【GENSHIN】シェロイとシリンの物語より【講談完結】

次回お楽しみに @cha_boshi

こうして帰るべき地を持たぬ遊子となり、さ迷うこととなったシェロイはどうなってしまうのか！忌み名とはどういう事なのか！ それはそれは、また次回のお楽しみに。

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さて、ジュラバドを追放され寄る辺無き遊子となったシェロイがどうなったのか。 さすらいの中、遊子はある日月神の神殿へひと晩身を寄せる事にした。 そこで神託を授かったのだ！ (よし!)

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ヴェールで顔を覆った月の神殿の姫神は、爛漫たる銀の月明かりが照らす、芳しき露に濡れた百合の間でシェロイへこう告げたのだ…

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父親の暴虐は遊子にとって最大の不幸である。月神の寵児よ！月光の照らす所の遍く全てがお前の王土、お前の蒔く全ての種が栄えて茂る。月光から刃を授かったのならば王座を暖めるだけの臆病者に耐える必要は無い。勇気を胸に憎しみと向き合うのだ！

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その後、無敵の藩王であったパーヴェズラヴァンは寝所で刺し殺されてしまう。謀反人は仮面で顔を隠した者であった。 大逆を犯したシェロイは涙し懺悔した。しかし、王妃シリンは愛し子を抱きしめて追放者の仮面を取り去り祝福の口付けをしたという…

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しかし、シェロイはあの時見ていたのだ。 神託に躊躇したあの月の夜、夜風が偽りの姫神のヴェールを攫うのを。その面は母の顔であった。 (……) 簒奪者となったシェロイ。この話の続きは、次回のお楽しみに！

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皆さんさえよければ、もう少しジュラバドのお話を続けよう… 父王を弑逆して王座に就いた後、シェロイは逃れられぬ父親殺しの罪悪に苛まれ続けた。そして荒れ狂う夜を彷徨い、大地の暗く深い裂け目に落ちて姿を消してしまった。 (なんと!)

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その大地の裂け目は疫病を吐き出し、都の半分を呑み込み、王と臣民を失ったジュラバドは遂には飽くなき砂へと沈むのであった！ こうして三つ目の予言も成ってしまった。王妃の嫡子は滅びを齎し、王妃は王土を誰の手にも届かぬ砂の下で自分一人の物にした。

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その後のシリン王妃には諸説ある。 アフマルによって捕らえられ美しい銀の瓶へ閉じ込められたのだ！と、言う話も有れば、未だ砂漠を彷徨い歩き身の程を知らぬ冒険者たちへ取り憑いて漆黒の世界へ落ちた最愛の我が子を探しているのだ！と言う話も有る。

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いずれにしても、この話は災厄を生き残った者たちのした話である。 そしてこの災厄を、父親殺しの大逆を犯し王位を簒奪したこの短命な王の報いであると言った。 (なんということだ)

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こうしてシェロイの名は穢れ貶められ、祝福は終ぞ見えなくなった。 今ではその名は、砂漠の民が一族の頭領を追放する時にその額へ焼き付ける。嘲り、罵る時にのみ口にする。 黄砂に乗って届いた砂漠の物語はこれでお終いだ。次の話はまたお楽しみに。