「約物」とは何か

『「ぶら下げ」再考』 http://togetter.com/li/212525 から派生した疑問。
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窮狸校正所 @mori_taksi

@monokano @koikekaisho @works014 @editorschool 文選時には拾わず、植字に際して挿入していく活字が「約物」かも? 文選段階で拾っておく「約物」もあったのでしょうか? 印刷所ごとに違っていたのかもしれませんね。

2011-11-10 12:17:49
きえだ ゆうすけ(清閑堂/ハクバオウジ)@『数式組版』ラムダノート @p_typo

@koikekaisho 活字全盛の頃の定義であれば,句読点や括弧類は四分や二分のものもあったはずですので,その頃の商品として,全角のものとどのように区別し呼び分けていたかで決着するかもしれませんね @monokano @works014 @editorschool

2011-11-10 12:37:39
きえだ ゆうすけ(清閑堂/ハクバオウジ)@『数式組版』ラムダノート @p_typo

アケ組全盛の頃なら,句読点などは全角モノの方が購入数は少かった可能性もあるのかな?

2011-11-10 12:40:53
貍人鳥(小池咊夫) @koikekaisho

秀英体全集を見れば、符号、印物、二分約物、三分約物、四分約物…といった分類を見られます。

2011-11-10 12:51:51
きえだ ゆうすけ(清閑堂/ハクバオウジ)@『数式組版』ラムダノート @p_typo

これは良い実例! RT @koikekaisho: 秀英体全集を見れば、符号、印物、二分約物、三分約物、四分約物…といった分類を見られます。

2011-11-10 12:53:15
FeZn/武術ライター読書メモ @FeZn

@p_typo @koikekaisho @mori_tacsi @monokano @works014 @editorschool Wikipediaでは「しめくくるもの」の意と。2006年に僕が書きました(^_^;) 出典は長谷川鑛平『本と校正』(中公新書/昭和40年)です。

2011-11-10 13:04:46
日本エディタースクール @EditorSchool

朝から「約物(の語源)」の話題が盛り上がっています。こちらへのメンションも頂戴しておりますので、少々それに関連した連続ツイートをば。

2011-11-10 15:03:55
日本エディタースクール @EditorSchool

『新編 校正技術』では約物についてこう記述しています。「約物とは、印刷文字と同様に文章中で使われ、印刷面にはあらわれるが文字でないものをいう。文章や語句などを区切ったり、強調したり、また適当に引きしめたりする役目をする一種の約束符号の総称で、」【続く】

2011-11-10 15:04:40
日本エディタースクール @EditorSchool

「たとえば、括弧類・句読点、数学・化学・薬量・商用の記号類、アクセント符号および漢文用の返り点や傍点などがそれである」。以上の記述は藤森善貢氏の文章がもとですが、残念ながらもうお尋ねすることはできません。それで「語源」的には追えないのですが、活版時代の事情等をいくつか。【続く】

2011-11-10 15:04:57
日本エディタースクール @EditorSchool

まず@mori_tacsi さんがおっしゃるように、約物は文選時には拾わず、植字の際に挿入していました。このへん私もお勉強になりましたので少し詳しく書いておきますと、活字組版の最初の作業、文選では、文選係が活字ケースの並んだケース台より必要な文字を拾い、文選箱に並べます。【続く】

2011-11-10 15:05:25
日本エディタースクール @EditorSchool

この際拾うのは文字・句読点だけ。そして、次に植字の作業に入ります。文選箱と原稿が植字係にまわされますが、この植字の作業台には、約物・ケイ・ルビなどのケースが置かれています。そして、ステッキという組版用の金具に文選箱の活字や、約物などを並べていきます。【続く】

2011-11-10 15:05:39
日本エディタースクール @EditorSchool

野村保惠氏の『〈電算植字〉本づくり入門』には、以下のような記述があります。「約物は、活字組版では活字と一緒に文選で拾わずに、植字作業者が組版の際に組み込んでいた。大きさはほとんどが二分物である。その前後に二分のスペースを挟みながら行末までいって、」【続く】

2011-11-10 15:05:51
日本エディタースクール @EditorSchool

「詰める調整の必要があれば、二分スペースを四分に変えたり、抜き取ってベタにしたりしていた。約物類を拾わなかったのは、文選箱の中で二分の約物類は半端が出て処理が難しいし、植字でその前後に二分のスペースを挟み、半端が出たり、調整が必要となったときに」【続く】

2011-11-10 15:06:04
日本エディタースクール @EditorSchool

「そのスペースを抜いて、四分スペースまたはベタとする方式の方が現実的であったからである。」【続く】

2011-11-10 15:06:44
日本エディタースクール @EditorSchool

「活字組版で、和文モノタイプなどの機械植字が導入されるようになると、約物は前後の二分のスペースを一緒に鋳込んだ全角物となり、調整の必要があれば二分物に取り替え,後ろに四分スペースを入れたり,ベタにしたりするようになった。」

2011-11-10 15:06:54
窮狸校正所 @mori_taksi

@EditorSchool 句読点も文選の際に拾ってましたでしょうか? 旧版の『校正技術』の上巻に少し詳しい記述があるのですが、それで確かめてもらえませんでしょうか?(私は、それを自宅に置いているので、いま見られないのです)

2011-11-10 15:15:30
日本エディタースクール @EditorSchool

以上、スクール出版物のなかから拾ってみました。「約物」とは何か、との説明はしていますが、なぜ「約物」というかまではさすがにわかりません。あとは現場の証言をまつ、というところでしょうか。

2011-11-10 15:19:34
日本エディタースクール @EditorSchool

@mori_tacsi さきほどは『出版編集技術(下)』(第6刷・1992年)から、「文選係がケースから拾う活字は文字・句読点だけで、その他の約物は植字のときに植字係が拾って組み込んでいくのが普通である」との記述をとりました。が、ただいま調査中です。少々お待ちください。

2011-11-10 15:29:08
窮狸校正所 @mori_taksi

@kappanlab @kappanjin @nanikatsu すみません、教えてください:Q1. 文選では句読点も拾いますか? Q2. 文選で拾う約物・込め物はありますか? Q3.「約物」の語源は何ですか?

2011-11-10 16:36:27
日本エディタースクール @EditorSchool

@mori_tacsi お待たせいたしました。旧版『校正技術』も『出版編集技術』と同じ記述なのですが、印刷会社さんに問い合わせたところ、正確には「縦組では句読点も一緒に拾う、横組では拾わない」とのことでした。

2011-11-10 17:55:25
前田年昭@生きてるうちが花なのよ~党 @koueihei

同意。私は『写真植字のための組版ルールブック』の曖昧定義の後遺症に苦しむ。同書p.133は約物をくぎり記号・括弧類・つなぎ符・繰り返し記号・リーダー類の総称とし,?!々まで含んでしまうが,小池さん定義が適切。 RT @koikekaisho 活字組版について知っておくといい理由…

2011-11-10 17:55:52
日本エディタースクール @EditorSchool

@mori_tacsi すみません、訂正です。さきほど旧版『校正技術』でも同じ記述と書いてしまいましたが、『校正技術』では、縦組では文字と句読点、横組では文字、と書いていました。失礼いたしました。

2011-11-10 18:32:22
日本エディタースクール @EditorSchool

@mori_tacsi お答えがぐだぐだになってしまいまして、申し訳ありませんでした。こちらこそ、大変お勉強になりました。ご指摘ありがとうございました。

2011-11-10 18:35:40
@horuf

約物の語源は「くくるもの」説が一番流布していると思うが,誰もツイってない? この説も怪しいと思うが,内容的には一番ピンと来る。

2011-11-11 02:18:11