茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第3092回「『三四郎』の美禰子と平塚らいてう」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート３０９２回をお送りします。文章は即興で書いています。本日は感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

今、ユーチューブの　＃脳の教養塾　メンバーシップでは、コンテンツの一つ #素読ラジオ　として夏目漱石『三四郎』の素読と分析を配信している。そんな中、やはり美禰子の人物像は魅力的だと感じる。 youtube.com/watch?v=jnv3dK…

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三四郎よりも美禰子の方がありとあらゆる意味において上で、一貫して状況を主導しているわけだけれども、漱石がモデルとしたのが女性解放運動の先駆者でもある平塚らいてうだという話はとても興味深い。

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漱石の弟子の森田草平と平塚らいてうが事件を起こして、そのことを森田は小説『煤煙』に書いたわけだけれども、この中で森田が平塚らいてうのことをきちんと書けていないんじゃないかと思った漱石が『三四郎』の中で平塚らいてうにインスパイアされて美禰子を書いたということである。

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平塚らいてうは、雑誌の創刊号に寄せた文で「『元始、女性は太陽であった』」と書いたり、年下の男性と付き合ったことを「若いツバメ」と表現したり、後世に伝わるインパクトのある表現を残している。言葉に対する感覚がすぐれ、創造性にあふれた方だったのだろう。

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夏目漱石の『三四郎』の中の美禰子もとても興味深い存在だが、その人物像をインスパイアしたのが「元始、女性は太陽であった「や「若いツバメ」という言葉にあるようなみずみずしい言語感覚にあふれた平塚らいてうだという話は実に味わい深く、このあたりの大河ドラマや朝ドラだったらぜひ見たい。

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以上、連続ツイート３０９２回、「『三四郎』の美禰子と平塚らいてう」をテーマに５つのツイートをお届けしました。