対談「成田悠輔×東浩紀」「民主主義に人間は必要なのか ──『22世紀の民主主義』vs『一般意志2.0』」を見てのコメント ――人間的、動物的、機械的

しろうと @sirouto

また、今回の対談での東氏のロジックも、「精神分析」的な文脈から輸入したように感じる。結婚詐欺で全体が崩壊するというロジックは、たとえば思想家「スラヴォイ・ジジェク」の「仮想化しきれない残余」とか、その辺の話かも。もちろんそれだけでなく、「言語哲学」など別ソースもあるだろう。

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なお、私の前半と後半の話のつながりが、見えにくいかもしれない。少し補強しておこう。「メタバースの独立国家」という話があったが、これは「国家はメタバースに置き換えられるか」という風に言い換えられそうだし、「政治家はネコに置き換えられるか」「人間はAIに置き換えられるか」にも近い。

しろうと @sirouto

私の立場としては、どれも「直接は置き換えられない」。ただし、「間接的に周辺部分を置き換えることは可能」だと考える。ロボットやAIとは結婚できない。が、ロボットやAIを愛することは可能。なぜなら、動物を愛することはできるから、そこを機械と置き換えればいい。

しろうと @sirouto

同じようなロジックで、国家がメタバースに直接置き換わるのも無理だろう。食料はスーパーで買うのだから、食料や燃料を止められたら終わりだから。しかし、安定した国家は前提で、その上にメタバースが作られて、人を集める共同体となり、何らかの活動や運動の「舞台」になる位のことはありえそう。

しろうと @sirouto

さらに、政治家について言えば、ネコに置き換える必要はなくて、政治システムやプロセスを、「密室」での談合から、AIやアルゴリズムやネット投票に置き換えるべきだと考える。これは少し抽象的で、分かりづらいかもしれない。

しろうと @sirouto

そこで、「五輪」の例を出そう。少し前に、政治家の汚職疑惑が報道されたこともある。しかしたとえば、五輪の競技場について、AIやアルゴリズムが建設シミュレーションをして、それをネット投票で決めれば、予算がそこそこで格好良いものが選べたかもしれない。すると、何百億円も違ってくる。

しろうと @sirouto

さて、最後にそろそろ、対談全体の感想に入ろう。率直に言って、東氏の方が喋った量も単に多いし、現実的な重みのある議論を展開されていたように感じる。が、私自身はあえて、成田氏寄りの立場で、今回コメントしてみた。なぜか？

しろうと @sirouto

それは、「少子高齢化」によって衰退気味の日本が、復活を遂げるには、AIとロボットの力が必要不可欠だからだ。今の日本は、昔の「明治維新」と同じような構造改革が必要で、もしかしたら成田氏は、「21世紀の福沢諭吉」的な存在になるかもしれない……と、私は考える。

しろうと @sirouto

ただ、成田氏自身が、今回なぜ控えめだったのかは謎が残る。単に成田氏が人気者だから、スケジュール過多で、疲れていたのかもしれない。会場がアウェイだし、東氏の存在感もあって、場の雰囲気に呑まれていたのかもしれない。

しろうと @sirouto

あるいは、相棒のひろゆき氏のように、対人的に「論破」することは、成田氏の念頭にないのかも。また、「昔、もっと若かった頃、東さんの郵便本を読んだ頃からすると、こんなに偉くなるとは思わなかった」みたいな、何か感傷に浸っておられたのかもしれない。それはそれで人柄を感じられるけど。

しろうと @sirouto

個人的には、人気絶頂、飛ぶ鳥落とす勢いの、若き天才の成田氏が、かつての若き天才である東氏に、全力で挑む、みたいな熱い展開を望んでいたけど……、もちろん、対談はすごい密度で、高い知性が感じられたけど、成田氏はこの何倍も議論できるポテンシャルがもっとあるはずと感じた。

しろうと @sirouto

成田氏が、「22世紀の民主主義」をベースに、どう思想を発展させていくのか、今後の展開も非常に楽しみ。ただ、天才成田氏が本気を出したら、それはそれで、もはや凡人の私の頭では、まるで理解が及ばない気もするが……。

しろうと @sirouto

最後に、日本の言論界のトップクラスだろう、二人の対談に、たくさんの良い刺激を受けました。私が何か誤解している部分も多々ありそうですが、せっかくの二人の天才の対談なので、どうしても、触れておきたかったのです。日本の未来に関係しそうな、大きなテーマでしたし、良企画だと思います。

しろうと @sirouto

――といった所で、夜も更けましたし、お二人に感謝して、今回は終わります。拙文をお読みくださった方、ありがとうございました。