「現代川柳には調べがない」まとめ

歌人である加藤治郎さんの「短歌には調べがありますが、現代川柳には調べがないんです」という発言をめぐる議論
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ササキリ ユウイチ @you_rissk

柳本々々や川合大祐さん等の若い川柳作家(すみません、読者として言っています)は、そうした意味の地平を論の方で開拓した方達かな、と思っています。その強調の作業の流れの中に、私は川柳を読み書きし始めたときに強く感じてました。だから、調べと言われたとき、わからなくもない(だから必要)と

2022-11-30 20:54:32
石川聡 @satoshi_iskw_p

これが、名古屋に居なかった「川柳の人達」にとっての、ふってわいたような「調べ」に関する一連のツイートに対する「ああ、そういうことか!」ポイントかと。 自分は「川柳に調べはある!」側ですが、加藤治郎さんは、なぜこんなことをいったのでしょう? 音声記録はないのかな? twitter.com/K16mon/status/…

2022-11-30 21:32:22
川合大祐 @K16mon

→加藤治郎さんは確かに言いました。 「短歌には〈調べ〉がありますが、現代川柳には〈調べ〉がないんです」 もう一度書きますね。 「短歌には〈調べ〉がありますが、現代川柳には〈調べ〉がないんです」→

2022-11-30 19:26:12
森内詩紋 @NJq4oEvg5glcRpu

@naruse000yuu 川合氏のとこで経緯を見たかぎり、加藤氏のスットコチョイにしか思えないなあ。 加藤氏が調べ(趣や情緒、またそれから感ずる調子)を別の意味で使ってるならわからんけど。 わしは現代川柳には短歌より情趣に富む側面(主にその選語に)があると思っておる。

2022-11-30 21:57:39

加藤治郎氏本人登場

加藤治郎 @jiro57

こんにちは 懇親会の場での発言でした 「調べ」は、短歌の最も大切なものです ちょうど角川「短歌」年鑑の座談会のテーマでした 私は、川柳の作家が「調べ」をどう考えているのか、お聞きしたい 川柳の本質は「転換のスリル」にあると、なかはられいこ『くちびるにウエハース』を読んで考えています twitter.com/satoshi_iskw_p…

2022-12-05 09:12:05
船山登 @mcts08

私の感触では、川柳で「調べ」が話題になることはほとんど無い。例として『川柳マガジン』11月号の川柳マガジン文学賞の選評を見ると、作品の調べの美しさを誉めているものは皆無。ただし1箇所だけ「中八が絶対悪いとは言わないが、やっぱりリズムがねえ」と。575(の特に中7)さえ守ればいいみたい。 twitter.com/jiro57/status/…

2022-12-05 18:01:19
船山登 @mcts08

詩歌の「調べ」とは韻律のことだと思うが、韻律は反復から生まれる。短歌の基本形57577は57、57と繰り返し、(重なりながら)7、7でしめる。これで完成形。付句が独立したものである川柳の575は音数による韻律としてはいかんせん不完全だ。

2022-12-05 18:22:49
船山登 @mcts08

ただし音数を定形に合わせるだけでは単調になりがちなため、詩歌一般にはよく音数以外の反復要素(押韻等)が配合され、韻律が強化される。これは全17音の中でも可能だ。

2022-12-05 19:44:43
船山登 @mcts08

例として蕪村の俳句で調べの美しい(と私が感じる)「ゆく春や逡巡として遅ざくら」の初句と結句の母音を取り出してみると、 u-u-a-u-a o-o-a-u-a という反復が見られる。 また、関東式のアクセントで読んだ場合だが、 低高高低低 低高高低低 という反復が見られる。

2022-12-05 19:47:07

秋月氏の呼びかけにこたえる加藤氏

秋月祐一 @capybara510

加藤治郎さんは「現代川柳には調べがない」とおっしゃられたのですから、「川柳の作家が『調べ』をどう考えているのか、お聞きしたい」と問う前に、「現代川柳には調べがない」というご発言の根拠となった、ご自身のお考えをまず述べられるのが筋だ、と思うのですが、いかがでしょうか? #川柳と調べ twitter.com/jiro57/status/…

2022-12-06 07:47:20
加藤治郎 @jiro57

@capybara510 こんにちは わかりました いま、喫緊の仕事に取り組んでいます 少しお時間ください 秋月さん、誰に対して応えたらよいのか、分かりません 交通整理をお願いできますでしょうか また、このテーマについて、秋月さん自身の考えをまとめておいてください よろしくお願いします

2022-12-06 11:39:49
深川一平 @6xv77yINhC9akJN

@you_rissk @inichilow @Zenro17 川柳でも短歌でも文字が並んでいるだけでは調べは無いと思う。黙読にしろ音読にしろ読まれたときに調べは生まれると思う。調べは読む人それぞれで調べを無視して平坦に読むことも可能、かと。

2022-12-06 20:15:08
Дая @nanka_daya

川柳のことはともかく、短歌の「調べ」も別に前提で共有された何かがあるわけじゃないと思いますよ。

2022-12-06 21:21:15
船山登 @mcts08

肝心の川柳だが、話題のなかはられいこの句「鉄棒に片足かけるとき無敵」は好例。頭韻が効いている。15の子音中、tが5回、kが5回。音韻の主題は「テキ」であり、「ムテキ」で締める。爽快なリズムに乗って無敵の鉄棒少女が出現。ヤラレタ! 意味先行ではなく、音声先行での作句に違いない。

2022-12-07 14:39:52
船山登 @mcts08

さてそのなかはられいこの川柳句集の「批評会」の後の酒席での加藤治郎による問題提起ということだが、ということはつまりその「批評会」で、音韻面についての評価は全く出なかったということかな?

2022-12-07 15:55:55

加藤氏、かたりはじめる

加藤治郎 @jiro57

◯ 寒くて、震えている こんな朝がずっと続くのか… ◯ 「調べ」と「韻律」は、異なる まずは、そこからだろう 短歌にとって「調べ」は、至上の価値である 「リズム」という言葉を使う人もいる 同じ事象の異なる側面を見ているのか 岡井隆は『短詩型文学論』で、この領域を考え抜いた

2022-12-08 07:29:45
秋月祐一 @capybara510

加藤治郎さんが、川柳と調べにについて語り始めたので、ぼくの立場を表明しておくと、五七五の詩型の川柳や俳句にも調べがあるに決まっているだろう、ということになる。→ twitter.com/jiro57/status/…

2022-12-08 08:31:32
秋月祐一 @capybara510

加藤治郎さんの「現代川柳には調べがない」という問題発言が飛び出したのは、なかはられいこさんの句集『くちびるにウエハース』批評会の懇親会の席上でしたが、 ビル、がく、ずれて、ゆくな、ん、てきれ、いき、れ という作品には、表記とリズム(調べ)が一体となった、きわどい美しさがあります→

2022-12-08 08:42:02
秋月祐一 @capybara510

ぼくの好きな川柳作家の八上桐子さんの作品、 うっとりとひとりの泡を聴いている/句集『hibi』より も「うっとり」と「ひとり」の脚韻、「うっとり」「ひとり」「泡」のu→i→aの音韻の流れなど、あきらかに調べを意識した作句がなされている、と思います→

2022-12-08 09:06:15
秋月祐一 @capybara510

俳句と川柳の境界領域で作句をされている坪内稔典さんの作品。 か、彼が 遠くの蟹へ帰るころ か、か弱い 鯨の耳を噛んでみる か、仮に 女盛りの昼へ行く/句集『落下落日』 (あと3句続きますが後略) これらの作品は、か行音、が行音が巧みに用いられ、心地よい調べが生み出されています。

2022-12-08 09:21:08
秋月祐一 @capybara510

@haiku_no_mori96 「調べ」は「リズム感」を含めた、より大きな概念だと思いますが、まずは加藤治郎さんのツイートに反応するかたちで、「リズム」を中心に私見を述べたかたちになります。ぼく自身も、川柳、俳句、短歌の「調べ」について、さらに考えてゆきたいと思っております。

2022-12-08 09:39:50
秋月祐一 @capybara510

@haiku_no_mori96 ご指摘ありがとうございます。ぼくは「調べ」を仮名文字に限定せずに捉えています。それはぼく自身がカタカナ語も多用した短歌や俳句を作っており、それらの拙作にも「調べ」はあると考えているからです。

2022-12-08 09:46:30
堀田季何 Kika Hotta @vienna_cat55

広義の詩なら、ほぼ全ての詩型において韻律は大事。長短は関係ない。発句や平句でも。リズムを含む韻律は作者が作るもの。 ただし、韻律に腐心するのと「歌う」(≠詠う)のとは違う。発句や平句は、歌を句切るところから始まる。合わさって連歌という歌になる 「調べ」という言葉は危険。定義すべき

2022-12-08 16:04:13