Kyota_WJのtwnovel（ほぼ）全集（1～100）

(T-T) @Kyota_WJ

ラヴェルのボレロ。一糸乱れぬ演奏が響き渡る。しかし、演奏者達の顔はばらばらの方向を向いている。指揮も楽譜も見ていない。 #twnovel 演奏者達は目が見えなかった。指揮は、指揮者から伸びた無数の糸が伝えてくれる。演奏後に拍手が鳴り響いたたとき、演奏者達が皆一斉に笑顔になった。

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不意打ちをかろうじて避けた。「何をする」「その懐手姿、お前が幕末最強の侍という噂の飛び伊蔵だろ。この槍の間合いは跳べまい？」 #twnovel パン、と乾いた音。伊蔵の懐からは煙。「短筒…卑怯…」「最強の侍が剣豪とも限らんだろ。死んでもらうぞ」男が切られた。銃創は刀傷に隠れた。

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子ども達の「お願い」を前にサンタは悩んでいた。例年、お願いは11月に急増する。でも、今回は昨年のXmasからお願いが届き続けている。 #twnovel お願いはどれも、プレゼントはいらないから親にお金や仕事を。サンタは、子どもの笑顔が親へのプレゼントになることを願うしかなかった。

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子どもを預けると、医者にでも泥棒にでも、お望みの専門家に育ててくれるというＷ博士。数多くの人材を育てたが、失敗もある。 #twnovel 「秘書がやった」「記憶にない」という反応の条件づけには反対したが、これで国が守られることもあると押し切られて、施した。後悔している仕事の１つ。

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医者にでも泥棒にでも、子どもをお望みの専門家に育てるというＷ博士。医師界と法曹界双方の要望により、高い外科技術を持ち適法的な医療判断ができる弁護士医師を育てた。 #twnovel その彼は今、「現代のBJ」と呼ばれている。Ｗ博士曰く「彼にそう行動させる刺激が現場にはあるのだろう」

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初めて体を売ったのは十歳の時。右の鎖骨の下に、誰かへの思慕が記された。想いを遂げれば消える筈のそれは消えぬまま、ぽつぽつと体を売り続けた。 #twnovel 元より叶う筈のない想いが多いのだ。今、思慕に埋没しそうな体は空き待ち客がいる。客達の想いを解した14の秋。次の客は私自身。

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えっ？一瞬色々な感情が湧いて、消えた。もうこの世にいない彼の #twnovel が投稿されている。不思議なことではない。予約投稿を利用していたのだ。オチは、「五字はなし」と「誤字はなし」の駄洒落。遺作がこれで後悔してないかな？微笑しつつも少し涙が出そうになった。 #chnovel

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漂う甘酸っぱい匂いに何事かと障子を開き、彼に問う。「炬燵蜜柑は日本人の幸せだよな～」と彼。その大きいのは？「晩白柚。」そういえば廊下に大箱が。他にも大小様々あるので問うと、八朔、伊予柑、日向夏に不知火。普通の蜜柑は？ #twnovel 「炬燵の中で炭火焼き。」匂いの正体はそれか。

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電車内。 #twnovel を読む。くすっと笑ったとき、「それ、俺が書いたんだ」と横から言われた。人のケータイ見るなよー、と思っている間に、「これ」と画面を指された。これ？…新手のナンパか？これの作者は私だ。笑ったのは自画自賛。ナンパなら、「それ、俺も好き」と言うべきだったねー。

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家電が自己評価知能を搭載。使用者に合わせた最適な使用方法を提案するだけでなく、日常の話相手にもなる。 #twnovel 人気製品となったが、不規則な使用法をされたために最適使用法を提案できず、自己評価が全体的に低下して、捨てないでと使用者に媚びたり、うつ状態になる家電が現れた。

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牛２頭がコンビニエンスストアに入った。店員が戸惑っていると、今度は馬に乗ったカウボーイが入ってきて、牛を店から追い出し、去っていった。 #twnovel この映像が海外の珍事として報じられたが、その店の周辺には元々、牛もカウボーイもいないことは報じられなかった。どこへ去ったのか？

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この写真がアリバイです。「ほう、拝見しましょう。大阪城に、…満月ですか」私が犯人なら、この時間この位置では撮れませんよね。「ふーむ…署で詳しい話をうかがいましょうか」どうして？ #twnovel 「月が大きすぎるんです」あ。で、でも、小さいとウサギが暮らしにくいんじゃないかと…。

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占いのイベント。様々な占い師が店を並べている。会場に入ると、「最初はこちら」と言われて、入口近くの店に案内された。 #twnovel 「まず、どこで占ってもらえばよいかを占います。ちなみに、出口にはどの結果を信じるとよいかを占う店がございます」ふーん、占いも進歩してるのね〜。

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テレビをつけた。「A：血液型と性格の関係も証明されてない。占いは論外。B：証明は不要。占いを必要とする人がいることが重要」血液型占い討論？「B：血液型占いこそ最強だ。A：総合力は風水が上だ」占い対決か!? #twnovel 「…それではお二人の新曲を…」占い対決でもないの!?

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苦味は本来、毒と感じられる。だから虫や菌でも苦いものは避ける。ヒトが苦味を好むのは、何かよいものと結びついた場合らしい。 #twnovel 私は珈琲が好きではなかったけど、彼が珈琲好きだったから、珈琲が好きになった。彼はいなくなった今、珈琲は苦味を増したけど、なぜかやめられない。

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殺害予告なんて、頭悪そうだ。連絡網のセキュリティはザルだし、侵入して通知。新型インフル検査を受けて陰性が確認されるまで登校禁止、と。先生達が偽通知に気づいても後の祭り。すぐには検査できないので誰も登校せず、運動会は延期に。 #twnovel …え!?中止じゃないの!?がっかり…。

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台風とは、要は地球規模の気の流れの表れだと、さる陰陽師は言う。最近、世界中の祈祷師の類が集って、近年乱れがちな気の釣合いを整える行事が催されたらしい。 #twnovel 集まった者達の教義や宗旨はばらばらだったそうで、整えていたのか乱していたのか分からん、と、さる陰陽師は笑った。

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日本は大不況の末に戦国時代に逆戻り。ついには関ヶ原の合戦が行われた。その結果は西軍の敗北という歴史の再現となったが、敗因は西軍主力の大阪人にあった。 #twnovel 大阪人は、指鉄砲を向けられて「バーン」と言われるだけで倒れたからだ。なお、東軍はバナナの皮も用意していたという。

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あの大作映画をツイノベライズ！…ある男が突然、大事件の渦中に。逃げ惑う男の前に、美女が現れて男を助ける。ある秘密組織の陰謀のための行為だったが、女は男の真摯さにほだされて組織を裏切り、陰謀は潰えた。 #twnovel 「あの映画ってどの映画？」君が思い浮かべているやつ、どれでも。

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記憶とは存外に不確かで、刃物を持った作業着の大柄な白人とスーツ姿の小柄な黒人が向かい合う絵を見て、黒人が白人を刃物で脅していたと記憶してしまう例もある。 #twnovel 慎重に思い出して下さい。あなたが見た女性の服装は、ニーソックス、タイツ、レギンス、トレンカのどれでしたか？

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私は逃げていた。逃げる必要はないのかもしれないけど、私に気づいた途端にチャンスがどうとか言って迫ってくる人が多いから、つい逃げてしまう。でも、全く気づかれなくても寂しいので、時々、自慢の前髪をさりげなくアピールしてしまう。そう、なぜかみんな、前髪に触りたがるの。 #twnovel

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「む！」<探偵>とやらは、私を見るなりそう言った。"な、何か？"「遅い昼食を急いで食べられましたか。シャツに、ラーメンの汁が。口の端に油も」 #twnovel 間違ってはいないが、どうでもいいことだけ推理が働くとの噂は本当か。今度はこの部屋にいた猫の生活を推理してやがる。

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彼を見ていたら、突然、彼の頬に星型の影が見えた。ピンときて、その星印に指で触れると、ぼんやりと光った。「何？」と彼。ふぁぼったの、と私。「ふーん？最近流行ってるのかな」え？「こないだユナちゃんにも同じことされてね、あの子も、ふぁぼったって。どういう意味なの？」 #twnovel

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「…待っていたよ」"今、私の靴をご覧になりましたね"「仕事ができるやつは靴まで隙がないものだからな」 #twnovel "私の靴は元靴屋の父が習慣で磨いているだけです。父は、初対面の相手の靴を見る人間は人の足下を見る人物だとも言っておりました"「ふむ。足許には気をつけることだな」

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ありとあらゆる本が電子化された。稀覯本でも手軽に読める。しかけ絵本は、専用デバイスで動かすことができる。書店もネットに移行して実店舗がなくなった。図書館は古典資料保管庫として残されたが、残された真の理由は別にあった。 #twnovel この匂い、この感触。いまだ実物が勝っている。