10/03 「モラトリアム」
繋いでいた手が解ける。くれなゐに断罪される僕と君。もう一歩、進めばきっと手は届くのに、その手の在処を僕は知らない。捨てるのはいつだって君だ。美しき夜の姫。水銀灯の下で君は笑う。僕を振り返りもせずに。いづれまた巡り合うわ。わかってる、告げた言葉。そう、わかってる。 #twnovel
2011-10-03 13:25:55お題は『つぎはぎの記憶・難しいことはほっといて・会いに来るよ・ちぐはぐで当たり前な登下校・一人遊び』です http://t.co/IJWJkjbi
2011-10-03 13:26:36君と僕とのつぎはぎの記憶。君は僕で、僕は君。ずっとずっと、前に別たれた確かな自分。「違うよ、僕は君なんかじゃない」君は言うけど、僕は君で。嗚呼、でも君は僕じゃないのかな? あれ、じゃあ、君は誰だ? 僕は誰だ? 僕は君で、でも、君は僕じゃない。 #twnovel #twpoem
2011-10-03 23:22:52「幸せってなんだろう?」君は呟く。ふと、漏らしてしまったように。次いで固まった表情で僕をちらりと見た。「さぁ、なんだろう」気軽に答える僕にふと笑顔を見せた。「難しいことはほっといてさ、幸せだと思うことをいっぱいしたいね」頷く君。笑う僕。多分幸せってこういうこと。 #twnovel
2011-10-03 23:29:05「会いに来るよ」とか、そんな言葉、信じた訳じゃない。本当は大人の言うことなんて、1ミリだって子供は信じちゃいないのだ。人間は嘘を吐くってことを子供は知ってる。いつだって子供は、大人が思うより物事をわきまえている。自分が子供だと知って知らないふりを出来るくらいに。 #twnovel
2011-10-03 23:35:43一人遊びで良かった。それは当たり前なことだったし、それはそれで好きで。だから、君が加わったとき、ちょっとびっくりした。別に、嫌じゃなかったけど。でも、急に君がいなくなったとき、とても悲しかった。別に、いなくても大乗だったはずなのに。仲直りってどうやるのかな。 #twnovel
2011-10-03 23:42:08君は173センチ♀。僕は158センチ♂。紛うことなき同級生。そして、そして。僕らは手を繋いで帰る。凸凹が反対で、からかわれて凹むことも多いけど。ちぐはぐで、当たり前な、登下校。君が隣にいるから、僕は幸せだよ。 #twnovel
2011-10-03 23:47:02呼ばれた気がして振り返ると、このまま死んでもいいと思うほど、絶世の美少女が立っていた。「あら、人違い」と艶やかに微笑み、俺の騒がしい胸から、鮮やかに心だけを持って行った。 #twnovel #twremix @1_dark
2011-10-04 00:08:54「あの布織り職人が偽物だったとして、仕立てられた服が本物でないといったい誰に言えるだろう。愚かでない人間が現れ、そこに服がないと言うまでか? ならば構わぬ。私は愚かな人間だ。誰かがこの嘘を暴くまで、私は彼奴らを信じてやろう」 #twnovel #twremix @1_dark
2011-10-04 00:21:52夢に堕ちて、夢を与えられ、夢を奪われる。それは多分誰かのせいじゃなくて、自分のためにすることだ。夢に堕ちるのも、夢を与えるのも。俺はその夢を掴む。自分から、夢を奪うのだけはしない。 #twnovel #twremix @1_dark
2011-10-04 01:10:44秋かどわかされたらしい。秋の花々が開く前に、冷たい風に身を凍えさせていく。冷厳な冬の到来に花々は身を寄せ合う。冬支度はまだ出来てないのに。 #twnovel #twremix @1_dark
2011-10-04 01:25:40「うさぎが道端で泣いていた。で、抱き上げて撫でてやるとさ、うるんだ瞳で「おかあさんにあいたい」と、ぎゅうっとしがみついてきたわけ。だから、仕方なく、いま、一番苦しまない天への帰り方を必死に考えている」「ん、どこから突っ込もう」 #twnovel #twremix @1_dark
2011-10-04 01:29:0110/04
嗚呼、もうここに足を踏み入れることもないのだろう。学び舎を振り返る。この開きかけた桜が散る様も今年はもう見ることはきっとない。「——柄にもない」こんな感慨じみたものを噛みしめた所で、未練なんて浮かばないのに。……でも。「綺麗だったな」教室から見た校庭の桜は。 #twnovel
2011-10-04 23:22:23それは、当たり前に繰り返される日常。学校に行って、時間割通りの授業を聞いて、友達と談笑して、姦しく騒いで。それをずっと繰り返す。毎週毎週ループするみたいに。それがいつの間にか、端っこが切れてるただの直線だって気付いて。友達と微笑して、姦しく泣いて。さよならした。 #twnovel
2011-10-04 23:43:12まだ大きくて新品の香り漂う制服。固い革鞄は何といって入っていないはずなのにずっしりと重い。慣れない靴で歩く通学路は、見覚えもなくて心細い。期待と不安なら、不安の方が大きくてなんだか潰されてしまいそうだ。でも、一歩踏み出して。 #twnovel
2011-10-04 23:47:28クラスメイトに、いつも仲良し3人組な女の子たちがいた。背格好もファッションも趣味も同じ。にこにこ笑って、時々こっちを見てることまでそっくり。そして、告白する時期に方法まで。結局、その3人のことは卒業するまで区別がつかなかった。 #twnovel #twremix @1_dark
2011-10-04 23:59:2110/06
お題は『妥協点として口付けを・小さな身体を抱きしめる・静かにこころを紡ぐ・内清外濁・流れ星に何を願う』です http://t.co/IJWJkjbi
2011-10-06 00:06:21「私のこと、好き?」なんて当たり前なコトを聞いてくるキミ。そこですかさずスキダヨとかアイシテルとか返せる俺じゃなくて。妥協点として口付けを落とす。「じゃなかったら、一緒にいるか」頬が茹るように熱い。そっぽを向いた俺を、キミはおかしそうに笑った。 #twnovel
2011-10-06 00:56:29震える小さな身体を抱きしめる。そうだ、肩肘張って生きている少女はしかし、これだけ僕よりも小さいのだ。「ふぇ……」抑えられた泣き声。このか細い両肩にどれだけの重荷を。「ごめんね」支えることすら、僕には出来ないけれど。今だけは泣いていいよ。僕の、みんなの、お姫様。 #twnovel
2011-10-06 23:41:27こうやって、ネットの海へ静かにこころを紡ぐ。誰かに届けたいのかも、何を届けたいのかもわからないで。ゆっくりこころを千切って、包んで、飛ばしていく。誰にも届かなくても良い、何も届けられなくても良い。千切って、包んで、飛ばして。それでも届けたいの。誰かに、何処かに。 #twnovel
2011-10-06 23:46:43処世術として、内清外濁を選んだつもりだった。どれだけ非道なことをしようと、泥に塗れようと、心まで汚れてなるものか、と思っていた。でも、きっと。そんなの、間違ってた。だって、どれだけ非道な行為を働いて、血で塗れようと、何も思わない心なんてもう汚れきってる。 #twnovel
2011-10-06 23:52:19