2011/10/01～10/31　③全twnovel@s_shumu

愁夢 @s_shumu

「寂しくないの？」「さびしい？　分かんねえな」「そっかー。お兄ちゃんは強いんだねー」尊敬の色へと簡単に変わったその眼差しを真っ向から見ることも出来なくて、目を背ける。強いんじゃなくて、素直さを失くしただけだ。「ぼくは寂しいよ」なんのてらいもなく伸ばされた手。　#twnovel

愁夢 @s_shumu

冷たい夢を見る。暗くて、何もなくて、とても寒い、その場所の夢。夢の中での許しを求める俺の声が反響する。どれ程「ごめん」と叫んでも、「赦してくれ」と嘆願しても、何の声も音も聞こえて来ない。俺自身、誰に許しを求めているかわからないのだ。その場所には俺しかいないのに。　#twnovel

愁夢 @s_shumu

作家が、編集者を殺してしまった。自分勝手な自殺だったと、協力した警察官は泣いていた。あまりに酷い苦しみの中で、互いに殺してくれと懇願した。だって、それはそれ。自分以外の誰も死んでほしくはなかったから。「食べて」と叫んだの。　#twnovel #twremix @1_dark

愁夢 @s_shumu

さっきの、一文目に「と嘆いた」的な何かを入れないと意味が通じないかも……orz

愁夢 @s_shumu

握りしめる刃の感触を確かに覚えていた。取り上げられたナイフ。母親と思しき女が虚ろに笑っている。「刃物は危ないのよ」ああ、わかってるよ。解っていて父親となった男を殺したのだから。だって、俺はその男を殺すために生まれたんだ。「ばぶ」　#twnovel #twremix @1_dark

愁夢 @s_shumu

失われた記憶を探している。誰もが置いてきた原初の記憶に、忘れ去られているらしい。世界中でたったひとつ、それだけが、人間を生かしているのだそうだ。隠したのは、太古の神様。今宵もまた、夢のなかで私に問いかけてくる。　#twnovel #twremix @1_dark

愁夢 @s_shumu

(´・ω・｀)。oO〇（これ、別に夢の物語でもないし、『寂しい夢』の物語でもないぞ。……『愁夢』が書いてるからいいのか……？）

愁夢 @s_shumu

「浮気をしようよ」と口説かれる。滅相もない申し出だったので「ごめんなさい」と断る。近づいてくる顔を張り飛ばして、にっこりと笑う。「もう寝るので、忍び込まないで下さいね」まぁ、忍び込んできたりしたら、私の夢魔に撃退されるのだけど。　#twnovel #twremix @1_dark

愁夢 @s_shumu

おやすみなさい、優しい夢を。あなたの寂しさに暇乞い。堕ちていくのは夢うつつ。おやすみなさい、静かな朝を。あなたのくつろぎに別れの挨拶。落ちていくのはゆめ現。　#twpoem　#twnovel #twremix @1_dark

愁夢 @s_shumu

よっし、今夜は僕もこのへんで。愉しい時間をありがとうございました！　また明日お会いしましょう。「おやすみなさい、優しい夢を……」　　#twremix 　@1_dark

愁夢 @s_shumu

かたんことん。行き先は決まっていた。でも、未だにぐるぐると環状線を回り続けている。かたんことん。別に急ぐ必要なんてないんだ、と呟く僕を置いてまた一人、駅に降りていく。かたんことん。乗り換えの駅はどこだっけ。みんな、どこへ行くんだっけ。かたんことん、かたんことん。　#twnvday

愁夢 @s_shumu

かんかんかん、閉まっていく踏切。甲高く反響していく泣きそうな空。かんかんかん、閉まったままの踏切。立ち尽くした僕の前を通り過ぎていく電車。かんかんかん、開いていく踏切。恐る恐る踏み出した僕の一歩目。　#twnvday　#twnovel　#twpoem

愁夢 @s_shumu

吹き抜けていく風の香り。流れていく青い景色。向かい合った老婆の暖かな笑顔。伝わってくる優しい振動。ゆっくりと僕は運ばれていく。ああ、こんな気分はいつ振りだろう。「あなたも若いのに大変ね」「いえ、良いんです」心残りもあるけれど。穏やかな心地だ。　#twnovel　#twnvday

愁夢 @s_shumu

駅のホームで待っていると、ジェットコースターがやって来る。勇んで乗り込むと、ガコンと安全バーが降りてきて、発射信号が鳴り響く。「ひゃっほー！！」速くて便利なのだが、調子に乗っていつも目的地を通り過ぎてしまう。　#twnvday　#twnovel #twremix @1_dark

愁夢 @s_shumu

#twnovel 「あなたが探しているのは、金の道ですか？銀の道ですか？」「た、多分ですが、鉄の道です」「はっ、今時の鉄道が鉄だけで出来ていると思っているのですか？」「え……？　あの……、」「一生迷い続けなさい」金の女が消えた。　#twremix #twnvday　@1_dark

愁夢 @s_shumu

平坦な道だと思った。錆びた鉄が一直線に伸びている。荒廃した大地は原型を留めない障害物だらけなのに、その場所だけは歩いて行けると思った。何処か、もっと綺麗な場所へ。爺ちゃんはその道を見て静かに笑った。「行ってこい」見送る言葉は簡単な。「センロは続くよ、何処までも」　#twnvday

愁夢 @s_shumu

幸せの数を数えてみた。ひとつ、ふたつ、みっつ。うーん、でもなんか違うな。じゃあ、幸せの形を考えてみよう。ショートケーキ、チョコレート、ドーナッツ。て、甘いものばっか。美味しいって笑う君を想う。ああ、なんだ、簡単じゃないか。幸せは君の笑顔。それにつられた僕の笑顔。　#twnovel

愁夢 @s_shumu

君を想う空。たとえ、生きる場所が違っても、空はひとつ。そう言うけれど。君と僕の見る空はきっと同じでも、全く違った表情を見せているんだと思う。君が綺麗な空だと言う空を、僕も綺麗だと思いたいけれど。嗚呼、でも今日の空はとても綺麗に晴れ渡っているよ。　#twnovel　#twpoem

愁夢 @s_shumu

「ご覧ください、これが将来のあなたです」「うわっ、ひどいですね…」「この道具を使って頂くとこうなります」「うわっ、すごいですね…」「お値段はこうです」「うわっ、ひどいですね…」「人生ひとつが変わるんです、安いものでしょう？」　　#twnovel #twremix @1_dark

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愁夢へのお題は『裏切りに嗤う・細い鎖を手に・午睡の憂鬱』です。 http://t.co/RgC4GFKW