ナイト・エニグマティック・ナイト #5
「ドーモ」レイジもまた、両の指先をピンと伸ばして腿の横に当て、ニンジャ本能的な動作を取っていた「はじめまして、ブラックドラゴン=サン。……シャドウ……ウィーヴ……です!」。「イヤーッ!」オジギ終了からわずかコンマ2秒!ブラックドラゴンの腕が鞭のようにしなり、スリケンが投擲! 49
2011-10-30 01:56:52「えっ?」オジギから顔を上げたレイジの顔の横を、凄まじい切れ味のスリケンが飛んでいく。それは、数十メートル後方のビルの屋上に展開を始めていたスナイパー・デッカーの額に深々と突き刺さった。後ろを見たレイジは、その光景を鮮明に見ていた。夜の闇が自らに味方しているようだった。 50
2011-10-30 02:02:44「ザイバツに来るか?」とブラックドラゴンは言った。「何ですかそれは?」レイジが問う。「真のニンジャの世界だ。世界の真の姿を見せてやる。そして来るべき理想世界を。答えろ。来るか?」「……ヨロコンデー!」レイジは叫んだ。彼は生まれて初めて、尊敬に値する相手を見つけたのだ。 51
2011-10-30 02:05:20「ならば急げ!お前のジツには未来がある!」ブラックドラゴンは恐るべき速度で駆け出した。「ハイ!」レイジは大穴の下にいるヨモギに、そして見えないほど遠くに居る家族に、心の中でサヨナラを告げた。ガイオン市警の武装ヘリ部隊が彼方から迫り、威圧的なサーチライトを照射し始めていた。 52
2011-10-30 02:08:18夜のガイオン市街を、2つの闇が走り抜ける。ビルの屋上からビルの屋上を、2人のニンジャが飛びわたる。「お前はジャドーギルドの入団儀式を受けねばならん」「ハイ!」漢字サーチライトをかいくぐり、駆ける。「人間性に別れを告げろ、人間はすべてクズだ!」「ハイ!」五重塔へと大きく跳躍! 53
2011-10-30 02:11:35そして数十メートルのネオン街を超え五重塔の屋根に着地!レイジは意外な顔を作った。跳べるはずがないと思っていた五重塔に、今立っている。そして駆けている。「俺は狂ったのか…?」ふと呟いた。「お前は狂っていない」先を走るブラックドラゴンが力強く言った「お前はニンジャになったのだ」 54
2011-10-30 02:14:57(親愛なる読者の皆さんへ:本日の連載の中に深刻なタイプミスがありました。No53の「ジャドーギルド」は「シャドーギルド」の誤りです。クライマックスシーンにあるまじきウカツさです。担当者はしめやかにケジメしてフートンに入りました)
2011-10-30 02:18:54