【永久保存版】Zホールディングス会長・川邊健太郎 回想録〜【電脳隊】

Zホールディングス会長・川邊健太郎さんの回想録です。いったん完結しました。続編を希望する方は @dennotai まで!
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川邊健太郎 @dennotai

当時の私の偽らざる気持ちとしては、 ・これ以上、電脳隊起因の事で皆に迷惑を掛けたくなかった。気持ち的に追い詰められていた ・Yahoo!の力を使えばより多くの人に我々の考えるモバイルのサービスを届けられる。今度こそコンシューマーサービスができる、と思った。 ・単純に買収金額に目がくらんだ😆 という3点があったと思います。 P.I.M.のみんなも、株主もそれぞれの想いがある中で、我々はヤフーによる買収、正確には、ヤフー株式会社とP.I.M.株式会社との合併を2000年6月8日に発表しました。 (ちなみに現在、ヤフー社は、LINE社、ZHD社との合併を発表していますが、このP.I.M.との合併以来、実に23年ぶりの合併となります)

2023-04-19 00:20:41
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川邊健太郎 @dennotai

7月1日には表参道にあるヤフー社のオフィスにみんなで移り、9月に正式に合併をしました。 買収金額は54億円。大学3年生の時に私と親友のお母さんとで出した最初の数十万円が巡り巡ってとんでもない金額に成長した瞬間でもありました。 (これもまた1年後のITバブル崩壊でひどい事になりますが。。) pic.twitter.com/upWlcp0CMT

2023-04-19 00:25:47
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川邊健太郎 @dennotai

(明日でいよいよ起業編、最終回です)

2023-04-19 00:26:43
川邊健太郎 @dennotai

おかげさまで、長文回想録を始めて18日間で1千万インプレッションを突破致しますた。 ドッグイヤーに変換すると約200年前、太古の昔の話を多くの方に読んで頂き、感謝してます。 スタートアップする際の、「なるほど、こんな感じなのね」とか、「こういう点がポイントね」とか、あるいは「こんなんでもできちゃうんだ!?」という参考にでもして頂けますと幸いです〜

2023-04-19 13:15:37
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起業・イクジット編4(最終回)

川邊健太郎 @dennotai

【起業・イクジット編4、最終回】 果たして、ヤフー社は我々とゲートウェイビジネス部の事を知っていたのか、知らずに買収したのか、当時の社長であった井上雅博さんが不慮の自動車事故で、サトカンもガンで亡くなったいま、それは永遠に分かりません。 当時の私的には、ヤフー社に助けてもらった思いが強いので、 ・今後の働きで54億円分は返そう。お買い得でしたよ。決して損はさせません! ・(悔しいので)モバイルで何がなんでもNo1になってやる という志を密かに立てて、 どちらの目標もなかなか達成できない中で、社歴が悪戯に長くなり、気がつけばヤフー社の副社長→社長となっていました。

2023-04-19 23:16:16
川邊健太郎 @dennotai

その間にYahoo!モバイルを勝手サイトでNo1にして、それがソフトバンクとのボーダフォンの共同買収のキッカケの一つとなり、ガラケー時代末期に端末にY!ボタンを付けるに至りました。まさかのキャリア経営です。 しかし時代は更に変わり、iphoneというメガトン級の隕石がキャリア優位だったケータイ業界に衝突。結果的にゲートウェイビジネス部が担っていたサービスロンチの生殺与奪と少額決済機能はApple、Googleが世界的に獲得してしまうという業界の一大構造変化がおきました。 倒そうと思った宿敵は、別の外来種によって、自分たちごと倒されていた(変化させられていた)という、ビジネス界でも自然界でも起きるリアリティある結末がそこにはありました。 日本のキャリアが招来したケータイ・インターネットにおいてWebサービスを提供していた各社は、しぶとくアプリ提供者へと進化を遂げ、サービスのグローバルコンペティション時代へと突入していきました。 そして、ヤフーの経営を続けていた電脳隊の残党である私らは、最終的には日本のスマホで圧倒的No1アプリであるLINEと合併をして、買収された時に立てた上記2つの志もやっと本懐を遂げられたので、、、であれば大団円でよかったのですが、そうではなくて、私自身は23年度の業績に対するケジメをつける為に、4月1日に会長に退く事となりました。 20歳の時にインターネットから受けたパッションを起業という形で発露して、良い仲間と事業機会を得、最終的には他のネット企業に買収されるという形で、不意に何事かが終わりました。 その時、私は25歳になってました。

2023-04-19 23:18:06

反応

爲末大 Dai Tamesue @daijapan

@dennotai 川邊さんにそこはかとなく漂う大人の空気が少し理解できた気がしました。

2023-04-20 05:54:46
川邊健太郎 @dennotai

いろいろ諦めると、大人になります。 twitter.com/daijapan/statu…

2023-04-20 09:19:58
Junichi Akagawa @ミラティブ @jakaguwa

とうとう完結!そして爆速へ…。井上さんの微笑みを思い出しながら読んだ twitter.com/dennotai/statu…

2023-04-20 09:45:46
Junichi Akagawa @ミラティブ @jakaguwa

余談ながら、私がDeNA時代にフロントでやったYahoo! mobageは松本さんの豪腕なくしては合意できなかったので、PIM-電脳隊の影響が各所に滲んでいたことをきちんと実感している世代が現アラフォー世代であります

2023-04-20 09:50:38
川邊健太郎 @dennotai

そうか。。Yahoo!モバゲー(略してヤバゲー)の際には大変、お世話になりますた。 いつか、ガラケー世界におけるソシャゲ黙示録も振り返りたいですね! twitter.com/jakaguwa/statu…

2023-04-20 10:21:50

続編:『スタートアップの要諦』

川邊健太郎 @dennotai

さて、不肖・私の回想録(起業編)いかがだったでしょうか? togetter.com/li/2122889 概ね98%の方々から「Twitterなのに長げーよ」というご好評を頂いている訳ですが、、人生100年時代、ゆっくりご覧いただければと思います。 が、そうも言ってられないのが起業家やスタートアップを志されている方々。そりゃ、忙しいですよね! 私も「岸田政権のスタートアップ育成5ヶ年計画に自分なりにコミットする」と言った手前、この長文を全部読んでからじゃないと示唆が得られないという野暮な事は致しません。 以下に、今回、回想してみて改めて思ったスタートアップの要諦をまとめて書いてみたいと思いますで 、お忙しい起業家と予備軍の方々はこちらをぜひ参考にとしてみてください。 結果、要点なはずなのに長文になってしまった場合は何卒ご容赦を。。 (以下に続く)

2023-04-26 23:33:52
川邊健太郎 @dennotai

まず、スタートアップにおいて何よりも重要なのは、その「意志」です。 「起業」と書くぐらいですから、自ら意思を持って何かを起こさなければ、何も起きません。無です。 私の場合は、95年に死生観を左右する色んな事件が起きて、同時にWindows95が発売されてパッションを受けて、「インターネットを使って何かやろう!」という意思を持って、事を起こし始めました。 その意思と行動がなければ、たぶん、普通に就職していたと思いますし、超就職氷河期の最中でしたので、ろくな事にはいなかったかもしれません。 そして起業後も常に「このままでいいのか」と考える意思を持ち続けていた事が重要だったと思います。(私がではなく、祐介ら同僚がそう思っていた気配が強かったですが。。) いずれにしても、スタートアップの要諦1は、何よりもまず、「事を起こし、伸ばしていくんだ」という、何事にも怯まない強い「意思」が重要です。 「意思」こそが、あなた最大の強みなのです! 私の周りの起業家達も、孫さんを筆頭として、類稀なる「強い意思」を持っています。ここだけは、全員、共通の様に思えます。

2023-04-26 23:36:43
川邊健太郎 @dennotai

要諦の第二は「事業立地」と「ビジネスモデル」です。 回想録に書いたの電脳隊/P.I.Mは事業は、パソコン取付業→(PCの)ホームページ作成業→原始的なSaSS業→モバイルサイトの開発ソフトウェア 提供と教育業→モバイルのコンシューマービジネス業→PIMサービスのPF業という事業内容の変遷を5年間で遂げました。 ことほど左様に、何のマーケットに立脚した事業を展開するかで、その会社の成功も成長も決まると思います。 スタートアップである限り、ブルーオーシャンでかつTAM(Total Available Market)が大きいのが理想的です。電脳隊は事業立地としていたインターネット、その後のモバイルインターネットも両方の条件を備えていたので、学生で技術力も経営ノウハウもなかった我々であっても事業が伸びました。 我々が伸びたのではなく、マーケットが勝手に伸びていった、と言っても過言ではありません。 無論、そう都合の良い事業立地は滅多に現れませんので、その場合は「競合が少なく、自社のシェアが極限まで上げられそうなニッチ市場」に立地するのもよいと思います。大半のスタートアップはこちらからスタートしますし、政府の規制緩和などがこのニッチマーケットを突然生み出すこともあります。

2023-04-26 23:39:01
川邊健太郎 @dennotai

ビジネスモデルとは要するに 「誰から、いくらで、どれぐらい取れるのか? (&その際のコスト構造はどうなのか)」 の考え方、です。 ここでこだわるべきは、Take rate、利益率だと思います。電脳隊/P.I.Mは翻ってみれば、事業立地を変えつつ、高利益率な事業はどれか?というのを探る旅だったような気がします。 なぜ利益率が大事なのか? それは、利益が上がりやすい事業構造であれば、更なる投資ができて事業価値、(新規事業に投資する場合は)企業価値が増すからです。 また高利益率×(ニッチ市場でも構わないので)市場シェアで捉えると、IPOの際の時価総額が全然変わってきます。私が社長時代に買収したZOZO社などはこれの典型的事例かと思います。

2023-04-26 23:40:42
川邊健太郎 @dennotai

要諦の三は、「他者」との関わり方、です。 つまり、内においてはマネジメントですし、外においてはパートナーシップですね。 今回の回想録では、パートナーシップの重要さは嫌というほど書かれています。起業の後期においては、キャリアやUP社、またコンテンツプロバイダーという"パートナー"がいなければ、小さな学生スタートアップの電脳隊は全然伸びなかったと思います。小さくとも、"彼らにできない持ち味を持つ"ことがパートナー戦略のポイントです。 今一つは、「パートナーを組む順番を間違えない」です(笑) これはゲートウェイビジネス部との付き合いのところで、事例としてたくさん出てきていますので、回想録を読んでもらえればと思います。 しかし、後知恵で考えても、これは経緯的になかなか難しい事だった思います。それでも、もう少しバランスを取るやり方はあったかなと思います。

2023-04-28 15:50:26

〜いったん完結。続きが読みたい方は @dennotai で〜


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