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オタクウォッシングについて
【感想 書きました】あまりこういう作品を宗教的とは言わない傾向にある日本ですが、だからこそあえて今回はそこを掘り下げて感想を…。具体的には「神道」と「オタクウォッシング」の関連についてです。「日本ってスゴイ!」論法の話も。 アニメ『江戸前エルフ』感想⬇️ cinemandrake.com/edomae-elf
2023-07-12 07:01:00宗教に面と向き合わず、空気感だけ同調する…みたいな…。
そんなことを思いつつ、今回はこの『江戸前エルフ』はあえて宗教の部分にしっかり向き合って、後半の感想を書いていくとします。とくに「神道」と「オタクウォッシング」の関連を軽めに論点にしているので、関心があれば、この後半も読み進んでみてください。
それは「神道」の政治的な保守性です。日本における神道は保守や極右との結びつきが強いです。それは、LGBTに猛烈に反対する神道政治連盟であったり、愛国主義やナショナリズムと強固に連動する靖国神社だったり、はたまた皇室であったり…。もちろん神道の全てがそうというわけではありませんが(TBS)、現在の日本の保守や極右を下支えするのに大きく貢献しているのは否定できません。
『江戸前エルフ』も実はよく見ると、血縁主義と性別役割の固定化や、家事労働を進んで行う小学生女児など、わりとあちこちに保守性が覗けます。
にもかかわらず作品の持つオタク文化でカモフラージュした“見やすさ”のおかげで、おそらく視聴者の多くは自分が神道の政治的・宗教的概念を取り込んでしまっていることに無自覚でしょう。
別に本作は神道関連団体が製作しているわけではないです。でもアニメなどのオタク・コンテンツは宗教に直に触れるのには抵抗を示す若い人の懐に入り込むには格好の手段です。
異世界からのエルフというのは、言い換えればそれは外国人も同然。エルダの見た目は金髪美人で、日本人が典型的に想像し理想化する外国人女性像そのものです。
そのエルダが日本文化を得意げに自慢して愛してくれて、さらにオタクとの親和性まで高い…。これはいわゆる「オクシデンタリズム(西洋崇拝)」なキャラクターの機能を果たしています。つまり、海外の人に「日本ってスゴイ!」と褒め讃えられることで、自国の愛国心を正当化するという…。これはマスコミや政治家がよく用いる常套手段ですが、日本アニメでも結構よくあって、たいてい金髪女性外国人キャラが日本オタクでやたらとフレンドリーでいてくれます。あれは(保守的な)日本人にとって都合のいい外国人像です。エルダを崇拝するということは、特定の外国人像を崇拝しているようなものと言えます。
『『江戸前エルフ』はこれらがかっちり組み合わさって、「オタクウォッシング」としてのバランスの良さまで発揮しています。
日本のアニメは神道を扱っているものが意外にあります。『らき☆すた』や『ラブライブ!』は主要キャラが神社と関わりがあって聖地としてアニメツーリズムを担っていますし、メディアミックスが大成功をおさめている『Fate』シリーズも「英霊」という神道的な概念がカッコよく描かれています。
日本ではこうした神道とオタク文化の癒着の負の側面を研究する事例はまだ乏しいですが、海外だと宗教保守/右派がメディアを通して大衆化していくことの分析はよくなされています(例えば『Shaking the World for Jesus: Media and Conservative Evangelical Culture』などの専門書)。
アニメは人や社会に寄り添った作品になれますし、それはアニメの魅力です。できれはそれは悪い意味で政治利用されないようにしてほしいなと思います。
だからこそもっと自己批判があってもいいのではないでしょうか。『江戸前エルフ』の作品内で甘やかされているのはエルダでしたが、実際は神道が甘やかされているのでは…と考えてみるとか。現実において負の構造を甘やかすことは良い結果を生みません。もう少し厳しく接してもいいはずです。
アニメ『江戸前エルフ』感想(ネタバレ)…神道のオタクウォッシングを考える | シネマンドレイク:映画感想&レビュー オタクウォッシング、興味深い。🤔 cinemandrake.com/edomae-elf
2023-07-12 08:09:46スタジオジブリについて
スタジオジブリ作品が好きな人も、1作も観たことがない人も、たまにはクィアな視点で語ってみるのはどうですか? 海外のLGBTQコミュニティが考える「最もクィアなスタジオジブリ作品」は何かをまとめてみました。皆さんのオススメのクィアなジブリも教えてください! cinemandrake.com/studio-ghibli-…
2023-07-13 07:01:00「i-D」では『海がきこえる』を「スタジオジブリ映画全作品の中で、最悪の映画の1つにランクされています。しかし、90年代の日本における同性愛者のコード化された描写があり、もしスタジオジブリが杜崎拓のクィアネスを両手を広げて受け入れていたら、『Ocean Waves』は素晴らしい作品になっていたかもしれません」と評しています。
「CBR」では『思い出のマーニー』を「マーニーと杏奈は映画全体を通して非常に肉体的に親密であり、しばしば手をつないだり、お互いを慰めたりします。映画のポスターでも2人が背中合わせに手をつないでいる姿が描かれていますが、この姿勢は、もし2人が異性であれば、すぐに2人が恋に落ちていることを観客に示すものです。たとえ芽生えた関係からロマンスが生まれなかったとしても、サブテキストを促進するのにじゅうぶんな意味があります」と評しています。
スタジオジブリは2023年に最新作映画『君たちはどう生きるか』を劇場公開しますが、クィアな心をもっと掴める作品を将来的に生み出せるのか、それともノスタルジーの中で大切に保存されるだけなのか。その視点でも見守っていくのも面白いでしょう。
水星の魔女の不満点について
水星の魔女、なまじ1話がわざとらしいほどに「家父長的な男尊女卑を振りかざす男たちの横暴の鼻っ柱を、少女同士の"決闘"と"婚姻"が痛烈にへし折る」みたいなわりかしラディカルな描き方だったゆえ、その強烈さにフックした層にとっては今は… というところはありそう
2023-06-12 15:06:02自分も下記と全く同じに思っていて、水星の魔女の序盤において、意識高い系の人達が、水星の魔女は脱家父長制!とか新たなる関係性を築くとか言ったり記事を書いたりしていた訳で、その人々が、今週の「母親なら平等に愛しなさいよ」で、FXで有り金全部溶かした人の顔になっていると思うと、何とも... twitter.com/futsumi_tan/st…
2023-06-26 16:07:36まさにいまこの顔してるけど、商業作品としてはこっちの方が「成功」なんだろうな~と思ってしまってとても複雑 twitter.com/kemohure/statu…
2023-06-27 12:29:08教訓としては、「アニメは第一話などの序盤からどう転がるか分からないので、序盤だけ見て、アニメに自分の理想を押し付けるような批評はやめておこう」って感じですね。大河内一楼さんはコードギアスなどを見ると、「父の娘」的少女の純真さを好んで演出するクリエイターで、実は予想が付いていた
2023-06-26 16:10:44