ある漢字のあらましの話と、白川静サーガの一節の話

2
ivnin @ivnin

TRPGは治療と治癒という単語についてよく使うので混同しやすい・・・。

2011-11-04 18:18:39
にるば@文フリ東京11/11【そ-48】 @nirvanaheim

#TRPG 「治療」と「治癒」では治療の方がなんか非魔法的な感じとか病気方面とかなイメージをわたしは受けますが、療はいやす、癒はいえるの方が本義みたいなので、継続的にかかりつくイメージが前者に、魔法かけたらなんか一気に治っちゃうイメージが後者に親和性高いのかもしれないとか、ふと。

2011-11-04 18:28:00
あんきもっぴ @ankimopi

@nirvanaheim TRPGは畑違いのですが、漢字の成り立ちのお話としては 【療】は本来、中の尞が樂という字で手にもつ鈴で、鈴の音によって病魔をはらうシャーマニズム的なもの 【癒】は兪が取っ手の付いた大きな手術刀(余)で患部を皿に移し取る外科手術の形です。横から失礼しました

2011-11-04 18:35:53
にるば@文フリ東京11/11【そ-48】 @nirvanaheim

@ankimopi ええ、白川先生はそう仰っていますね。ただ癒の方に関しては、手術刀で脳などという発想をいつ頃から想定していいものか正直疑わしいのでw、藤堂先生の方の「体内の病気が、くりぬいたようにぬけてくれること」という説明の方がとりあえず無難なのではと思います……w

2011-11-04 18:50:43
あんきもっぴ @ankimopi

@nirvanaheim 患部の膿血を、つまり膿んだ部分を切除する技術は当時からあったのでは…いや、詳しいことはわかりかねますが手元の辞書には患部の膿血と書いてあったのでご参考までに

2011-11-04 18:53:34
にるば@文フリ東京11/11【そ-48】 @nirvanaheim

@ankimopi あっ、今『字通』を見直したら、膿漿を脳漿と見間違えていたことが分かりました。申し訳ありません。なるほど、刃物で膿んでいる部分に切り込むくらいなら、金文の時代でも想定してもいいような気がしますね。

2011-11-04 18:58:46
あんきもっぴ @ankimopi

@nirvanaheim 実際どうかはわかりかねますがね ムムム

2011-11-04 18:59:48

 
少し引用しますと(文字データがない字は現在の形に変えたり《疒樂》とか分解したりしている)、白川静『字通』では

【癒】(異体字:瘉)

  • 字音:ユ 字訓:いえる ・ やむ
  • ①いえる、やむ。 *語彙は瘉・愈字条参照。
  • 字形:形声/声符は瘉(ゆ)。瘉は〔説文〕七下に「病瘳(い)ゆるなり」とあり、癒の初文。治瘉して心安らぐことを愈、愉という。〔孟子、公孫丑下〕に「今、病小(すこ)しく愈(い)えたり」とあり、愈が治癒の義の本字。
    cf →【瘉】
  • 字音:ユ 字訓:いえる ・ やむ
  • ①いえる、なおる。 ②やむ、なやむ、くるしむ。 ③愈と通じ、まさる、いえる。
  • 字形:形声/声符は兪(ゆ)。兪は、把手(とつて)のある大きな手術刀(余)で膿漿(のうしよう)を刺し、これを盤(舟)に移しとる意で、癒の初文。それによって痛苦が除かれ、心が安らぐのを愈・愉という。

【療】

  • 字音:リョウ(レウ) 字訓:いやす ・ なおす
  • ①いやす、なおす、おさめる。 ②やむ、うれえる。
  • 字形:形声/声符は尞(りよう)。正字は《疒樂》に作り、樂(楽)(らく)声。樂は手鈴の形。シャーマンがこれを振って、病魔をはらう呪術を行った。〔説文〕七下に「治(いや)すなり」とし、重文として療を録する。〔詩、陳風、衡門〕「以て飢ゑを樂(いや)すべし」とは、《疒樂》(いや)す意。「飢ゑを《疒樂》す」とは、欲望を充足することをいう。

一方、藤堂明保『漢字源』では

【癒】

  • 音読み:ユ 訓読み:いえる(いゆ)
  • 意味:{動}いえる(イユ)。病気が抜けてとれる。病気がなおる。〈同義語〉→瘉 ・→愈 。「治癒チユ」「快癒カイユ」
  • 解字:会意兼形声。兪ユは「舟+刃物でくりぬくさま」からなる会意文字で、中をくり抜いた丸木舟。癒は「疒+音符愈ユ(心のしこりがとれる)」で、からだの中の病気が、くりぬいたようにぬけてくれること。→兪

【療】

  • 音読み:リョウ(レウ) 訓読み:いやす
  • 意味:{動}いやす。病気や不快な気持ちをなおす。
  • 解字:形声。中の部分が音をあらわす。ばらばらにもみつぶす意を含み、病気をばらばらにしてとり去ること。
  • 単語家族:廖リョウ(ばらす)— 料(ばらばらこぼれる穀物)— 礫レキ(ばらばらの砂利)— 薬(病気をちらすくすり)と同系。

となっています。まあ、甲骨文字としての象形の起源と、「漢字」としての在り方は別に考えるべきとは思いますけれどネ。個別具体の記号的表現から一般的意味への飛躍にこそ、シンボルから文字への転機があるんやろねーと思いますし。

それはそれとしまして、@ankimopiさんのおっしゃるように、実際分からないというのは確かですね。

 

--- @vanaheimr

÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷

2010-03-11 01:25:49
にるば@文フリ東京11/11【そ-48】 @nirvanaheim

漢字の字源に関しては、まず字通に当たって「なるほど!わたしにも感じられます白川先生!」と感極まってから、漢字源に当たり、藤堂先生のご意見を聞いて少し熱を冷ます、というルーチンを組んでいます。

2011-11-04 19:05:31
にるば@文フリ東京11/11【そ-48】 @nirvanaheim

白川先生という名を目にすると、「ゲバ棒で殴られ頭から血を流しながら、ひたすら甲骨文字や金文を書写する」というイメージが鮮やかにわたしの中に立ち上がってきて、心打たれるわけですね。事実と多少異なる場合がございますが深く気にしてはいけません。

2011-11-04 19:20:30

(とりあえず、白川先生が
 ・大学闘争中にバリケードを乗り越えて研究室に通っていた
 ・大学闘争中に学生に得物で頭部を殴られたことがある
 ・ひたすら金文や甲骨文字の書写をしていた
 ことは事実らしいです。)
 

このツイートは権利者によって削除されています。
にるば@文フリ東京11/11【そ-48】 @nirvanaheim

#漢字 「學」の子は先生を、冖は書台を、爻は書を、左右の臼が先生を上から殴りつけるゲバ棒を表しているわけです。@sulaymanhakiym: ゲバ棒で殴られ頭から血を流しながら、ひたすら甲骨文字や金文を書写する白川先生の象形はどんなだろうかと思いを馳せた。

2011-11-04 19:31:16
にるば@文フリ東京11/11【そ-48】 @nirvanaheim

#漢字  みなさん、「學」の字を見る度に白川先生の勇気を思い出して、暴力に負けず学び究めるのだという決意を新たにしましょうね。

2011-11-04 19:35:00

(「学」は、⺍が角材に釘的イメージにおけるゲバ棒の釘で、その釘が子であるところの先生の頭部に叩きつけられてるシーンとか刺さった状態を表してるみたいな簡略形ということで)
 

にるば@文フリ東京11/11【そ-48】 @nirvanaheim

.。oO(注:少なくともこのイメージで言うところの先生のは、多分勇気とは違う何かなので、普通の人はほどほどに見習いつつ、まず生き延びて活路を開くことを考えて、そうしたらまた学びましょうね)

2011-11-04 19:37:36
このツイートは権利者によって削除されています。
にるば@文フリ東京11/11【そ-48】 @nirvanaheim

@sulaymanhakiym ああ、あの棒から突き出た凶悪な釘の象形!(悲壮な顔)

2011-11-04 20:10:46
にるば@文フリ東京11/11【そ-48】 @nirvanaheim

@shiosainouta 正法の時代には君子危うきになんとやら等と言っていられたわけですが、末法になると最早危うきの中で如何に君子していくかが重要になるわけです。

2011-11-04 19:47:50