）は別々の部署で仕上がるのでした。 こんなに巧みに・しっくりとセル画と背景美術が協同しあうって、普通のアニメにはなかなかないですよね。 pic.twitter.com/8j8eVuhOu4

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【４１３～２】破壊された塔の破片が落ちてきて、おじさんが入り口から身を引っ込めます。 このとき外枠の輪郭線に沿って『組（くみ）』が切られています。つまりおじさんは、入り口の輪郭に沿って『切れて・存在しなくなっている』のです。 おじさんが枠にかかってる部分だけ輪郭線が見えるでしょうか pic.twitter.com/7QssPIE9oC

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【４１４】さきほどは気球だけ、美術からセル画に変化しましたが、カット変わってここでは、時計の尖塔部分だけセル画になって破壊されていく様子が描かれていますね。 セル画と美術の使い分けが注目ポイントです。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/xvbhGRBYhD

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【４１５】トンボがつかんでいるのが、時計塔を構成する・レンガの継ぎ目の部分で、指先がぴったりと継ぎ目にあたっていますね。 レイアウトの原図から、２つの部署～作画部と美術部がちゃんと連携して作業している律義さがディティールをきっちり生み出しています。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/Dy0UdBCOHg

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【４１５～２】レンガの継ぎ目に当てた指先も細かいですが、トンボの足を支えている車のフェンダーが・不安定に揺れているさまも『作用～トンボの体重／反作用～かしぐフェンダー』の原理がうまく表現されています。足の曲げ具合の演技づけもいいですね。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/BAm1a3ST5G

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【４１５～３】細かく動きを見ていくと、トンボが時計塔の壁面から手を離してしまうのは、頭部にがれきが当たった衝撃からだったのですね。 『ラピュタ』でドーラが気を失うのとまったく同じですね。 #魔女の宅急便 #アニメてにをは pic.twitter.com/SuzWjutNIR

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