【プーチン・ロシアの軍歌・プロパガンダ音楽】
【動画:プーチン・ロシアのプロパガンダ音楽】 本日、ロシア軍によるウクライナ侵略は一年を迎えました。 彼らの思想を探る手がかりとして、最近の軍歌や行進曲、政治的アジテーション音楽の歌詞などを日本語訳し、映像と共にご紹介します。 そこから見えてくるクレムリンの主の歪んだ世界観とは? pic.twitter.com/o2WM5KSPmY
2023-02-24 17:21:35原題:Марш ЮНАРМИЯ ユナルミヤ(青少年軍)は少年少女に軍事教育を施す機関。国防省の管轄下にあり、徴兵年齢に達しない子供たちを対象に、単なる体育や戦闘訓練に留まらない、強い愛国心と忠誠心を涵養することを目的としたプログラムを提供している。
2023-02-24 17:26:29ウクライナに対する侵略戦争の勃発後、団員を急増させ、100万人規模に達した。 ユナルミヤの正式な隊歌は正規軍と同じ” Служить России”(ロシアへの軍務)。 この行進曲は2017年に発表されたものである。 ヒロイックな旋律が印象的。
2023-02-24 17:27:05原題:Дядя Вова, мы с тобой 全てにおいてヤバさしかない曲。歌詞の冒頭は「おまいう」そのもの。 Дядя Воваは「ヴォーヴァおじさん」の意味で、ヴォーヴァはウラジーミルの愛称。つまりロシア大統領、ウラジーミル・プーチンを指す。原題をN●K風に訳すと、「ヴォーヴァおじさんといっしょ」。
2023-02-24 17:28:51歌っているのはボルゴグラードの幼年学校生徒など。同市の議員、アンナ・クヴィチコ(動画に出てくる小太りの中年女)が制作にコミットしており、2017年にネットを通じてロシア社会に拡散された。称賛の声が上がる一方で、批判(子供に「最終戦争」を押し付けるな、など)も少なくなかったようだ。
2023-02-24 17:29:17少年少女の真剣なまなざしに胸が痛む。 「三人の戦車兵」といい、ロシア軍人はサムライに対抗意識でもあるんだろうか。 あと、「アラスカを取り戻す」のは色々やめて欲しい。
2023-02-24 17:29:39原題:Мы Русские...С нами Бог! 「神は我らと共にあり!」というメッセージは古くは旧約聖書まで遡り、キリスト教圏では広く見られる。ロシアではナポレオン戦争のさ中にデルフェリデン将軍(スヴォーロフの息子)が行った演説が有名(らしい)。
2023-02-24 17:32:40この曲は1993年に作られ、現在ではリャザン空挺団司令部の隊歌として用いられているようだ。力強く、かつ哀愁を帯びた曲調は、日本人の考える古典的なロシア軍歌のイメージに近いが、ソ連崩壊後の作品だという点が興味深い。 作詞は、プーチン政権と関係が深い御用アーティストのA・シャガノフ。
2023-02-24 17:33:40原題:Спецназ 女性アーティストのナターリャ・サモイロヴァが2021年に発表したアルバム「スペツナズ」のトップを飾る曲。他のナンバーは「ロシアの兵士」「英雄の歌」「FSBの頌歌」など、なかなか強烈。
2023-02-24 17:35:14スペツナズの隊員募集に使われたと思しきビデオは、2019年に「ジェルジンスキー部隊」の協力で撮影されたとのこと。すごい名前だ! 歌詞は政治的キッチュだが、メロディーは悪くないかも。
2023-02-24 17:35:37クリミア戦争100周年を記念して1954年に発表された、有名な曲。1994年からはセバストポリ市歌。 戦争で命を落とした肉親を記憶し続けようとする人々の強い思いが滲む。同時に、その感情をいとも簡単に政治的お題目に捻じ曲げる権力の非情も露呈している。
2023-02-24 17:38:06ウクライナ語にも翻訳され、その中では「ロシア水兵の誇り」に替えて「ウクライナ船員の都」と歌われた。ロシアによる不法なクリミア占拠の後、同地ではウクライナ語でこの歌を歌うことは禁止されている。 古い曲だが、上記により現下の国際情勢と関係するため、今回のリストに加えた。
2023-02-24 17:38:41海軍をテーマとする曲で、1970年代に発表されたもの。作者は戦後に生まれた無名の若者だったが、ポップグループ"Самоцветы"が歌ってブレークしたという。 当時の欧米のポピュラー・ミュージックを取り入れたメロディアスな曲調が耳に残る。海軍はどこの国でも陸軍より洒落たものなのだろうか。
2023-02-24 17:41:06初期のСамоцветыが歌ったバージョンはポップで軽やかだが、近年のものは歌い方も演奏も仰々しくなっており、時代が逆行した感すらあるのが気がかりだ。プーチン政権との関りはそれ位だが、和める曲も必要かと思い加えた。
2023-02-24 17:41:27原題:Флаг моего государства (故国の旗) プーチン政権と近しいデニス・マイダノフの2015年の曲。妙な中毒性がある。ジョギングや筋トレと相性が良さそうだが、洗脳される不安が残る。実際、歌詞は「プーチンおじさんと共に」並みにキナ臭い。(しかし、もっととんでもない歌が存在する!)
2023-02-24 17:44:15ロシア政府は日本人が考える以上にプロパガンダを通じた大衆扇動に長けているように感じる。但し、独特の価値観・世界観に根差すがゆえに国外ではあまり訴求力を発揮できておらず、これはプーチンにとっても頭の痛い問題であろう。
2023-02-24 17:44:47なお、原題の「故国の旗」という言い回しは、ロシア語では良く使われる愛国的フレーズのようだ。 「何百年前とまるで変っちゃいない」という歌詞に複雑な気持ちになるし、「愛する人」は元オリンピック選手だろうか?
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