【永久保存版】Zホールディングス会長・川邊健太郎 回想録〜【電脳隊】

Zホールディングス会長・川邊健太郎さんの回想録です。いったん完結しました。続編を希望する方は @dennotai まで!
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川邊健太郎 @dennotai

ZHDの社長を退任し、新年度より会長となりました。皆さん、宜しくお願い致しまます。 40代で会長というのもちょっと恥ずかしい感じもするのですが(笑)、、自分のキャリアの大きな節目なので、少し振り返りをしてみたいと思います。 スタートアップとかネット、ソフトウェアサービス産業を志す人達の参考に少しでもなればと思い、不定期に書いてみます。 あくまでも、過去を振り返る事のみとし、現在の業績や株価等にダイレクトに影響を与える記述は一切行いませんので、予めのご理解をお願いします。

2023-04-02 08:28:34
川邊健太郎 @dennotai

Twitter上で回想録みたいなのを書き始めたのは、初回に書いたように自分のキャリアの節目なので振り返ってみようかなと思ったのが最大の動機ですが、付随的に意図している事は、   1,大企業の会長になるんだから、フォロワー10万人ぐらにしないと恥ずかしいだろう、ということ。 (&そういう世の中になるべき、という願望) 2,ツイッターのサブスクが出てきて、投稿のフォーマットが変わった。フォーマットが変わる時に活躍するプレイヤーが変わることが多いので、変わったフォーマット(=長文)に沿ったコンテンツを提供する事が、個人としては空気を読んだ行動だろうと思った。 (というプラットフォーマー運営者としての、他PFへの協力姿勢の発露・笑) 3,岸田政権の「スタートアップ支援5か年計画」に対して私が何か個人的にコミットできるとしたら、過去どのようにスタートアップとかネットのサービスをやってきたか、特に悩んだり挫折したりしたことをつまびらかにすることによって、後輩起業家たちに”車輪の再発明”をさせない、という意図。   の3点があるかと思います。 ということですので、これからもますます長文で展開していきたいと思いますので、みなさま、ひとつ辛抱強いお付き合いをよろしくお願い致します! (本日の日曜日ですので、更新はこれのみです。続きは明日以降で)

2023-04-09 07:20:59

あわせて読みたい

PCとの出会いとプログラミングリテラシー

川邊健太郎 @dennotai

【PCとの出会いとプログラミングリテラシー】 PC、プログラミングとの出会いは、私が小学校3年生の時に祖父がPC8001mk2を自宅に持ってきた事に端を発します。 当然、何もできないので、その年の夏休みに当時、フジテレビの事業局がやっていた「コンピュータキャンプ」という子供向けのプログラミンング合宿に入れられて、(なぜか)妙高高原でミッチリとBASICを習いました。 それで若干のスキルを得た後、当時刊行されてたベーマガやI/O、LOGiNなどのパソコン雑誌に付帯さらていたプログラム例をインプットしてゲームの類なんかを作ったりもしましたが、そんな事をするよりも、カセットテープに収められた市販のパソコンゲームをロードしては遊ぶ世界にハマっていきました。 (そういうゲームをする上でも、最低限のプロンプトは打てなきゃダメでしたが)

2023-04-02 08:31:25
川邊健太郎 @dennotai

ちみにその後、プログラミングというかコーディングについては、ブラウザが出た手の頃にHTMLを習って自分のHPを作り、そこに若干のPerlで書いたCGIを埋め込んだ程度のことしか結局、出来ませんでした。 が、どちらもプログラミングやWebサイトの仕組みや構造を理解できたという観点で、プログラミング・スキルは身に付かなかったけど、"プログラミング・マインド"は会得していたという総括になるし、Webサービスを作る(ディレクションする)という観点では、それでも十分にできたなという事です。 岸田政権において円滑な労働移動の為のリスキリングで、プログラミング・スキルが注目されています。バリバリにコーディングが出来るようになれればベストですが、上記のように構造を理解しエンジニア的発想を体感するだけでも十分に意味はあるので、兎にも角にも何か書いて、動かしてみる体験をする事をお勧めします。

2023-04-02 08:32:58

反応

けんすう/『物語思考』4万部突破 @kensuu

ネット業界の超大物の川邊さん、トークが面白すぎるし、経験談や知識も半端ないんですが、忙しいし立場があったからか、なかなかTwitterで発信してなかったんですが、会長になってから積極的に長文投稿してて最高です。 ネット業界の人は絶対フォローしたほうがいいし熟読したほうがいい! twitter.com/dennotai/statu…

2023-04-05 07:25:54
かわんご @gweoipfsd

川邉さんはクソ面白いよね。人生を楽しんでいる。 twitter.com/kensuu/status/…

2023-04-05 08:38:36
川邊健太郎 @dennotai

川上さん、ありがとうございます。 はい、人生を楽しんでいる事だけは、孫正義さんにも負けていないと思ってます! また面白話を教えてくださいね。 twitter.com/gweoipfsd/stat…

2023-04-05 12:57:06
川邊健太郎 @dennotai

あの頃の苦労を思うと、、コピペーというのは、人類最大級の発明の一つでしょうね! twitter.com/taru0216/statu…

2023-04-02 09:12:37

インターネットとの出会い

川邊健太郎 @dennotai

【インターネットとの出会い】 高校3年の社会科の授業の一環で新聞の切り抜きを始めました。大学入学後も新聞を読んでは自分の気になる事を切り抜いてスクラップブックに貼り付けてました。 93年~94年にかけては、「マルチメディア」という言葉が新聞紙上を賑わせていました。今では当たり前となった、文字、画像、音声、動画が一体となってコンテンツとして作製でき、それが当時出たての大容量記憶媒体であるDVDに書き込め、(当時の水準で)簡単に流通も可能という事で一種のムーブとなってました。今から振り返れば、初期のデジタル化という事でしょうか。 正直、それで作られ流通していたソフトは電子教科書の域を出す、テレビや漫画、ゲームと比較しても「そんな夢中になるものかな?」という感じでした。 ところが、94年の後半から95年にかけて新聞紙上では「マルチメディア」から「インターネット」という言葉に頻出する単語が激変し、しかもその量はマルチメディアの比ではなくなっていきました。同種の言葉が一気に"取って代わる"という、その後のTec業界で何度も起きる現象を初めて体感していた事になります。

2023-04-03 06:32:32
川邊健太郎 @dennotai

当時はまだWebはほとんど普及しておらず、私もそれを使える環境になかったので、最初の変化の兆しは上記の通り新聞で知ったし、高校の頃から数年の単位で世の中の変化を量とスピードを新聞から感じ取る訓練ができていたので、他の様々な言葉に対して「インターネット」という単語の破壊力がいかのほどのものかをそれで理解する事ができました。 私がデータドリブン、多変量解析や回帰分析を信奉している理由はこの辺りの原体験にある気がしてます(笑) という事で、普通のパソコン少年として、DVDを買ってくれば体感できた「マルチメディア」に対して、「インターネット」は、接続やソフトが必要で、世の中の変化は感じ取っていましたが、体感はできずにいました。

2023-04-03 06:33:32
川邊健太郎 @dennotai

94年、小学生の頃からの親友である清水くんのお兄さんが慶應SFCの大学院に入学しました。"未来からの留学生"というコンセプトで全く新しい教育と研究をしていたSFCについて私も少し興味があったので、そのお兄さんに「SFCには何があるの?」と尋ねたら、「SFCにはインターネットがある。校舎は24時間開いてて、インターネットは使い放題」との素敵な回答が返ってきました。 そこで、「見てみたい!」となって、94年の夏休みにSFCの大学院棟に遊びに行く事になりました。 その当時の「インターネット」とは、電子メールとWeb、そしてGopherのようなディレクトリサービスの様なもので構成されており、その全てをUNIXのコマンドプロンプトでSFCの学生は利用していました。 「SFC生は全員、UNIXを使える」というのは、当時、青学生だった私には衝撃的で、キラキラした"未来からの留学生"に見え、夏休み中なのに大学院棟に寝袋を持ち込んで研究している彼、彼女らに、何の研究をしているのかはサッパリ分かりませんでしたが、羨望の眼差しをもってそれを見ていました。

2023-04-03 06:34:39
川邊健太郎 @dennotai

閑話休題。当時まだ牛臭かった湘南藤沢キャンパスを訪れ、親友のお兄さんにSFC 大学院棟の概要を説明してもらい、ついに「インターネット」を見せてもらう事になりました。当時、青学には数台しかなかったサンマイクロシステムズのUNIXワークステーションがゴロゴロしていて、それの一台で、学生同士、先生と学生が電子メールでどのようにコミュニケーションを取っているかを見せてもらい(それにも衝撃を受けていましたが、、)、ついにWebを見せてもらう事になりました。 UNIXのコマンドから「Mosaic」という今となっては伝説的なブラウザを呼び出し、「まずはホワイトハウスのホームページにアクセス」という規定演技から入りました。当時のSFCは村井さんという「日本のインターネットの父」と言われる方の本拠地となっていたので、日本でも有数の高速回線が入っているはずだし、ブラウザにはキャッシュもあったはずなのに、何だか表示まで妙に時間が掛かった印象があります。たぶん、DVDのマルチメディアソフトとの比較においての体感だったのかなぁーと。 マルチメディアソフトの内容と同じぐらい退屈なホワイトハウスの教科書的内容を見つつ、研究者のサイト、そして、当時のアーリアダプトなユーザーの個人的サイトなどを見て移りました。期せずして、いまも続ける大好きな「ネットサーフィン」の初体験です!

2023-04-03 06:36:40
川邊健太郎 @dennotai

ネットサーフィンをしている間、どのサイトも表示させるのにそれなりに時間がかかったと記憶していますが、だんだんとマルチメディアソフト、ホワイトハウスHPで感じた「教科書的退屈さ」ではない野良というか多様性の魅力を感じ、そしてその本質的重要さを感じ取るに至りました。 「フジテレビや少年ジャンプみたいな事が、個人レベルで世界中に対してできる。また、そういう事をやっている人のコンテンツを、(表示がクソ遅いけど)簡単に家から見れるという事なんだ!」 つまりは、これはメディア革命であり、メディアの民主化なんだ、と。 無論、当時はこの様な言葉と概念で冷静に理解した訳ではなく、その様な諸々を自分の脳内の中で認知、発火、大興奮した、という直感的理解の範囲内ではありましたが。

2023-04-03 06:37:15

反応

T @takachan1019

未来からの留学生と言う立ち位置は、どんな時代にでもどこかに存在すると思う twitter.com/dennotai/statu…

2023-04-03 06:38:05
川邊健太郎 @dennotai

そうそう。まるで未来から今の時代にタイムスリップしてきて、「いやいや、未来ってこうなってるんだよ。ヤバくない?」と言うのが、いわゆる"ビジョン"と言うやつなのです。 "ミッション・ビジョン"と一言で言いがちですが、ビジョンが「見てきた未来」であり、ミッションは「そこへの至り方(動き方)」なので、混同せずにちゃんと整理して語ると、社内でも効果抜群だと思います!

2023-04-04 14:18:05

世界を大きく変える技術、そこまででもない技術

川邊健太郎 @dennotai

【世界を大きく変える技術、そこまででもない技術】 前回、インターネットの本質的凄さに脳が揺さぶられたという事を書きましたが、それは現在でも私の中で続いているビッグバンで、それ故に「インターネットが大好きです」と標榜をしています。今回はその辺りの背景を書いておきます。 私は1974年生まれで、いろいろ記憶があって、自分なりに周辺の環境から影響を受けて考え始めたのは、1980年代であり、この80年代という環境にどっぷりと浸かって価値観を形成してきた人間です。 70年代の2度のオイルショックで高度成長時代が終わりを告げ、経済成長した果実を享受しようと、人々が文化に走ったり利殖に走ったのが80年代で、様々な文化的事象がこの時代にはありました。 それらをイチイチ書いていたらキリがないので、結論のみを書くと、私の文化的価値観は、この80年代の文化の中でもとりわけ、 ■フジテレビ(ひょうきん族、夕焼けニャンニャン、みなさんのおかげです等)、 ■少年ジャンプ(キン肉マン、北斗の拳、魁・男塾、ドラゴンボール等)、 ■ファミコン(ドラゴンクエスト、ゼルダの伝説、ポートピア連続殺人事件、信長の野望等) の3つで形成されており、将来の漠然とした夢も、「こういうモノを提供している会社で働けたらさぞや楽しいんだろうな」という事でした。

2023-04-04 07:10:39
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