教師による教え子へのわいせつ行為について(二木紘三氏)

@duarbo

教師がわいせつ事件を起こすと、校長はほぼ例外なしに「まじめで教育熱心な先生でした」とコメントします。「わいせつ行為をするまじめで熱心な先生」と「わいせつ行為をしないまじめで熱心な先生」とを生徒をどう見分けたらいいのでしょう。

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新聞に出る教師のわいせつ行為は盗撮とか児童買春がおもですが、実際に多いのは教え子への強姦です。被害者の親は子どもの将来を思って泣き寝入りしたり、子どもが親に心配をかけまいとして黙っていたりするケースが非常に多いのです。実際の被害者数は起訴される数の何十倍もあるとみてよいでしょう。

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強姦は親告罪ですから、被害者が告訴しなければ事件になりません。事件にならなければ、その教師は何事もなかったように授業を続けます。校長に相談しても、校長のなかには自分の任期中に大ごとにしたくないと、担任を外すくらいで事を収めようとする者もいます。

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信頼する教師から強姦された生徒は、心に深い傷を負い、思春期になると、過食・拒食になったり、リストカットを繰り返したりします。さらに、性的放縦になるか、逆にセックス恐怖症になって男性とつきあえなくなるうえ、人間関係がうまくできなくなります。これは親から性的虐待を受けた子も同じです。

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各県の教育委員会では生徒への接し方について何度も研修会を開いています。静岡県で検挙されたわいせつ教師のなかには、そうした研修会に出た者が何人かおり、そのなかには校長もいました。だから静岡県の教育長が「万策尽きた」と嘆いているのです。

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「今度の日曜日は奥さんがいないけど、君だけに勉強を教えてやるから先生の家へおいで」「君にしてもらいたいことがあるから放課後一人で残りなさい」「特別訓練をするから、みんなが帰ったあとマット室に一人で来るように」というようなことを先生にいわれたら、生徒はどうすべきでしょうか。

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「悪いことをする教師はほんの一部で、大半の先生は真剣に教育に取り組んでいる」というのは事実でしょうが、そういう一見良識的な言葉で終わらせようとするから、対策は進まず、被害者が増える一方になるのです。教育行政に携わる者がまず考えなければならないのは腐ったリンゴを取り除く方法です。

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大阪で「独裁者」を目指す橋下氏は、『君が代』斉唱時に起立しない教師を取り除くより、わいせつ教師や教育能力のない教師を取り除くことを考えるべきでしょう。