茂木健一郎さん連続ツイート2011年11月13日

「否定することは簡単だけど、創造する方が難しくて楽しいね」
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茂木健一郎 @kenichiromogi

夕刻を迎えつつあるテキサス州ダラスから、「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日は、ここに来る飛行機の中でつれづれに考えたこと。

2011-11-13 07:38:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひそ(1)JALだと思って楽しみにしていたのに、よく見たらAmerican Airlinesの共同運航便だった。日本テレビからのタクシーの運転手さんが、「ターミナル2というのはおかしいな」と言っていたら、本当に違っていた。

2011-11-13 07:40:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひそ(2)乗った時から、徐々にアメリカが始まっている。最初からヘッドフォンを置いておけばいいのに、持ってくることになっていて、しかもなかなか持ってこない。隣りの大きなおじさんも、映画やビデオをあれこれと眺めながら、音がなくて呆然としている。

2011-11-13 07:41:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひそ(3)大味のアメリカ式サービス。以前、「今度は赤ワインをください」と言ったら、それまで飲んでいた白ワインのグラスに注がれて(しかもまだ残っていたのだ!)びっくりしたことがある。それでも、アメリカに近づくにつれて、細かいことはどうでもよくなっていく。

2011-11-13 07:43:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひそ(4)国民性にはもちろんトレードオフがあって、日本の良いところは細かいところに心遣いできること。一方、アメリカはおおざっぱだが、大胆なイノベーションは起こしやすい。飛行機の中でiPadで読み継いだSteve Jobsの伝記は、まさにそんな世界の話であった。

2011-11-13 07:44:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひそ(5)国民性の比較という意味においては、興味深い一節があった。JobsがObama大統領に会って、アメリカの教育システムがいかに遅れているかを力説する。政府の規制がいかにビジネスをやりにくくしているかも熱心に説いていて、どこかの国のことかと思った。

2011-11-13 07:46:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひそ(6)Jobs氏のObama大統領への苦言は、二つの点で面白かった。一つは、どの国でも、内部にいればいろいろ文句があるということ。日本から見るとアメリカはついつい自由の国に見えるけれども、中にいれば、いろいろなあら探しができるのであろう。

2011-11-13 07:47:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひそ(7)もう一つは、もし、Jobs氏が文句ばかり言って自分では何もつくらない人だったら、全くインパクトを与えなかっただろうということ。批評にはそれなりの見識が表れるが、創造には身体を張る勇気がいる。社会が批評家ばかりになってしまっては、物事は進まない。

2011-11-13 07:48:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひそ(8)ダラスの空港に降りて、コリドーを歩く。日本人は、良かれ悪しかれアメリカのことを気にしがちだが、アメリカに来ると、市民レベルで日本のことなどほとんど考えていないことが伝わってくる。だったら、もう少し気楽に、積極的にやっていいんじゃないかな。

2011-11-13 07:49:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひそ(9)日本の社会の中に満ちている、揚げ足取り、あら探しの空気に飽き飽きしていたのかもしれない。内田樹さん(@levinassien)の言うように、呪いの言葉は知的負荷が低い。どんなにショボイものでもいいから、自分で作ってあら探しされる側に回った方が楽しいよね。

2011-11-13 07:54:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、日本からアメリカへの移動に伴って考えた、「否定することは簡単だけど、創造する方が難しくて楽しいね」の連続ツイートでした。

2011-11-13 07:52:26