論文『すべり台の動摩擦係数実測研究』関連ツイートまとめ(2023.1.8作成) #慣性モーメント #缶性

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村田次郎 / Jiro Murata @jiromurata

大人になって滑り台を滑ると、不思議に思う事があります。子どもより大人の方がずっと速いのです。自由落下の場合と同様、動摩擦力が働く場合でも落下速度は質量に依らないはずなのに。学生が卒業研究でこの謎を解明しました。日本語の論文プレプリントを公開します。 doi.org/10.51094/jxiv.…

2023-01-06 17:54:36
村田次郎 / Jiro Murata @jiromurata

自由落下の加速度は質量に依らないというのがピサの斜塔の実験です。羽根よりハンマーが速く落ちるのは空気抵抗で羽根がゆっくり落ちるからで、空気がなければ同じ加速度で落ちます。滑り台でも動摩擦力は質量に比例するので実は落下の加速度は物体の質量に依らないと学びます。これと矛盾するのです。

2023-01-06 17:54:37
村田次郎 / Jiro Murata @jiromurata

村田研の4年生が公園の実際の滑り台で運動の様子を実測し、授業では一定と学ぶ動摩擦係数が、実際には強い速度依存性と質量依存性がある事がわかりました。カーリングの研究でも用いられた、画像処理型変位計を用いた解析を行った結果です。

2023-01-06 17:54:37
村田次郎 / Jiro Murata @jiromurata

学術的には既知のベアリングの摩擦特性で理解出来ますが、実際の滑り台で調べた例はないのではないでしょうか。楽しい卒業研究でした!

2023-01-06 17:54:37
村田次郎 / Jiro Murata @jiromurata

こんな所で語ってないで、どなたか一人位、近所の公園に行ってローラー滑り台ってどんなんだっけ、と見て来たりしてないですかね…。で、靴でも本でも滑らせてみれば1分で自分でも見れますよ。

2023-01-07 17:27:52
Jun Makino @jun_makino

これ、ローラーの回転の運動エネルギーにいく分を考慮すると終端速度が質量に依存することが自然にでてくるような。 twitter.com/jiromurata/sta…

2023-01-08 00:03:10
Jun Makino @jun_makino

円柱の慣性モーメントは係数1/2 なので、ローラー1つの質量を m, 間隔を a, 滑り台の角度をθ、滑るものの質量を M とすると、定常状態での速度を vとして、単位時間にローラーの運動エネルギーにいく分は v/a m^2/4

2023-01-08 00:32:15
Jun Makino @jun_makino

位置エネルギーは Mgv sin θ なので、2つが等しいことから Mgv sin θ = v/a v^2 m/4 なので、 v^2 = 4gaMsin θ/m で終端速度 v が求まった。

2023-01-08 00:33:38
Jun Makino @jun_makino

ローラーが直径5cm で長さ50cm、とすると大体1kg,間隔 10cm 体重 60kg、sin θ=0.5 で計算すると大体 10m/s がでくる。依存性は v∝√Mなので、実験結果と大体あってるようにみえる。

2023-01-08 00:34:55
Jun Makino @jun_makino

この検討からわかることは、ローラー式滑り台は体重が重い人では危険なほど速度がでる可能性があり、体重制限をつけるべきだということであろう。あるいはローラー軸受の粘性をあげて速度制限つけるとか。

2023-01-08 00:36:34
Jun Makino @jun_makino

あ、論文に直径18mmのアルミ棒で間隔 25mm、角度13度と書いてあった。さっきの計算は比重1としたので、1mあたりの重量はあんまりかわらない。角度が小さいのでsin θの平方根に比例して速度が小さくなる。

2023-01-08 00:49:55
Jun Makino @jun_makino

あと、実際にはローラーは(ほぼ)一定速度ですべってくるものと速度0で接触してすべってくるものの速度まで加速されるので、その間に必ず損失がある。ちゃんと実験と比べるにはそれも考慮しないといけない。最初速度0だから半分くらいは損失するはず。

2023-01-08 01:16:26
村田次郎 / Jiro Murata @jiromurata

@jun_makino ローラーの棒はかなり軽くて、せいぜい100gな感じ。樹脂製のは更に軽いです。回転の減衰時間も2-3秒しかなく、損失は軸受の方がメインな感触ではあります。

2023-01-08 08:08:26
Jun Makino @jun_makino

@jiromurata ローラーは中実ではなくてパイプだということですね。重量は大きく変わりますが慣性モーメントはあんまりかわらないので、やはり回転の運動エネルギーは大きいように思います。

2023-01-08 12:56:09
Jun Makino @jun_makino

@jiromurata もちろん最終的な損失は軸受で起こりますが、物体からローラーに運動量とエネルギーが渡るタイムスケールは2-3秒よりずっと短いので、第ゼロ近似としてはその間の軸受での損失は無視できるのではないかと。

2023-01-08 12:56:28
Jun Makino @jun_makino

@jiromurata その辺ある程度色々いれてローラーの運動をちゃんと解けばいいわけですが。

2023-01-08 12:57:20
Jun Makino @jun_makino

F一定で加速すると v=Ft/m で t秒後の運動エネルギーは mv^2/2 = F^2t^2/(2m), m=Ft/v 使って m を消すと Ftv/2。 一方その速度で始めから動いていたものの仕事は Fvt なので、仕事をのちょうど半分がローラーの運動エネルギーになる。本当かこれ?

2023-01-08 15:21:40
Jun Makino @jun_makino

なので、 v^2 = 2gaMsin θ/m。これを使って、幅 60cm としてローラーは中実の棒を仮定して終端速度をだすと 0.52 √M m/s (Mの単位は kg) となり、ちょっと本当とは思えないほど実験結果にあっている。

2023-01-08 15:21:56
Jun Makino @jun_makino

jxiv.jst.go.jp/index.php/jxiv… すべり台の動摩擦係数の実測研究 へのコメント的なもの。

2023-01-09 16:45:29
Jun Makino @jun_makino

実はローラー式滑り台の現物をみたことがないんだけど、 parknavi.info/komabano 駒場野公園にあるとのこと。

2023-01-09 22:00:01
リンク 関東公園ガイド [パークナビ] | 関東地方のおすすめ公園を写真で紹介! 駒場野公園 | 関東公園ガイド [パークナビ]