【パイプ喫煙】カーボン神話をぶった切る・第二部 「ブレイクインとカーボン形成の混同」

パイプ喫煙を語る際、常にまとわりついてくる奇妙なカーボン信仰。多くのパイプスモーカーが自明の事と信じて疑わない“迷信”を一刀両断する@oldbriars氏のtwitter講座。 第二部は、「ブレイクイン=カーボン形成」という主張に対する異議申し立てです。 【パイプ喫煙】カーボン神話をぶった切る・第一部 「カーボンをつけると美味くなる!?」 続きを読む
喫煙 煙草 パイプ
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ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
それじゃ昨日の続きでもツイートします
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ブレイクイン。この言葉を「チャンバーにカーボンを付けること」と同義ととらえているスモーカーはかなり多いのではないか。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
字義通りにとらえると、ブレイクインとは「慣らし運転」のことである。英語ではエンジンの慣らし運転もブレイクイン。ここに「何かを付着させる」といったニュアンスはない。ではなぜパイプスモーキングにおいて、慣らし運転とカーボンの生成という二つの事柄が同一視されるに至ったのだろうか。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
第一の神話についての僕のツイートを読んだ方はもうお分かりだろう。低品質で樹液・樹脂に満ち満ちた、往時の大衆用ブライヤーパイプでは、その不快な臭いを使用開始時に、厚いカーボン層でマスキングする必要があった。つまり当時ではパイプを<下ろす>こととカーボンを付ける事は同義であったのだ。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
だが品質の向上した今日のブライヤーパイプは、そもそもマスキングしなければならないような樹脂が残存したまま市場に出てくることはない。初心者で数本吸っただけの方でも、そんなパイプに遭遇したことのある人は稀であろう。現代のパイプにはそんな厚いカーボン層などは必要ないのである。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
だがカーボンに拘泥するスモーカーの方々はこう信じている。「ブレイクインが終わってカーボンが厚く積もれば、このパイプは美味くなる」と。臭いをマスクするための単なる障壁がパイプを旨くするという信仰。これはいったいどこから来たのだろう。理由は<ブレイクイン>とカーボン積層の混同である。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
品質が向上しているにせよ、普及価格帯のパイプはそれほど丁寧にキュアされているわけではない。ファクトリーが仕入れるブライヤーブロックはブライヤー伐採業者の手で一時的な煮沸処理がなされ、ある程度乾燥されている。しかしファクトリーが追加で施すのは精々数ヶ月のエアキュアリングに過ぎない。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
つまり一世紀前の大衆用パイプほどではないにせよ、ブライヤー内にはまだ樹液や樹脂が残存している。この樹脂を残らず追い出してやることが現代的なブレイクイン=慣らし運転の現代的な意義なのである。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
そこに古の風習であるカーボン積層など必要ない。ただ穏やかな喫煙の熱で、ブライヤー導管内や木質内の樹液を揮発させてやれよい。つまりパイプを焦がさずに、きちんと手入れをしながら、普通にパイプを喫煙してやればいいだけである。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
パイプの木質にも依存するが、多くのパイプがこのブレイクイン期間を適切に取ることによって味が向上する。木質内部に存在する樹液が抜け去り、パイプ煙草の味に余計なフレイバーを足すことがなくなる。また導管内がクリアになるため、ブライヤー全体の水分吸収能力も若干向上する。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
ブレイクインの効用は以上の通りだが、いたずらにカーボン積層にこだわる必要が全くないことがお分かりになられただろうか。第一の神話でも述べたとおり、カーボン積層は古い時代の風習であり、それをブレイクインの意義と混同することは問題の本質を見誤り、不適切なパイプの扱いに繋がる可能性がある
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
ただカーボン積層はパイプのチャンバーを焦げから守る、という意義もあるという。だが個人的にはこの説にも疑問がある。経験として、たんまりとカーボンが積もって指も入らなくなった中古パイプをレストアすると、そのカーボンの下のブライヤーが酷く焦げている、ということはよくあることだ。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
考えてもみよう。もし数ミリしかない灰とタールの燃え残りの植物の積層に、800度以上に達する過燃焼したパイプの火種の熱を防護する能力があったとしたなら、僕らの家の断熱材はカーボン積層と同様の材質でできているだろう。消防士の防火服も類似の材料が使われているかもしれない!
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
つまりパイプを過燃焼させるなら、たかが数ミリのカーボンなどあっても無意味だということだ。パイプを焦げから守る方法はただ一つ。過燃焼させないこと、ゆっくりと火種をコントロールして吸うことだけだ。そしてそれができるのならカーボンの積層など全くの無用の長物なのである。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
パイプスモーキングはある種の鍛錬を必要とする。だかひどく難しいというものでもない。パイプスモーキングを難しくしているのはこのカーボン積層の神話やブレイクインの意義の誤解のような、あやまった知識である。これらはいたずらにスモーカーを幻惑し、混乱させ、正しい技法の習得から遠ざける。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
僕の一連のツイートがこういった迷信のたぐいの払拭の一助となればありがたい。 というわけで今回はおしまい。

@tora355氏のツイートをきっかけに、@oldbriars氏とピエール塩澤氏(@Pierre_shiozawa)との間で行われたカーボンにまつわるやり取りを以下に追加します。

੯´`༽[MAKEdog]tora @tora355
http://t.co/qkrvDBUO Vol.7の10ページ目 昔からこういう事言ってる人、ちゃんといたんですね。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
今日 @tora355 さんのツイートにあった深代の「桜蘭土」にあったエッセーだけど、カーボンについてもまったく同じことが言えると思うんだよね。「がんばって吸ってるのにカーボンが付かない…俺は不器用なんじゃないかヘタクソなんじゃないかパイプなんか俺の手に余るんじゃないだろうか」
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
カーボンのせいだけとは言わないけれど、類似の理由でパイプを断念してしまったスモーカーも多いと思う。百害あって一利なし、とはまさにこのこと。
ピエール塩澤 @Pierre_shiozawa
20代の頃、ある場所で展示されていた個人のパイプコレクション。分厚いカーボンがボールトップよりも盛り上がって形成されていた。これは喫煙前に練った灰をその形に形成した後、乾燥させてから火入れしたもの、と推測されます。それはもはやカーボンパイプと呼ぶべき代物でした。
ピエール塩澤 @Pierre_shiozawa
あたかもブライヤーを否定したようなそのパイプは哲学的な存在でした。どうせなら炭でパイプ作ればいいのにね。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
@Pierre_shiozawa いろいろな材質を吸ってみましたが、結局いちばんブライヤーが旨いと思うんですよね(次点はストロベリーツリー)。だからこそあれだけ非生産的な工程を必要としながら今に残ってる。カーボンってそのブライヤーの良さをかき消してしまうものだと思います。
ォ-ㇽㇳ"ㇷ"ㇻィャ-ㇲ" @oldbriars
@Pierre_shiozawa カーボン主義が嵩じて、備長炭かなんかから削り出してカーボン・パイプを作って悦に入る、ようなことをやった人もいたみたいですよ(笑)きっとメシャムみたいな味なんだろうなあ。
ピエール塩澤 @Pierre_shiozawa
@oldbriars 逆に完全に炭化したパイプで煙草を吸ってみたい欲求が湧きました。
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