「発問」と「質問」に関する考察

2011/11/22の開米氏の一連
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開米瑞浩 @kmic67

文教大学 人間科学部 太田 和敬 「現代学校教育論」 http://t.co/vu5mowTH

2011-11-21 21:58:10
開米瑞浩 @kmic67

発問に関する話は、要約じゃないけど整理します。僕の本業に関係あるので(^^ゞ RT @kantomi: 要約して欲しい~ RT @kaimai_mizuhiro 文教大学 人間科学部 太田 和敬 「現代学校教育論」 http://t.co/vu5mowTH

2011-11-21 22:11:01
開米瑞浩 @kmic67

オッケー。こんなもんだろう。ということで発問の話をある程度整理できるメドがついた。たぶんあと1時間ぐらいで書ける。

2011-11-21 22:22:04
開米瑞浩 @kmic67

では、「発問」と「質問」に関する考察ツイート開始。 とりあえずこのチャートを出発点とする → http://t.co/aLqsyIG6

2011-11-21 22:40:32
開米瑞浩 @kmic67

(1)これは「学習者がたどる理解のプロセス」とタイトルがついている通り、何か新しい知識を学習者が獲得しようとするときに脳内で起きる活動を思いっきり単純化したチャートであーる。異論は認める(笑)

2011-11-21 22:42:16
開米瑞浩 @kmic67

(2) A~Eまでの矢印については後で説明する。まずは「謎の発生」から始めよう。これは「これってなんだろう?」とか「なぜこうなるの?」という疑問を持つことを表している。この「謎」自体は動物的な感覚なので言葉になっていないこともある。

2011-11-21 22:44:47
開米瑞浩 @kmic67

(3) しかし言葉になっているほうが何かと都合が良いので、「言語化」が次に来る。 言語化するとその後の「探索のプロセス」が進めやすくなる。「探索のプロセス」では情報収集をしたり仮説を立てたりそれを検証したり、という作業をする。

2011-11-21 22:46:28
開米瑞浩 @kmic67

(4) で、探索してわかったことをまた言語化したりしてこの「言語化」と「探索」は行ったり来たり何度もするものだ。そうしているうちに、「なるほどわかったこういうことだな!!」と、腑に落ちる「理解」にたどり着く。そうして「理解」したことは「記憶」に定着する。

2011-11-21 22:48:07
開米瑞浩 @kmic67

(5) さて、ここまで「謎」から「記憶」までの典型的な流れを描いてみた。この流れの中で、学習者と外界とのやりとりにはいくつかのパターンがある。

2011-11-21 22:49:50
開米瑞浩 @kmic67

(6) まず、一番単純なところでD→Eの応答。Dは、「記憶していることを問う言葉」であり、Eはそれへの解答。Dは「記憶」を問うだけだから、「記憶」さえあれば「理解」がなくても答えられる。丸暗記勉強が批判されるのはこのタイプになりやすいからだ。

2011-11-21 22:52:23
開米瑞浩 @kmic67

(7) 一方、Aは「謎の発生を刺激する言葉」である。「謎」が起きるとそこから言語化→探索→理解→記憶へ、という理解のプロセスが進む。

2011-11-21 22:54:05
開米瑞浩 @kmic67

(8) 注意すべきは、AとDはいずれも外見上「問いかけ」の形を取っているけれど、その内実、つまり学習者に対して引き起こす作用はまったく違うということ。

2011-11-21 22:55:44
開米瑞浩 @kmic67

(9) http://t.co/HPB1976u 文部科学省 教師のためのワンポイントアドバイス集 4 発問 の項 では、A に該当するものを「発問」と呼び、Dに該当するものを「質問」と呼んでいる。

2011-11-21 22:56:45
生島 勘富 @kantomi

@kaimai_mizuhiro 私は発問ばかりやっているつもりだけれど、抽象的すぎて意味が分からんと言われることが多い。 質問を受ける準備は出来ていても、発問を受ける準備はない。 学校で質問ばかり受けてきたから、会社に入っても質問を待つ。 つまり、指示待ち人間になる。

2011-11-21 23:02:36
開米瑞浩 @kmic67

(10) なお、文科省の同資料では、「子ども達の間でも関連発問がでるとよい」 という注意書きがあるが、これにはおそらく2つの意味がある。1つは、「謎の発生」から始まる理解のプロセスの中では「情報収集」の過程があること。このため、学習者からの「質問」が出やすい。

2011-11-21 23:02:40
開米瑞浩 @kmic67

(11) もう1つは、探索のプロセスの中では「新たな謎」が産まれるので、それを学習者が自覚し言語化するときに「関連発問」になるため。

2011-11-21 23:05:21
開米瑞浩 @kmic67

(12) しかし、文科省の前掲書のような「発問・質問」の解釈は必ずしも定着しているとは言えないようだ。 参考(1) http://t.co/vAWZAjwG 参考(2) http://t.co/emu540oG 以上2つの用例を見ると「発問」はAとDのどちらも含む概念であり、

2011-11-21 23:09:53
開米瑞浩 @kmic67

(13) 「質問」という用語はBの意味で使われている。

2011-11-21 23:10:39
開米瑞浩 @kmic67

(14) 一方、文教大学 太田教授の「現代学校教育論」 http://t.co/vu5mowTH を見ると、「発問」という用語を「教師が答えを知っていることを問いかけるもの」という意味で使っている。

2011-11-21 23:13:38
KazuyoshiKitano @kaz_kitano

Dに該当するものも、理解し記憶したことを活用した答えを求める場合は、「発問」と呼んでいます。直接的に問うのなら「質問」です。@kaimai_mizuhiro A に該当するものを「発問」と呼び、Dに該当するものを「質問」と呼んでいる。

2011-11-21 23:14:03
開米瑞浩 @kmic67

その場合も要するに「理解」に至るプロセスがあることを期待しているから「発問」と呼ぶわけですよね? RT @kaz_kitano: Dに該当するものも、理解し記憶したことを活用した答えを求める場合は、「発問」と呼んでいます。直接的に問うのなら「質問」です。

2011-11-21 23:18:24
KazuyoshiKitano @kaz_kitano

そうですね、最初の理解が無いと答えられない問いであり、それと関連づけて新たに理解した上で答えることを期待した「発問」です。 @kaimai_mizuhiro その場合も要するに「理解」に至るプロセスがあることを期待しているから「発問」と呼ぶわけですよね?

2011-11-21 23:22:11
開米瑞浩 @kmic67

(15) そして、「質問」という用語については特に定義は示されていない。 ただ、「教師も答えを知らない問いかけをすることが重要だ」といった記述があり、これは「通常の発問」とは違うらしい。それを「質問」と呼んでいる・・・のかどうかいまいちわかりませんが(^^ゞ

2011-11-21 23:24:28
開米瑞浩 @kmic67

(16) というわけで、発問と呼ぼうと質問と呼ぼうと、「『謎』から始まる理解のプロセスを呼び起こすことが重要だ」という点では誰の認識も一致しているものと思われる。

2011-11-21 23:27:06
開米瑞浩 @kmic67

(17) ただ、その「理解のプロセスを呼び起こす効果」について、「教師が精密に組み立て、事前準備した(当然、解答も用意してある)発問であるべきだ」というのが向山洋一らによる法則化運動の立場。

2011-11-21 23:31:48