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茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1356回「知性のある人は、かえって社会に不適応になる」

脳科学者・茂木健一郎さんの11月14日の連続ツイート。 本日は、あの名作について。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1356回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、あの名作について。

2014-11-14 06:00:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

朝日新聞は、今、「三四郎」を連載している。そのツイッターアカウントも。@asahi_soseki このところ、広田先生のことを時々思い出していたが、今朝の紙面は、ちょうど、そのことについての解説があった。広田先生が、「偉大なる暗闇」と名付けられた、そのあたりのことである。

2014-11-14 06:03:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

『三四郎』はとてもよくできた小説で、ぼくはおそらく20回くらい読んでいるが、広田先生のことは、本当によく書けていると思う。三四郎は、東京に行く列車の中で、広田先生にあって、「頭の中の方が広い」と言われて衝撃を受ける。それまでの自分は卑怯であったと、気付かされるのである。

2014-11-14 06:04:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

ところが、三四郎は、東京に行ったら、「このくらいの男は到るところにいるものと信じて」、広田先生の名前さえ聞かない。そして、東京に出て、東京帝国大学の授業を聞き始めるが、どうも面白くない。その頃になって、ようやく、列車の中で会ったあの人のことを、思い出し始めるのである。

2014-11-14 06:06:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

広田先生が、「偉大なる暗闇」と名付けられるくらい、学識も人格もすぐれた人であるのに、当時の世間の相場から言えば上だった大学の地位についていない。そして、大学の授業はつまらない。このあたりの批評性、そして社会というもののあり方についての漱石の目は、恐ろしいほど鋭い。

2014-11-14 06:07:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

おっちょこちょいの与次郎が、余計なことをして、広田先生に大学の地位を得ようとするのだが、当然のことながら失敗する。広田先生のように、世間に認知されずに、埋もれている賢人は、いつの時代もいるのだろう。私は、なんとはなしに、友人の塩谷賢を思い出してしまうのだが。

2014-11-14 06:09:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

また、広田先生は、「知性のある人はかえって社会に不適応になる」という一般命題の点からも忘れがたい。知性は本来社会への適応度を増すはずだが、行きすぎると、かえって不適応になる。あたまが良すぎるのも、考えものである。中くらいの頭の良さが、本人にとっても一番幸せなのかもしれぬ。

2014-11-14 06:10:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

『三四郎』は、よくできすぎていて、漱石の才能の凄まじさに驚くばかりだが、伏線の張り方も絶妙だ。20回読んでいても、読む度に新しい発見がある。これは一つの絵画が完成する小説だと気付いたのは、10回目くらいだったかな。そう考えると、美禰子との出会いからラストまで、一貫している。

2014-11-14 06:11:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1356回「知性のある人はかえって社会に不適応になる」をテーマに、7つのツイートをお届けしました。

2014-11-14 06:12:34

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