- YOTSUnoFUNE
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@YOTSUnoFUNE 「…覚えておいてね。」そう言うと空閑はしずしずと歩きだした。それを追うように駅前につくと、朝も早いのにちらほらと人がいた。
2011-10-25 23:55:50@oroshiwanko 「もう、通勤ラッシュの始まりか」 「始発はそれなりに混むのよね」 ふらふらと駅前までやってきた俺たちは、手近にあったハンバーガー屋に入り込んだ。
2011-10-26 00:01:21@YOTSUnoFUNE 「…良いわ、見せてあげる。」そう言う空閑の表情はどこか恥ずかしそうであった。それがなぜなのかは分からなかったが、それでも俺は空閑の絵を見たくて仕方がなかった。
2011-10-26 00:26:37@oroshiwanko 「はい」 トンと、空閑はテーブルの上にスケッチブックを開いて置いた。目の前に空閑の絵が置かれる。そこにあったのは… 「空閑、これ」 「ん?」 「ユタンポが描いてあるぞ・・・?」
2011-10-26 00:31:32@oroshiwanko 「…ごめんなさいね。今は見せられないの…」 「いつ、見れるんだ?」 「時が来たら、ね」
2011-10-26 00:36:00@YOTSUnoFUNE 「そう、か」ふ、と天井を見上げる。こいつの言動は涼風コンビほどじゃないが、読めない。だがその読めない行動に振り回されているのも、悪くないなと思ってしまっている自分がいるのも確かだ。
2011-10-26 00:37:20@oroshiwanko 「じゃあ、帰るか…」 空閑を促して立ち上がる。そうだ。いま見れなくても、いつか空閑が見せてくれる日を待つことにしよう。それで、いいだろう。
2011-10-26 00:44:04@YOTSUnoFUNE 聖夜、空閑は俺にその絵を見せてくれた。だがその時には俺もまた、空閑に自分で描いた絵を見せていた。二人の想いは、この瞬間にまたひとつ、深いものとなっていたのだった。
2011-10-26 00:52:30@oroshiwanko オレも空閑も、描いていたのは、ベンチで二人並んで、朝日を眺めている姿だったのだ。お互いしっかりと、手をつなぎ合っていた。
2011-10-26 00:54:07