読売の強姦報道は事実と違う(少し訂正)(判決文追加)

※なお、13歳ではない。当時15歳である。 ※どうしても意思能力を子供に認めたくない場合には少年法を何とかしましょう。 ※現行法制を語る上ではまず現行法制について理解を、経験を持ち出して一般化するのはやめましょう。 【報道】 「合意の上だった可能性が否定できない」として逆転無罪の判決を言い渡した。 続きを読む
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判決のフロー
<条文の基準を満たすか>
第百七十七条  暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者…
の暴行や脅迫はあるか→ない
※はてブで要件が厳しいという声があるが、実はここで暴行や脅迫の事実がないと認められることが難しい。
※構成要件自体が厳格なのは罪刑法定主義の要請。
※暴行や脅迫はどの程度か?女生徒の抵抗を著しく困難にする程度の暴行。ところが現場に行くまで身の危険すら感じていない。
※飲酒はしているが同意できないほどではない。(このため準強姦も成立しない)
※デートレイプは?暴行や脅迫がないので成立しません。

<強姦の事実を認定するための事実の認識、実務上のいわゆる同意はあったのか>
①女生徒のこれらの行動について,性交に同意したことを示すものではないとした原判決の判断は,決して不合理とはいえない
被告人の犯意についても,女生徒が性交を含む性的行為に合意したと考えて行為に及んだ可能性をやはり否定することができない つまり加害者が同意したと誤信した可能性は否定できない。(読売の報道はこの②が抜けている点で誤報)
 故に加害者に強姦しようという認識がなかったので同意があったという可能性が否定できない。

<強姦でないなら強制わいせつではないか>
被告人が女生徒において性交を含む性的行為に合意したと考えた可能性が否定できないため成立しない。

<結論>
 よって被告は無罪。(破棄自判)

<さらに一般的な結論>※
 男女合意の下で性交していた

(※編注私見)
 「加害者(被告)が同意したと誤信した可能性は否定できない」とは刑法の判決文においては珍しくない表現である。これは平文では同意していると勘違いして性交したので強姦罪が成立しないという意味になる。
 結論としては、本件では男女合意の下で性交に及んでいたので無罪だったと判断しても差し支えない。控訴趣意書も同趣旨だからだからである。(専門家を除く)
 日本の99%有罪人質司法という前提では有罪にならないどころか逆転無罪になったのは、上告趣意書の事実を裁判所も否定しきれない=認めたからである。
 なお、このように解しても強姦し放題になるわけではない。通常は暴行や脅迫があったと認められて強姦罪が成立するからである。
(9/24追記)
1)法律が古いという意見は何が古いのか具体的ではないため、法律の改正の論拠には当たらない。
2)次に法律が弱者に不利という意見があるが、それは女性が同意していないのに同意していたということにされるということであると解する。
 本件の場合、それにもあたらない。
3)本件の場合挙証責任を転換しても付き合っている事実の方が強調されて、強姦罪はもっと成立しない可能性がある。
4)なぜ、淫行で訴えられなかったのか?ストーリーとしては普通に付き合ってたが、あるとき帰りが遅くなってさらに酒臭かったので親バレしてしまい、親が警察にチクった(淫行は非親告罪)ため警察が逮捕したものの、検察官は普通に付き合っていたので淫行に当たらないと判断しまた、性交の事実があるので訴因を変更して強姦罪にした。
 しかし付き合っているのだから暴行や脅迫の事実もなかった。この点、女子中学生は最後まで誰から聞かれても暴行や脅迫はなく身の危険は感じなかったと証言していることからも明らかといえる。
5)そこで検察官は①と飲酒などで同意していないことを強調して強姦罪の成立を主張した。しかし、高裁においてそれはおかしい暴行や脅迫がない(つまり普通に付き合ってるだろそれ)という指摘を受けたものであると考えられる。
 さらに踏み込むと①は行政的な表現で「原裁判所が間違っているんだけど、間違う余地があったんだから悪くないもんッ」という意味であると考えられ、女性に性交する意思がなかったのかも微妙である。
6)なお、妊娠可能年齢が低くなっても単純に同意がなくても罪にするのは、たとえば妊娠していた場合父親は必ず就業困難となるが、それでもいいのかという点も説明が必要である。また損害賠償請求についても相手の収入がなく不利になるという観点も欠落しており、被害者救済を考えていないのは論を俟たない。何でも被害者にすれば解決するというのは、日本の社会制度をまったく理解していない無責任な第三者の意見であるか、思想的もしくは宗教的背景があるものと考えられる。いずれにもとづくとしても問題解決の助けにならないのはなんら挙証の必要性がないことも又疑う余地もない。

neeben54 @neeben54
話題になっているらしい強姦事件の無罪判決を入手。
neeben54 @neeben54
確かに,これは司法記者ではまとめきれないな。
neeben54 @neeben54
読売は,「高裁は、中学生が男性と別れた後もすぐに助けを求めずに公園で眠り込んだことを指摘。」としている。headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140919-… 確かに,高裁判決には,こうした指摘がある。
強姦罪に問われた27歳男性に逆転無罪の判決

読売新聞 9月19日(金)21時53分配信
 千葉県内で女子中学生に乱暴したとして強姦(ごうかん)罪に問われた無職男性(27)の控訴審で、東京高裁(三好幹夫裁判長)は19日、懲役4年6月とした1審・千葉地裁判決を破棄し、「合意の上だった可能性が否定できない」として逆転無罪の判決を言い渡した。

 高裁は、中学生が男性と別れた後もすぐに助けを求めずに公園で眠り込んだことを指摘。さらに、男性が抵抗を妨げる暴行や脅迫を行ったとも認められないとし、「中学生は強い抵抗を示していない」と判断した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140919-00050130-yom-soci
編集したとの疑いを避けるため、やむなく全文を引用する

neeben54 @neeben54
つまり,「女性との行動における疑問点」(11頁)で,「性交後,・・・被告人が立ち去った後も,その公園にとどまり,すぐに助けを求めたりせず,そこで眠り込んだことなど,女性との行動には,被告人との性交に合意したのではないかとの疑いを生じさせかねない点がある。」と判示されている。
neeben54 @neeben54
しかし,高裁判決は,「女生徒が当時15歳の中学3年生であって,…性的被害を受けた精神的衝撃等を考慮すれば,これらの行動が直ちに不自然,不合理と談じることはできず,…」としている。
neeben54 @neeben54
結局,高裁判決は,「女生徒のこれらの行動について,性交に同意したことを示すものではないとした原判決の判断は,決して不合理とはいえない。」と結論付けている。
neeben54 @neeben54
高裁判決の結論は,「…当裁判所の事実取調べの結果を加えても,被告人が女生徒の抵抗を著しく困難にする程度の暴行を加えて性交に及んだと認めることはできない。また,被告人の範囲についても,女生徒が性交を含む性的行為に合意したと考えて行為に及んだ可能性をやはり否定することができない。」
neeben54 @neeben54
「このようにして,被告人について,強姦罪の成立を認めることはできない。」
neeben54 @neeben54
「そして,縮小認定としての強制わいせつ罪の成否についてみても,被告人が女生徒において性交を含む性的行為に合意したと考えた可能性が否定できないことからすると,強制わいせつ罪の犯意を認めることもできないから,強制わいせつ罪も成立しない。」
neeben54 @neeben54
結局,「合意の上だった可能性が否定できない」との読売の報道は,事実と違う(読売以外の報道は,これを書く際に参照していないからパス。)。
neeben54 @neeben54
控訴の趣意は,「論旨は,被告人は,女生徒と合意の上で性交したものであって,無罪であるから,強姦罪の成立を認めた原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認がある,というものである。」
neeben54 @neeben54
高裁判決の引用等はこれくらいにしておく。
neeben54 @neeben54
追記。高裁判決によると,女生徒(被害者)は「中学3年生の女生徒(当時15歳)」となっている。

ここからさらに詳細な判決文が続きます(21tweets)

neeben54 @neeben54
例の無罪判決をOCRで読み込み,適宜編集してみた。これで,判決の大まかな論理は分かるのではないか。 ・・・なにやっているんだろう。仕事に煮詰まっている証か。
neeben54 @neeben54
ということで,もうちょっとだけ続くんじゃ。
neeben54 @neeben54
第1 本件事案と控訴の趣意 第2 原判決の判断 第3 当裁判所の判断 1 「…しかし,女生徒の原審証言が信用できるとしても,その証言から認定できるのは,性交が女生徒の意思に反するということにとどまり,その証言内容に照らし,被告人が女生徒の抵抗を著しく困難にする程度の暴行を加えたこ
neeben54 @neeben54
とまで認定することはできないから,これを認めた原判決の判断は,経験則,論理則等に照らし,不合理であって,是認することができない。以下,その理由を説明する。」
neeben54 @neeben54
2 女生徒の原審証言と被告人の原審公判供述 (1)女生徒の原審証言 (2)女生徒の原審証言の信用性 「…これらの点からすれば,女生徒の原審証言は,基本的に信用すべきものといえる。…このような事件直後の経緯は,性交が女生徒の意思に基づくものではないことを示唆するものである。」
neeben54 @neeben54
(3)被告人の原審公判供述 (4)被告人の原審公判供述の信用性 「…被告人の原審公判供述は,これらの事情に照らして,到底信用することができない。」
neeben54 @neeben54
3 信用性の結論と原判決に対する疑問点 「…しかし,原判決は,信用性を認めた女生徒の原審証言により,被告人が女生徒の抵抗を著しく困難にする程度の暴行を加えて性交したと判示したが,この判断には疑問がある。女生徒の原新証言が信用できるとしても,その証言から認定できるのは,せいぜい女生
neeben54 @neeben54
徒がその意思に反して性交させられたという事実にとどまり,その証言内容に照らし,直ちに被告人が女生徒の抵抗を著しく困難にする程度の暴行を加えたと認定することはできないからである。 ところで,原判決は,被告人の主張を排斥しようとするためもあってか,女生徒の意思に反する性交であることを
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