現代ミステリってなんだろう? みんなで考えてみよう!

限界研[編]『現代ミステリとは何か 二〇一〇年代の探偵作家たち』(南雲堂)について、寄稿者の方々の情報発信や、みんなの感想をまとめました。
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杉本@むにゅ10号 @longfish801

ささやかながら限界研[編]『現代ミステリとは何か 二〇一〇年代の探偵作家たち』(南雲堂)について私なりの理解と感想を綴りました。ご笑覧いただければ幸いです。 #現ミス 【現代ミステリの生存戦略――『現代ミステリとは何か』感想 bit.ly/3o7MYFl

2023-04-17 18:57:10
蔓葉信博🌿 @tsuruba

あとこのあいだうまく伝えられてなかったのですが、僕の認識が世間とちょっと違うと前置きしつつ、多重解決ものはゼロ年代から流行っていたという考えで新しくないから「【新】潮流」には入れなかったという経緯です(ヒット作品が多数刊行されたのはテン年代だけど)。

2023-04-17 19:19:00
taki_anata @taki_anata

小田牧央サンに拙稿も評していただいていました。ありがとーございます それで、この部分が混乱していてよくワカラン、というのは、自分でもそう思うので、さすがにスルドイ❗️とおもいます。なので、ちょっと補足します longfish801.github.io/pages/2023/230… pic.twitter.com/utE3l0bzjV

2023-04-17 22:07:41
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taki_anata @taki_anata

私の考えは大体小田サンの読みと同じです。つまり森川智喜サンの作品展開の「新規性」が ・ミステリの主眼を推理による事件(特に殺人)ではなくバトルによる問題解決に据えた ・モチーフとして「自然的」「人工的」という二つのルール系統を持ち込んだ という組み合わせにあると思います

2023-04-17 22:36:12
taki_anata @taki_anata

特に三途川シリーズを「自然的」(いわば能力系)と「人工的」(いわば言語・ゲーム系)の両面展開と捉えると、『スノーホワイト』『踊る人形』『ワスレロモノ』は前者に、『トランプソルジャーズ』『バベルノトウ』は後者に傾いています。で、ここから「新規性」と「独自性」の微妙な差になるのですが

2023-04-17 22:36:12
taki_anata @taki_anata

私は「自然的(能力系)」の『スノーホワイト』『踊る人形』は新規性のある傑作だと思うのですが、「人工的(言語・ゲーム系)」の『トランプソルジャーズ』『バベルノトウ』がそれに匹敵するかとなると、(ウーム)と思う。ただ、それは前者が後者よりルールとして優れているわけではなく、後者にまだ

2023-04-17 23:04:30
taki_anata @taki_anata

決定的な傑作が書かれていないだけではないか?と思いたいわけです。で、そう考えると、商業デビュー作の『キャットフード』を振り返ると、すでにこの二つのルール系統の萌芽があった。が、『キャットフード』自体が凄い傑作である、というわけではない……。

2023-04-17 23:04:31
taki_anata @taki_anata

『キャットフード』と『スノーホワイト』にはかなり飛躍があり、それは二つのルール系統のうち一つに特化したからだと思います。二つのルール系統を混ぜると作品ふかなり複雑になり、それは阿津川辰海サンの『名探偵は嘘をつかない』が1000枚超だったことを考えると、『キャットフード』は半分以下しか

2023-04-17 23:07:41
taki_anata @taki_anata

なく、手短に上手く片付けたという感じがします。そして「変身する化け猫」「猫社会」というそれぞれの設定→ルール自体は別に新しくない。その、「振り返ってみるとその後の新規性の萌芽はあるがそれ自体は新しい感じはせず傑作とも言い難い煮え切らない感じ」を、苦し紛れに「独自性」と書いたのです

2023-04-17 23:13:15
taki_anata @taki_anata

以下私の中で色々考えはあるのですが長くなるので要点だけ ・この「二系統の絡み方」の観点は「SFミステリ」「特殊設定」それ自体にも反映できる。つまり「西澤保彦の諸作はSFミステリとしては傑作だがSFアイデア自体は別に新しくない」といわれるのはなぜか。『鋼鉄都市』は、『折れた竜骨』は、……

2023-04-17 23:36:59
taki_anata @taki_anata

・言語/ゲーム系のバトルミステリにはリーガル/ディベート系の作品とつながりうる接点ある。私見では2010年代はドラマにリーガル系の秀作が多かった(特に『グッドワイフ』なんかは凄いなと思った)。リーガルミステリには社会問題を扱う「真面目さ」と勝ってナンボの「不真面目さ」が両方あるのでは

2023-04-17 23:38:55
taki_anata @taki_anata

・「設定」とは結局のところ、「ルール」の働きうる閉鎖領域をいかに作るか、ということではないか。かつての「館」や「孤島」がそうであったように、携帯電話のような「内部」と「外部」を貫通してしまう道具が登場する時代の中で、いかに新鮮味のある閉鎖領域を作りプレゼンテーションするか

2023-04-17 23:48:24
taki_anata @taki_anata

・「内部」と「外部」という観点は、「自然的」「人工的」という区別自体にも関わる。つまり、「人工的」なルールにおいて人間は外部に立てるが、「自然的」なルールにおいてはそうではなく、常に内部にいる。私は論述において所々、内部と外部がスイッチするような書き方をしてみた。つまり、最後には

2023-04-18 00:01:44
taki_anata @taki_anata

「小説の外部に目を転じると、ミステリ作家は常に賞やランキングや売り上げといったバトルを強いられる環境に晒されている。では読者は?」という書き方をした。おそらくこのあたりは、もっときちっと説明しなければ伝わらないだろう

2023-04-18 00:01:45
taki_anata @taki_anata

……などと様々な思いがスパークしながら、(一万字で書けといわれたのに二万字書いちゃったよ〜どうしよ〜)と焦りまくって、そのまま放置してしまったのでした(実際、現状でも私の文章が一番長い)。なので、そのあたりはこれからチャンと考えてみるかもしれません……おわり

2023-04-18 00:01:45
taki_anata @taki_anata

なんか、このあたりから「異能バトル」「ゲーム」「多重推理」についても考えをまとめていきたい感じがあり。この前のイベントではいえませんでしたが、巽昌章サンがユリイカの西尾維新特集の時に山田風太郎に触れていたのが印象に残っています。要するに、リアリティ・ラインについてなのですが

2023-04-18 00:30:37
taki_anata @taki_anata

西尾維新も『クビツリハイスクール』で「不死の少女」(結局死ぬ)を出した時に、読者の現実的なリアリティ・ラインを破っちゃったな、という感じがあって、それをあとがきに書いていたと思う。その後、そのラインは作品の中でドンドン踏み越えられ、読者もそのようなものとして受け止めていくけれども

2023-04-18 00:35:12
taki_anata @taki_anata

この、「リアリティ・ラインの設定」が読者と食い違うということは、非常な激憤を招く可能性を秘めている。『黒い仏』もそうだったし、個人的には、『コズミック』『ジョーカー』がそうだった。「新規性」「独自性」と「激憤」とには、非常に微妙なバランスがあり、そこに独特な面白さがあるともいえる

2023-04-18 00:40:55
@quantumspin

「いやいや、光輪は被害者に捧げるものであって、探偵(キングレオ)のためのものではない」 ここでいう「探偵」が「キングレオ」を意味しないことは、おそらく「双鴉橋」(『キングレオの回想』所収)をお読みいただければご理解いただけるものかもしれませんね twitter.com/longfish801/st…

2023-04-17 21:44:52
@quantumspin

あと、大量死論とまんが・アニメ的キャラクターとの関係を論じたこちらの文章も参考にしていただければ、ご指摘くださった箇所の意図があるていど伝わるものかもしれませんnote.com/quantumspin/n/…

2023-04-17 23:01:29
杉本@むにゅ10号 @longfish801

@quantumspin ご指摘ありがとうございます。こちらのほうが誤解ならびに確認不足をしていたようで申し訳ありません。指摘いただいたことを「現代ミステリの生存戦略」に追記しました。

2023-04-18 07:20:06
@quantumspin

@longfish801 ご確認くださりありがとうございます。こちらこそ、小田さんが精読くださったお陰で、拙論で足りていなかった言葉を明確にでき、大変感謝しております。『現代ミステリとは何か』で充分に伝えきれていない部分は、別の場で補足できるよう心がけます。今後ともよろしくお願いします!

2023-04-18 08:16:47
noobie@siberia @17noobies

非常に力の入ったご感想、大変ありがたく思います。 せっかく拙稿に関しても言及いただいたので少し補足させていただきますと、確かに「本格推理ゲーム」と「連作短編」との相性はかなり良く、本稿で触れているだけでも『逆転裁判』『ダンガンロンパ』『Legal Dungeon』は章立ての形で複数の事件を→ twitter.com/longfish801/st…

2023-04-20 11:16:09
noobie@siberia @17noobies

→取り扱う、という点で連作短編的な構成になっていますし、他にも多くのタイトルが存在します。ただ一方で、言及いただいたような、独立してみえる短編が最終的にひとつの長編として繋がっていることが明かされる形式の作品はそこまで多くはありません。→

2023-04-20 11:16:09
noobie@siberia @17noobies

→ご指摘を鑑みるに、「本格推理ゲーム」は現代推理小説と違い「日常の謎」を取り扱った作品が比較的少ないが故に、わざわざ独立してみえる連作短編を作る必要がないという点はあるかもしれません。→

2023-04-20 11:16:10
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