ヘイトスピーチは犯罪なのにどうしてスウェーデンの警察はコーラン焼き捨てデモを禁止できないのか？

masanorinaito @masanorinaito

エルドアン 大統領の会見。スウェーデンでのコーラン焼却について、西欧世界におけるイスラム嫌悪の表出であり、すべての西欧諸国は人種差別事案をヘイトクライムとして取り締まるのに、イスラム嫌悪はヘイトクライムとして取り締まらず、コーランを焼いた人物を警察が保護する。これはおかしいと。

masanorinaito @masanorinaito

スウェーデンのNATO加盟をどうするかは言及しなかったが、相当厳しいだろう。 エルドアン 大統領は、存在しないカリフに代わってイスラム世界の声を代弁する「カリフ」的発言をするようになっている。

スウェーデン政治経済情報 @sweden_social

ヘイトスピーチは犯罪なのにどうしてスウェーデンの警察はコーラン焼き捨てデモを禁止できないのか、SVTの記事が詳しく解説しているので、以下内容を連ツイします（記事中有識者のコメント引用部分は簡略化）。 twitter.com/masanorinaito/…

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【なぜ、コーランのような宗教聖典の焼き捨てが許容される？】 言論の自由には制約があり、特定の集団を威嚇または侮蔑する言動は扇動行為として違法とされている。しかし、宗教に対する批判は表現の自由の一環として違法とはされていない。 svt.se/nyheter/inrike…

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聖典を焼き捨てる行為が現行の法制度下において裁判にかけられた事例はないため確実なことは言えないが、これを特定の集団に対する煽動罪に問うことは難しいだろう。焼き捨てデモがコーランへの批判である限りにおいて、宗教に対しての批判なのである。

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【コーラン焼き捨てを禁止することはできる？】 本年初期に、警察が２つのコーラン焼き捨てデモ申請を不許可とした。不許可の理由はスウェーデン社会へのテロの危険性を増大するためとされた。しかし、後に高裁が国家安全保障に対する脅威を理由にデモを不許可とする法的根拠はないとの判決を下した。

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ただし、デモの実施によって治安が悪化するおそれがあるのであれば警察が不許可にすることは可能である。実際には、治安の悪化の原因として位置づけられるのはカウンターデモくらいだ。高裁判決の範囲では、デモが社会的な反発を引き起こすだけでは不許可の理由としては認められていない。

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【コーラン焼き捨てデモを警察が別の場所や時間に移動させることはできる？】 最近のコーラン焼き捨てデモが強烈な反発を招いたのは、イスラムの最大の祝祭日にモスク前で行われたためであった。警察がデモを別の場所に移動させることはできなかったのだろうか？

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これまで裁判で争われたことはないが、移動させることは可能だろう。これまでもデモを他の場所に移動させた例はある。2017年秋にはヨーテボリにおいて、ネオナチグループがユダヤ教の祝祭日にシナゴーグ前で示威行為を実施しようとしたのに対して、許可を出さずに行進ルートを変えさせたことがある。

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現在の法制下において警察が採り得るベストの対応は、デモは許可する一方で、センシティブかつ批判を招くような場所で行わせるのではなく別の場所に移動させることだろう。

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【コーラン焼き捨てを禁止するためには憲法改正が必要？】 憲法は法律による制約を認めており、必ずしもそうではない。特定の民族集団に対する煽動罪はそのような制約の一例である。スウェーデンにおいて、聖典に対する冒涜を犯罪にするような信教の自由に関する規定を法定化することは可能だろう。

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スウェーデンでは、宗教への冒涜罪が1970年に廃止された以降は、そのような規定は設けられていない。冒涜罪の廃止は劇的な変化だった。再導入することは表現の自由に対する大きな制約と捉えられるだろう。

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一方で、フィンランドにはまだ宗教への冒涜罪が存続している。これによって、今年始めにはコーランの焼き捨てを差し止めることができた。ただし、このことだけでフィンランドにおける表現の自由への保障がスウェーデンに比べて弱いとは必ずしも言えない。

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スウェーデンとフィンランドとの法制上の違いを誇張すべきではない。それでも、スウェーデンにおいて表現の自由が極めて強力に保障されていることに変わりはない。（引用終わり）

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本スレッドはリンクのツィの続きです。長くなるので別スレッドにしました。twitter.com/sweden_social/…

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スウェーデンのNATO加盟にはトルコの承認が必要なのに、その神経を逆なでするコーラン焼き捨てが頻発することにはスウェデーン政府も困っているし、首相も度々強く非難している。それでも止められないのは、「集会の自由」が強力に保障されているから。背景を連ツイします。twitter.com/masanorinaito/…

2023-07-01 19:56:28

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【参考情報】 ＜スウェーデンの刑法＞ 第16章第8条　広く公開される言動その他のコミュニケーション手段によって、特定のグループに対して、人種、肌の色、国または民族的出自、信教、性的指向もしくはトランスジェンダーに関するアイデンティティまたは表現に関して脅しまたは侮蔑を表明した者は…

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…特定グループに対する煽動（アジテーション）の罪に問うとともに、最大２年間の禁錮に処する。軽微な場合には罰金刑に処する。（第2項＝集団罪を規定：略） ※スウェーデン政府作成の英語訳を翻訳したもの。法律の専門家ではないので、誤訳はご勘弁を。 government.se/contentassets/…

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（独り言）スウェーデンは200年以上戦争に参加しておらず、また、ナチスなど全体主義体制も経験していないので、これまで民族や宗教に対する攻撃的言動を制御する要請や契機が少なかった。対照的なのがドイツで、表現の自由とネオナチの抑制の両立に苦慮しつつ紆余曲折を経て現在の法制に至っている。

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ドイツにおける民衆扇動への法制度面での対応の実情については、この論考が参考になります。 「ドイツの民衆扇動罪と表現の自由 　ヒトラー『わが闘争』再出版を契機として」（鈴木秀美） publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/law/law_82…