現代語訳『祇蓮諸説経論』抜粋:徳一葬儀諷誦文

 諷誦文でありながら祇蓮が自らの説である「優良人類生存説」の正当性を主張しているように読めますね。「優良人類生存説」は唯識の五姓格別に基づく思想であると考えられます。
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師茂樹 MORO Shigeki @moroshigeki

「菩薩よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ!菩薩よ!我ら菩薩種姓こそ選ばれた民であることを忘れないでほしいのだ。優良種である我らこそ人類を救い得るのである。ジーク・慈恩!」

2011-10-10 14:45:26
師茂樹 MORO Shigeki @moroshigeki

釈して曰く「菩薩」とは菩提薩捶の略称なり。「立て」とは発心を云うなり。「悲しみ」とは慈悲を云うなり。「怒りに変えて」とは、慈悲相を忿怒相に転じて、勇猛精進するを云うなり。「菩薩種姓」とは五姓の一なり。「選ばれた民」とは、菩薩種子の、一切衆生に偏在するを云うなり。(続く)

2011-10-10 15:55:50
師茂樹 MORO Shigeki @moroshigeki

(続き)「忘れないでほしいのだ」とは、不退転を云うなり。「優良種」とは、菩薩種姓の頓悟するを云うなり。「人類を救い得る」とは、菩薩の摂衆生戒を云うなり。「ジーク」とは、勝解行地にあるを云うなり。「慈恩」とは慈恩大師を云うなり。(『祇蓮所説経論』より)

2011-10-10 16:05:27
師茂樹 MORO Shigeki @moroshigeki

祇蓮曰く「我々は一人の英雄を失った。しかし、これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!南都北嶺に比べ、我が慈恩の勢力は30分の1以下である。にもかかわらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か?善男子善女人!我が慈恩宗の論争目的が正義だからだ。…

2011-10-10 20:38:51
師茂樹 MORO Shigeki @moroshigeki

…これは諸君らが一番知っている。我々は都を追われ、蝦夷の移民者にさせられた。そして、一握りのエリートらが蝦夷にまで膨れ上がった仏教界を支配して50余年、蝦夷に住む我々が自由を要求して何度踏みにじられたか。慈恩宗の掲げる仏教徒一人一人の自由のための戦いを仏が見捨てるはずはない。…

2011-10-10 20:39:19
師茂樹 MORO Shigeki @moroshigeki

…私の弟子!諸君らが愛してくれた徳一は死んだ。何故だ!?」。その時、尊者沙阿答えて曰く「坊主だからさ」。祇蓮曰く「新しい時代の覇権を選ばれた菩薩が得るは、歴史の必然である。ならば、我らは襟を正し、この戦局を打開しなければならぬ。…

2011-10-10 20:42:27
師茂樹 MORO Shigeki @moroshigeki

…我々は過酷な蝦夷を生活の場としながらも共に苦悩し、錬磨して今日の文化を築き上げてきた。かつて、慈恩大師は、人類の革新は瑜伽の民たる我々から始まると言った。しかしながら都のモグラ共は、自分たちが一切皆成の教義を有すると増長し我々に抗戦する。…

2011-10-10 20:42:52
師茂樹 MORO Shigeki @moroshigeki

…諸君の父も、子もその南都北嶺の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ!この悲しみも怒りも忘れてはならない!それを、徳一は!死をもって我々に示してくれた! 我々は今、この怒りを結集し、南都北嶺に叩きつけて、初めて真の勝利を得ることができる。 …

2011-10-10 20:43:12
師茂樹 MORO Shigeki @moroshigeki

…この勝利こそ、戦死者全てへの最大の慰めとなる。菩薩よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ!菩薩よ!我ら菩薩種姓こそ選ばれた民であることを忘れないでほしいのだ。優良種である我らこそ人類を救い得るのである。ジーク・慈恩!」

2011-10-10 20:43:28
師茂樹 MORO Shigeki @moroshigeki

祇蓮、是の如く説きおわりたもうに、十方より来たれる菩薩衆、一切の大衆、祇蓮の説きたもうところを聞きて、歓喜せざるなし。(『祇蓮所説経』より)

2011-10-10 20:46:30