南アフリカのもう一つの現実：統計が示さない都市ごとの事情（ケープタウン編）

💫T.Katsumi @tkatsumi06j

目の当たりにしてきました。RT @southafrica_jp: 南アフリカの衝撃　経済的な繁栄の裏側で、年間約2万人が殺人事件の犠牲になっています。また、失業率が異常に高く、所得格差は世界最大。衝撃的な事実が満載の1冊　http://t.co/ZRCo3uL1

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これは事実ですが、ケープタウンは事情が少し違うようです。タクシーの運転手が熱っぽく、細かく話してくれました。RT @southafrica_jp: 南アフリカの衝撃　経済的な繁栄の裏側で、年間約2万人が殺人事件の犠牲になっています。http://t.co/ZRCo3uL1

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ケープタウンが所属するケープ州では、与党ANCではなく野党民主同盟DAが最大勢力を誇っている。そして、それがケープタウンを他の都市とは違う治安体系を持つ街にしている。ANCはDAに対抗するために貧民層の取り込みに必死だが、その戦術は狡猾で貧民を貧民のまま残しているという。

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ケープタウンの街中で目の当たりにしたのは、この「人工的」貧民区の多さだった。これがそのままANCの勢力図を示しているのだANCの対DAスローガンは、「白人の言うことを信じるな」この一点。ところが、白人のヘレン・ツィレ代表に率いられるDAは、この貧民区を次々になくしていってるのだ。

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ケープタウン空港に向かう道でこのことを熱く語ってくれたタクシーの運転手は黒人だった。そして彼は、「ケープタウンだけはANCには渡さない」という固い信念で、DAの支持者たちは結束していると言った。それも頷けた。たとえば、ケープタウンは実は南アフリカの中では治安がよいほうだった。

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それは何故かというと、支配勢力のDAが独自の治安対策を行っているから。これは肌身で感じることができた。ケープタウン市内には、夕方になるとオレンジと青の服を着た市民の自警団のような人たちが姿を現しはじめる。彼らの任務は警察の目の届かない範囲の市民の警護。彼を支援しているのがDAだ。

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野党DAがケープタウンの治安改善に取り組むのには、実は外資誘致の目的がある。DAの支持者はこれが意味することを理解しており、必要と考えるから支持する。事実DAがこの施策を実行してからは、ケープタウンで国際会議が頻繁に開かれるようになり、いまや世界有数の国際会議開催地となっている。

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治安と政情が安定していれば、海外投資を呼び込みやすい。すると地元経済が活性化し、雇用が増え、黒人・白人分け隔てなく生活がよくなる。この効果をDAは熟知し、実践している。だから、その恩恵を受けてタクシー運転手などになれる黒人の彼は、圧倒的にDAを支持するのも納得な訳だ。

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このように、南アフリカ全体で殺人多いのは事実だが、治安がよくなってきているケープタウンはその中では例外といえることを、現地で見聞きしてきた身としては、ハッキリ言うことができる。一国の事情というのは、全体の統計からは見えにくいということの好例といえるだろう。（了）