【約30年ぶり】絶滅したとされていた「妖精のランプ」兵庫県内で発見 news.livedoor.com/article/detail… 再発見したのは、この植物に名前を付けた研究者本人。研究者は「どこかで生き残っているのだったら見つかって欲しい、という思いで名前をつけた。まさかこんなに早く見つかるとは」と話した。 pic.twitter.com/gWPbaSvHLN
2023-02-28 10:34:34末次先生による解説
光合成をやめた植物(菌従属栄養植物、腐生植物、寄生植物)研究者。神戸大学理学部教授(兼・高等学術研究院卓越教授)。専門は、植物、昆虫やキノコの自然史(生態や進化)。変わった生物に心惹かれますが、特にラン科植物が大好き。学生さん、学振応募者や共同研究者を募集中。自身初の単著の書籍『「植物」をやめた植物たち』好評発売中!
絶滅と考えられてきた光合成をやめた植物「コウベタヌキノショクダイ」を30年ぶりに再発見し、その進化史を論じた論文をPhytotaxaから発表しました。その結果、妖精のランプと評される不思議な植物「タヌキノショクダイ」の謎の包まれた進化史に重要な示唆が得られました。doi.org/10.11646/PHYTO… pic.twitter.com/e4IEEun9pg
2023-02-28 12:15:12コウベタヌキノショクダイは何を隠そう私が新種記載した植物ですが、博物館の標本を精査した時点で、自生地は開発で消滅しており既に絶滅したとしか考えられない状況でした。どこかで生き残っていたら良いとは思っていましたが、驚きとうれしい気持ちで一杯です。doi.org/10.11646/PHYTO… pic.twitter.com/HlaqsKxXyk
2023-02-28 12:17:02私自身、その生きた姿は初めて見たわけですが、その姿は予想以上に美しく幻想的で、まさに「妖精のランプ」の名にふさわしく光り輝いてみえました。以下に詳しい内容を解説します。 pic.twitter.com/pvojM5HAm1
2023-02-28 12:17:45タヌキノショクダイの仲間は、植物の本懐である光合成をやめた植物の一群で、キノコと見紛うばかりの奇妙な花をつける特殊な植物です。中でもコウベタヌキノショクダイはこれまで花の一部が欠けている標本1個体が採取されているだけで、しかもその発見場所は既に開発により消失してしまっていました。 pic.twitter.com/RmBg5eP9Hq
2023-02-28 12:18:43このためコウベタヌキノショクダイは既に絶滅したと考えられていました。私たちは、このコウベタヌキノショクダイを30年以上の時を経て元々の発見場所から30㎞以上離れた兵庫県三田市で再発見することができました。 pic.twitter.com/YhTJEtuxm4
2023-02-28 12:19:53タヌキノショクダイの仲間は、普段は落ち葉に隠れており、開花期間のわずかな期間のみガラス細工のような鮮やかな美しい花を咲かせます。この様子から、タヌキノショクダイの仲間は海外では 「fairy lantern(= 妖精のランプ)」と呼ばれています。 pic.twitter.com/pyGxHRxLB2
2023-02-28 12:21:11日本名のタヌキノショクダイも「狸が燭台(= ロウソク立て)として利用した」と見立て名づけられた名前です。コウベタヌキノショクダイは、茎の高さはわずか1 mmほどで、花の大きさも1 cmに満たない小さな植物ですが、その生きた姿は幻想的でまさに暗い林床を照らす「妖精のランプ」のようでした。 pic.twitter.com/gp7CAcnPqf
2023-02-28 12:22:38日本には約6000種の維管束植物が自生していますが、日本固有種で絶滅してしまった被子植物はこれまで6種(種内分類群を除く)しか報告されておらず、そのような絶滅種が再発見されたという点でも重要な成果といえるでしょう。 pic.twitter.com/Y42xgtN6ao
2023-02-28 12:23:33コウベタヌキノショクダイは、アジア産のタヌキノショクダイ科で最北端に分布する植物です。今回、その詳細な研究が可能になったことで、植物界で最も不思議な植物と評されるタヌキノショクダイの仲間の謎に包まれた分布パターンや進化史に重要なヒントを得ることができました。 pic.twitter.com/UjFzHRiCtq
2023-02-28 12:24:30コウベタヌキノショクダイの外見は、タヌキノショクダイの仲間でも最も謎めいた種である T. americana を想起させます。T. americana は北アメリカで発見された唯一のタヌキノショクダイ属であり、その発見場所であるシカゴは、タヌキノショクダイの分布地点としては最北端です。 pic.twitter.com/aOwiuk3ens
2023-02-28 12:25:49今回、コウベタヌキノショクダイが再発見されたことで、両者の特徴を比較したところ、この北米産のタヌキノショクダイのルーツについて、新しいヒントが得られました。具体的には、コウベタヌキノショクダイは T. americana にも外見のみならずその内部構造も、よく似ていることが明らかになりました。 pic.twitter.com/a0Xllf2NZg
2023-02-28 12:26:49実は東アジアと北米間ではベーリング地峡を介し、様々な生物種が移動してきました。T. americana とコウベタヌキノショクダイが、アメリカとアジアでそれぞれ最北端に分布することを併せて考えると、タヌキノショクダイの仲間は、ベーリング地峡を通って北アメリカへと分布を広げたのかもしれません。 pic.twitter.com/W426gGcZFp
2023-02-28 12:27:58タヌキノショクダイ属は、その奇妙な見た目と生活様式から植物界で最も不思議で並外れた植物と評されていました。今回30年ぶりにアジアで最北端に分布する種を再発見できたことによって、謎に包まれたタヌキノショクダイへの対する理解を前進させることができました。
2023-02-28 12:28:32一方で、タヌキノショクダイの仲間は、菌類から養分をもらって生活していることから周囲の環境に影響されやすく、ほぼすべての種が絶滅の危機に瀕しています。今回再発見されたコウベタヌキノショクダイも例外ではありません。
2023-02-28 12:28:44コウベタヌキノショクダイは、奇花ぞろいのタヌキノショクダイ属の中でもとりわけ美しく、まさに「妖精のランプ」のように暗い林床を照らし光り輝いてみえる素晴らしい植物です。今回の発見が契機となり当該自生地に保護策が講じられることと、さらなる自生地の発見が期待されます。 pic.twitter.com/wHXrZ9XF63
2023-02-28 12:29:46このような思いで当時新種記載したコウベタヌキノショクダイが、厳密には私が発見したわけではないものの、自分たちのグループにより再発見されて、そのことが奇花「タヌキノショクダイ」全体の理解につながったことを本当にうれしく思っています。 twitter.com/tugutuguk/stat…
2023-02-28 12:52:00また今回新たに新種であることが明らかになったことで、どこか別の場所で、これまでは既知種としては見落とされていた「コウベタヌキノショクダイ」の生きた個体が再発見されることも期待されます。ぜひ皆さんもこの植物,心に留めておいてみてください.
2018-09-14 16:33:05タヌキノショクダイですね。 その中でもコウベを冠するコウベタヌキノショクダイですね😊 こちらもぜひ読んでください! kobe-u.ac.jp/research_at_ko… twitter.com/livedoornews/s…
2023-02-28 15:13:39神戸狸の燭台 という名の植物。光合成をしない植物がいるのも不思議だけれど、30年ぶりに再発見出来た事を嬉しく思うとです。☺️✨ 透き通った感じが素敵。 twitter.com/tugutuguk/stat…
2023-02-28 15:22:27