オーストリアの教育事情

ウィーンに20年程住まわれている日本人の方から、オーストリアの教育事情について伺いました。
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@kirameister

ウィーン在住の日本人の方と知り合いになり、オーストリアの教育システムと、長い間現地に住み続けた感想を教えてもらいました。書きためた内容を以下連投します。本人からは「内容は保証できない」と言われているので、参考程度ということで。

2011-11-06 20:55:22
@kirameister

幼稚園は公立と私立があるのだが、公立に入園するのは難しい。近所の幼稚園は「3年後までリストは埋まっている」と言われた。

2011-11-06 20:55:32
@kirameister

小学校へは法律で8歳までには入学しなければいけない。しかし、校長先生の許可があれば、5歳からでも(テストを受けて合格したら)入学する事が可能。小学校は4年間で終わる。

2011-11-06 20:55:42
@kirameister

小学校だが、通常は12時までで、やっていることは殆ど「お遊び」。日本人的な感覚で言えば、普通に(真面目に?)やっていれば問題ないという感じ。小学校によっては夕方までやっているところもある。

2011-11-06 20:55:49
@kirameister

小学校が終わると、Mittelschule という手に職コースと、AHS という大学進学を前提にしたコースに分かれる。Mittelschule は4年間あり、その後1年間ポリテク(?)か専門学校に行く事ができるが詳細は不明。

2011-11-06 20:55:56
@kirameister

資格を持っているかどうかがそのまま給与基準を決めてしまう。タイトル(学歴)を重視する社会だが、(後述の Matura 無しで)一番下の給与レベルから始めて、社長まで登り詰めた人もいる。

2011-11-06 20:56:03
@kirameister

博士号を持っていることがそのまま安定収入に繋がる訳では無い。むしろ手に職を持っていれば大丈夫という考え方もある(安定した生活は今のところ保証されているため)。Mittelschule に行く方が幸せと考える親もそれなりにいる。

2011-11-06 20:56:11
@kirameister

Matura というのは高校卒業+大学の入学資格で、ドイツのアビトゥアに相当する。AHS に入ると、(落第などしなければ)最終的に Matura を取得する事になる。

2011-11-06 20:56:19
@kirameister

AHS は合計8年間ある。最初の4年間が終わると、理系、文系、経済コースに分かれる。理系コース最終学年の教科書を見せてもらったが、相対性理論や量子力学、統計学の検定、微分積分、分子構造などについて一通りやるっぽい。古典力学は最初の4年でやると言われた。

2011-11-06 20:56:27
@kirameister

英語の教科書は当然全て英語で書かれている。理系の場合、英語の他にもう1つ外国語を取る必要がある(イタリア語、フランス語、スペイン語)。理系は更に幾何学を勉強する必要がある。文系はラテン語の授業が必須科目。

2011-11-06 20:56:32
@kirameister

AHS は結構レベルが高いらしく、授業についていけず留年してしまう学生もそれなりにいるらしい。留年する割合は学校によって違う(例えば、ストレートで卒業できるのが半分という高校もあるらしい)。2回留年したら高校を変更する必要がある。

2011-11-06 20:56:39
@kirameister

また、最初の4年間が終わった段階で HAK(商業高校)か HTL(工業高校)へ行く事もできる。これらの高校は5年間必要で、終わった後の Matura も、1つ上の資格として扱われるらしい(日本の高専みたいなものかも)。

2011-11-06 20:56:50
@kirameister

職業高校を出た後だと即戦力になり、希望すれば大学に進学する事もできるため、人気は高い。職業高校の場合、インターンシップのように実務経験を積む事が求められ、受け入れのために国からも補助が出ているらしい。

2011-11-06 20:56:55
@kirameister

日本で言うところの「塾」も最近は繁盛しているらしいが、問題として認識されつつあるらしい。AHS だけではどうしても授業数が足りず、体育などはカリキュラムに無い。午後2時ぐらいに終わる場合もあるので、サークルやクラブに参加する人も多い。

2011-11-06 20:57:01
@kirameister

AHS の1クラスは20人ぐらいで構成され、2年目が終わった段階でクラス替えが行われる。クラスのメンバーは変わらず、同じ授業を受けることになる。担任は2年間一緒だが、そこまで接触は無く、むしろ各授業の先生が強い権限を持っている。

2011-11-06 20:57:07
@kirameister

教科書の質は高い(というか、内容は高度)なのだが、先生の質はそこまで良く無いらしい。給料が安くて、教師不足になっているという話を聞いた。

2011-11-06 20:57:12
@kirameister

日本にある学校との大きな違いは、「子どもに話させる」教育であるということ。自分の意見を積極的に述べさせる教育をしている。これは日本とは違い「共通する常識」が欠如しているからだという説もある。

2011-11-06 20:57:18
@kirameister

余談だが、AHS には IQ の高い生徒を集めたコースもある。IQ テストは最初の4年間のうちに行われる。特別コースに入るには別のテストを受ける必要がある。科目ごとに飛び級が認められていて、例えば他の生徒より3歳年下の生徒がトップの点数を取る事もある。

2011-11-06 20:58:35
@kirameister

大学だが、最近は人気のある大学に(オーストリア国外からも)人が集まりすぎて、Matura の他に入試試験を課す学科もある。医学と心理学が人気。

2011-11-06 20:58:46
@kirameister

通常の大学の他にも、Fachhochschule (FH) という大学もあり、こちらは3年間実務に近い事をみっちり教えられる。卒業後のタイトルも普通の大学とは違ってくるが、恐らく職につく事はできる。それでも(研究重視の)普通の大学の学歴の方が社会的には恐らく尊敬されている。

2011-11-06 20:58:52
@kirameister

大学に入ったからと言って、卒業できるとは限らない。国からの補助があるので、それを目当てに入学する学生もいる。今のところ大学の学費はまだ無料なのだが、有料科するという議論は行われている。

2011-11-06 20:58:59
@kirameister

社会制度は充実しているので、失業してもそこまで心配する必要は無い。失業保険はドイツよりも充実している。私も失業したらお世話になる事ができるのだろうか。ビザの関係はあるが、もしかしたらできるかも知れない。

2011-11-06 20:59:06
@kirameister

親が離婚するか、死別してしまっても、子どもは基本的に守られるらしい(私は経済的に援助されると理解した)。例えば、普通に子どもを外で遊ばせる事ができるなど、子育ての環境は良い。最大2年間の産休後も、従業員の再雇用を会社は拒否できない。

2011-11-06 20:59:11
@kirameister

日本語を話す子どもの会というのが金曜日の夕方開催されているらしく、どういう人たちがいるのか見てみるのも良いのではないかと言われた。時間がある時に行ってみようかと思う。

2011-11-06 20:59:17
@kirameister

今回オーストリアの教育について色々教えてくれた日本人の方だが、今度オーストリア初の「猫カフェ」をオープンするらしい。街のど真ん中に来年の春頃からできるらしいので、時間のある時に遊びに行ってみようかと思った。

2011-11-06 20:59:22