- toshi3636_1
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記者会見とかで、「世間をお騒がせして」とか「世間にご迷惑をおかけして」とかいうのは、「山鳥の尾のしだり尾の」みたいな、それ自体は意味を持たない枕詞のようなものかと思う。意味がないのに、なぜかそれを言うとみんな納得する(した気になる)不思議な言葉。
2023-06-21 06:40:49日本は「世間真理教」である。世界を見ると、神を信じない「無神論者」も増えてきているけれども、一方で神を信じている人もいる。信仰の自由だからそれでいいのだけれども、日本では「世間」というものがあると多くの人が信じ、メディアもそれを前提にしていると感じる。
2023-06-21 06:41:50だから、「世間をお騒がせした」「世間にもうしわけない」みたいなフレーズが出てくる。その「世間」というのは誰ですか、と聞いても、誰もわからない。なんとなく、そのような最大公約数のようなものがあると思っているのだ。
2023-06-21 06:42:30日本では、「世間」は無条件に正しい、ということになりかねない。そこからはみ出した意見は、「空気を読まない」なとど言われる。ネットニュースなどで、誰かの発言を「私見を述べた」などと表現するのは、つまりそれは「世間」とは違う個人の意見で、媒体としては責任を持たないよという意味。
2023-06-21 06:44:01しかし、考えてみると、日本人が大好きな「世間」というものも、一人ひとりの「私見」の積み重ねに過ぎない。幻想としての「世間」に自分の意見をそろえる世間アラインメントの技に長けている人を「大人だ」などという傾向もある。すべてが虚しく、ばからしい。
2023-06-21 06:44:38「世間」という言葉の使用を一年間やめたら、日本人はどれだけ自由になることだろう。イノベーションもいろいろなところで爆誕するかもしれない。私は今まで生きてきた中で、世間が電車に乗っているところも食堂でカレーを食べているところも見たことがない。常に一人ひとりの人間しか存在しない。
2023-06-21 06:46:04マルクス・ガブリエルは「何でも存在する。制服を着た一角獣も、月の裏にいる。ただ、世界は存在しない」と言った。さまざまな個性を持った一人ひとりの人間は存在するけれども、ただ、世間は存在しない。みんなそろそろ気づいたらいい。
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