中国共産党傘下機関紙「琉球の主権が日本に属すと定めた国際条約はない」「琉球で独立を求める声も」という記事を掲載。玉城デニー沖縄県知事の「尖閣問題に触れず、台湾有事は日米両政府が対話で緊張状態を緩和せよ」という内容で行った中国平和外交の影響を懸念する声。

中国共産党機関紙、人民日報傘下の雑誌「国家人文歴史」が「現在の琉球は日本の実効支配下にあるが、歴史上、琉球の主権が日本に属すと定めた国際条約はない」という記事を掲載

「現在の琉球は日本の実効支配下にあるが、歴史上、琉球の主権が日本に属すと定めた国際条約はない」と指摘した。

沖縄県の玉城デニー知事が今月訪中したのをきっかけに一部中国メディアによる琉球関連報道が増えている。日本が台湾問題への関与を強めるのをけん制するため、中国が沖縄の帰属を問題視しようとしているとの見方もある。

特集は「琉球往事」と題し、冒頭で「日本政府は米軍基地を維持するために次々と琉球の民衆の意志に背く決定を下している」と批判。「琉球の民衆の大きな失望と反感を招いており、独立を求める声も強まっている」と分析した。（共同）

玉城デニー氏は『お互いが理解し合い、交流し合うことによって、地域に平和な環境を作り出していく』ことにより地域や国の平和は保たれていると発信したが、中国での外交や中国共産党機関紙のインタビュー等では尖閣問題には触れることはなかった。また台湾有事に関しては『日米両政府は平和外交と対話の方式で、緊張した情勢を緩和し、信頼関係を構築していかねばならない』と発信した。

『環球時報』ロングインタビュー内の玉城デニー氏の発言内容

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□日本の安保に関して□
玉城丹尼:　日本政府は昨年12月、いわゆる新たな「安保3文書」を決めた。「厳しい」安全保障環境に対応するため、防衛能力を強化し、自衛隊の西南諸島の配備を増強するとした。日米安保体制と「専守防衛」の原則は維持するということで、沖縄県は「必要最低限の自衛能力の保持」について、理解を示した。
　しかしながら、たとえ第二次世界大戦が終わって78年を経たいまになっても、日本の約7割の米軍基地は沖縄に集中している。沖縄の人々は一貫して、日本政府は実際の行動で、県内の米軍基地を減らしてほしいと要求している。沖縄県の立場からすれば、軍事力の増強によって威嚇能力を強化しようと企図することは、地域の状況をより緊張させると考えている。
　予測できない事態を引き起こす可能性があり、非常に懸念される。米軍基地がこの地に集中していることで、沖縄が容易に攻撃目標にされるようなことがあっては、絶対にならない。
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　われわれが毎度、最大限、日本政府に促しているのは、そのような状況が起こらないようにしてほしいということ、合わせて積極的に各方面と、平和外交と対話を通じて、緊張した局面を緩和し、信頼関係を構築していこうと模索している。
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疑うべくもないことだが、対話を行う前提は、「話し合う相手」が存在することだ。貴社からの取材の場を借りて、再度私の観点を申し上げたい。平和外交と対話を通じて、緊張した情勢を緩和し、相互の信頼関係を築くことは、非常に重要なことだ。

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　沖縄県は、歴史的に残酷な戦争に巻き込まれた。(1945年)当時、沖縄の実に4人に一人が死亡したのだ。戦後の日本政府が「軍事優先」の政策を推進する中で、沖縄県民の基本的権利は侵害された。
それですべての沖縄県人が、沖縄を二度と戦場にしてはいけないと切望している。その時の歴史の教訓に基づいて、沖縄県は積極的に地域間交流を促進し、世界に向けて平和を追求する「沖縄の魂」を宣伝しているのだ。

□台湾有事に関して□
環球時報:　あなたは一貫して、対話を通じた平和の実現を呼びかけていて、今年早い時期にアメリカを訪問した。あなたは昨今の地域の平和と安定の障害はどこにあるとお考えか？　そうした問題をどうやって解決していくべきか？　
　玉城丹尼:　略　沖縄と台湾の距離が非常に近いため、台湾海峡の平和と安定の重要性についての見方も述べた。
　私が見るに、中国とアメリカの経済の相互依存関係はまさに深まっており、軍事衝突はこうした互利互恵の関係を破壊すること、ひいては両国の国家利益を損害することを意味する。
　その他、日米両政府は平和外交と対話の方式で、緊張した情勢を緩和し、信頼関係を構築していかねばならない。そうして突発事件の発生を防止するような相応の努力をしていくべきだ。

琉球朝日放送　報道制作局 『シリーズ 沖縄の選択(3) 候補者はどんな人？』では玉城デニー県知事は知事選前に「日本政府から、アメリカから沖縄を取り戻す。ウチナ―ンチュの手に取り戻す。」と発信もしている。

玉城デニー県知事の外交に関しては厳し声も沖縄内であがっている

以下、中国機関紙内容や玉城デニー県知事に関する様々な感想