【ほうかご百物語】妖怪についてつらつらと
- Bredtn_1et
- 10117
- 6
- 0
- 0
懐疑的に見ている記述だが、少なくとも当時の人々の中には少なからずイタチがテンになる、と考えていた人がいたのではないかと考えさせる文ではある。
2011-10-28 19:42:57なお、貂は三重県伊賀地方に「狐の七化け、狸の八化け、貂の九化け、やれ恐ろしや」と伝えられ、貂は九種類のものに化けられると考えられていたらしい(『妖怪事典』)。
2011-10-28 19:43:30『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』に拠ると、鼬を妖怪として報告しているのは神奈川の事例。後ろ足で立って人の顔を見る。このときに眉毛を読まれると化かされるため、眉に唾を付けておくと良い、という妖怪・鼬としてはスタンダードな内容。
2011-11-01 19:35:23この他に鼬関係の怪異は、岩手県紫波郡徳田村の高伝寺本堂に毎夜怪火が出て、その影から大入道が現れたという「鼬の怪」。(小雪の朝に本堂から続く足跡を追って木小屋の薪の中に鼬の巣があり、そこにいた古鼬を殺すと怪火も大入道も出なくなったという。)
2011-11-01 19:35:37新潟では後ろ足で砂を蹴りまくって蝋燭の火を消すという「砂撒き鼬」が伝えられている。また、家の中で鼬のような動物が米をとぐ音を立て、家の裏口から入って米をとぐと吉兆、表口から入ると凶兆とする、という話もある。
2011-11-01 19:36:07新潟では他にも以前言及した「(鼬の)六人搗き」が載せられている。あとは、これも以前言及したものだけど、静岡・伊豆北部に「送り鼬」がある、と報告されている。
2011-11-01 19:38:35『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』のみを見るならば、大体以上のような怪異が鼬にまつわるものとして載せられている。 ※この他にも、大入道の正体が鼬である、というように「他の名前の妖怪でありながら、正体は鼬である」とされている例はあるけど。
2011-11-01 19:38:42※伊達クズリ(イタチさん)について
といっても内容は前置きでほぼ出尽くしていて、得意技である火炎は『和訓栞』『和漢三才図会』ほか多くの書に出ている俗信が由来でしょうねぇ。
2011-10-28 19:56:35作中を見ると、甲高い声と同時に右手の指を鳴らすことで炎を炸裂させている(つまり声と指鳴らしが攻撃合図のモーション)として描かれているけど、これは『日本釈名』の説を採っているのかな。
2011-10-28 19:58:56最初に主人公の血を吸おうとしていたのは、参考文献としては『和漢三才図会』の記述、あとは獲物の血を吸うと考えられていたという俗信が下地にありそう。妖怪イタチなら人間の血を吸う、と。
2011-10-28 20:00:38ああ、『日本俗信辞典 動・植物編』では福島県の俗信として、大入道に化けて、ずっとそれを見ていると血を吸われる、という話が載っていたな。文献記述もあるのでネタとしても使いやすいかなぁ、と。
2011-10-28 20:01:51金縛りや記憶忘却は今回調べた範囲では見当たらなかったけど、鼬寄せがあったりするのを見ると、狐憑きや狸憑きのように鼬憑きみたいなものがあってもおかしくなさそう。それならば、憑かれた人は憑かれた間の記憶がなかった、という話があってもおかしくはないし、金縛りも同様かなぁ。
2011-10-28 20:04:12あとは、狐の場合の天狐・空狐・気狐・野狐といった妖狐の階級や、狸の場合の日本三大狸(屋島の禿狸、淡路の芝右衛門狸、佐渡の団三郎狸)みたいな有名所が列挙される、という事態が鼬には確かに見当たらない。ので、上下関係が苦手という話も頷けるかな、と。
2011-10-28 20:08:40しかし、音の怪異といい大入道(本編ではのびあがり)といい、最初の頃に出てきた妖怪って鼬の起こす怪異と似たものが目に付くのは、著者がそういう選び方をしたからだろうか?何ともいえないけど。
2011-10-28 20:47:25※後日の調査で分かったこと
気になったのは「 http://t.co/uaYBqmiO 鼠,鼬 | ネズミ,イタチ」の例ですね。要約に「ネズミが押すとは、寝ていて急に息ができなくなること。イタチの仕業とも言う。」とありますが…
2012-01-19 17:13:57これって「「鼠が押す」=「金縛りを掛ける」」と解釈すれば、「イタチが金縛りを起こす」ということですよね。もしかしてイタチさんが金縛りの術を使えるのはこの辺りが下地になっているのかも…?
2012-01-19 17:14:26