twblnovel　10月前期

ハウリル @how_howlite

いや、なんてことはない。落ち着け私。田舎から上京してきた時、どんな困難にも負けないと決めたじゃないか。だから、この試練も打ち破るんだ。“そっと触れて下さい”と書いてある自動ドアに、そっと触れる。でも、やはり開かなかった。いや、なんてことはない。落ち着け、私。 #そっと触れるのべる

ハウリル @how_howlite

男子校内で常々「男に興味ない」と言ってた友人。口煩かったので、最近知った暴言「うるせー恋愛対象としてみるぞ」で黙らせようとすると。「恋愛対象？お前になら、良いな」そう言って、俺の肩を掴む。「え？」「なぁ。発言には、責任持てよ」顔が近付く。避けられない。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

アパートの薄い壁を挟み、隣に住む男性の声が聞こえる。「ハァ…。アァ…ン」甘い疼きを孕ませた嬌声。隣人に客はいない。つまり、一人遊び。僕は壁に耳を当て、隣から聞こえる音に集中する。「気持ちイイ…よ…、サトルさん…っ」僕と同じ名前を呼ぶ。それが、僕のことならば。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

自慰のネタは、隣人の惺さん。彼に抱かれる自分を想像しては、今日も一人虚しく熱を放つ。ある日の朝、出かける直前に、たまたま惺さんと出会った。「おはようございます」「おはようございます」何気ない挨拶を交わすと、スーツの胸ポケットに紙を入れられた。電話番号だった。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

惺さんと番号交換をした数日後。僕は、自分の欲求を一人で慰めていた。惺さんに抱かれる自分を想像しながら、絶頂を向かえようとしたその時。突然ケータイが鳴った。驚いたが、電話の相手は惺さんで、急いで電話に出た。「も、もしもし！」「声」「え？」「声、聞きたくなって」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「そんな、わざわざ…。別に、隣に住んでるんだから」「声、聞かせて。さっきみたいに」「え…」瞬間、血の気が引いた。聞かれていた事に。自分の気持ちがバレていた事に。ケータイを取り落としそうになるが、電話口から、隣の部屋から、声が聞こえる。「慧さんの声、聞きたい」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「…惺さんに、この身体を触ってほしい…」「慧さん。気持ちいいですか？」「気持ちいいです…。でも、惺さんの指で、惺さんの大きいので、掻き回して欲しい…」電話越しに囁かれる言葉に痺れながら、僕は自慰を続けた。薄い壁を挟みながらも、直接彼に抱かれている気分だった。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「惺さん、イきます…。もう、イく…！」絶頂を向かえた声も、きっと向こうに聞こえただろう。脱力感に包まれながら、電話の向こうの人に話し掛ける「惺さん…」返答が無い。「惺、さん…？」訝しがりながらも呼び掛ける。すると、玄関のチャイムが鳴る音。鍵はかかっていない。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

勝手にドアが開く音がして、誰かが家の中に入ってきた。部屋のドアが開かれると、そこには、顔を上気させた惺さんが立っていた。「慧さん…！」言うや否や、惺さんは僕を抱きしめ、深い口づけをしてくれた。僕は、抱きしめ返して、舌を絡めることで、それに応えた。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

シャワーを浴びてる彼がいて、リビングでテレビを見ている私がいて、机の上に彼のケータイがある。別に、浮気を疑ってるワケじゃない。これはただの好奇心なんだ。そっと伸ばした手が、彼のケータイに触れる。すると突然、彼のケータイが鳴りだした。 #そっと触れるのべる

ハウリル @how_howlite

弟の体は、思っていたよりも大きく、重かった。それを、ここまで小さくするのにも苦労した。実際、ここからどうしようか。体の一部から人の死体だとわかるなんてよくある話じゃないか。もう少し細かく刻んで、フードプロセッサーにでもかけるべきか。いや、それは機械が勿体ない。 #twnovel

ハウリル @how_howlite

好きになった瞬間から悲恋だってわかっていたし、一緒になっても幸せにはなれないと知っていたし、告白しても断られると思っていた。だから、お前と付き合えるだなんて、そんな幸せを想定してない。多分もうダメだ。お前がいなくなった時、そんな恐怖を考えることができない。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

少年は、今日もいつも通りの日常を過ごす。学校へ歩き、授業を受け、イジメを見過ごし、授業を寝て、一人で掃除をして、雑誌を買って、家に帰る。一人で暮らすには十分過ぎる部屋。昨日一昨日と少年は、弟だった塊を切り刻んで砕いて溶かして棄てた。 #twnovel

ハウリル @how_howlite

小学生の頃から、「ヒーローは遅れた頃にやってくる」を遅刻の言い訳にしていたヒロシ君(26)でしたが、先頃、25歳年上の女性と結婚しました。プロポーズの言葉は、「君のヒーローになりたい」だったそうです。これからヒロシ君は、彼女のヒーローとして生きていくのでしょう。 #twnovel

ハウリル @how_howlite

自分のことを否定され続けた青年が自殺をしました。例えるなら、試験用紙に解答を書くや否やバツを付けられるような人生でした。人生に正解も不正解も解答も無いのに、彼が残した解答欄はもう、白紙のまま埋まることはありません。試験官は、彼の最期の選択にもバツを付けました。 #twnovel

ハウリル @how_howlite

自分そっくりの泥人形を作って、それで自分を慰めようだなんて、なんてナルシストなんだろうか。しかも、自分そっくりだから下に余計な物も付いてるし。錬金術師の失敗は、単純で当然な考えに至らなかったことだね。結局その泥人形とコトに至った勇気には恐れ入るけど。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

科学が発達しても、コミュニケーション方法が多様になっても、プライベートの公開が普通になっても、見つめるだけで、隣にいるだけで、一緒に話すだけで満足しなければいけない恋は、いつまで経っても進展しない。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

キーワードという言葉がある。鍵となる言葉、つまり、その言葉が何かの切欠になる言葉だ。そしてこれは、ポジティブな意味で使われる。僕には、ロックワードなる物がある。自作語だ。鍵となる言葉で、その言葉が何かの切欠になる言葉。しかしこれは、ネガティブな意味で使われる。 #twnovel

ハウリル @how_howlite

普段、一緒にいるせいで、大切なことに気付いてないんじゃないのか？どうしてお前が、付き合う彼女付き合う彼女上手くいかないのか、どうして告白されて付き合っても別れる時にはお前が振られるのか、わかってないんじゃないのか？教えてあげない。だって俺は、頑張ってるから。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

誰かに認めてほしかった。間違ってないと言ってほしかった。どうして否定される？どうしてオカシイと笑われる？俺達の、何処が駄目なんだ。異常でもいい。異端でもいい。でも、それを否定されることだけは我慢出来なかった。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

手の届かない場所にいる人を混乱させるような言葉で惑わせて、それで苦悩する様子を思い描くのが楽しいのよ。目の前でそんな様子を見せられてごらんなさい？手を差し延べて助けてあげたくなっちゃうじゃない。 #twnovel

ハウリル @how_howlite

幼稚園の時に、冗談みたいに何度も結婚を約束した、幼なじみがいた。あれから２５年。アイツは、１番好きな人と結婚をし、俺は、２番目に好きな人と結婚をした。幼い頃の、約束はそこには無かった。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「ネコの着ぐるみにゃん！」「それは着ぐるみって言わない。ネコ耳カチューシャにネコグローブ・ネコ靴下、……しっぽはどうなってんだよ？オイ」「ふにゃぁぁ…！ズボズボしちゃダメにゃぁ！しっぽ取れちゃうにゃぁぁっ！」「でも、しっぽ取らなきゃ挿入れらんないだろ」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「犬の着ぐるみだワン！」「前回以上のツッコミはしないぞ」「えぇ！？突っ込んで欲しいんだワン！」「意味が違うじゃねぇかよ…。…ん？尻尾は前回と違うんだな」「今回はパンツだワン」「めんどくせぇ。破くか(ﾋﾞﾘﾋﾞﾘｯ)」「キャウーンっ！」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「それでさぁ、こんなポーズを僕にさせて何がしたいのさ」「おま…っ、もっと羞恥心を見せろよ！今お前は、学校一の不良に拉致監禁されて全裸であられもないポーズで縛られてるんだぞ！？」「自分で言うのかよソレ。別に、先生の前でもっと恥ずかしいポーズしたことあるし」 #twblnovel