未完成の理想郷11話「ボスラッシュ」

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未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

「ああ、我が戦力にならない内に実行に出たのだろうが、残念だったな。」 無機物以外にプティの能力は働かない、自分の身体と武器を一体化できるミシュカトルはまさしくプティの天敵だった。 「だったらまた元の姿に戻ってもらうね。」 クイーンふあんふあんにやられた時と同じ光を放つ大鏡だが、

2023-07-31 22:05:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

パリーンッ 「!」 何かが横切ったと思ったら、大鏡がけたたましい音を立てて崩れ落ちる。 大鏡を破壊し、地面にめり込んでいるその物体を見るとそれは 「水晶っ!」

2023-07-31 22:06:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

「申し訳ないですプティさん、手が滑ってしまいました。」 「★兎さん…」 形勢逆転、一気に不利になったプティに更なる追い打ちがかかる。 「え、なんだか切られたパレットが光ってますぅ……え、元通りになった?」 「ムギの鈴も完全復活にゃ!なんかよくわらなにゃいけどやったにゃ!」

2023-07-31 22:07:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

「え、なんで!?」 プティが知る由もないが、ヤンの能力はこの場においても働いていたようで、プティが破壊した武器が全て元通りになっていった。 「みんな!クイーンふあんふあんがそっちに向かったわ。」 「!」

2023-07-31 22:08:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

大鏡を失い、腕も4本中2本失った、更にプロトタイプも撃破され、クイーンふあんふあんは不利を悟ったのであろう、プティの方に一直線に逃げ出す。 「ふあ~。」 「もう無理か…。」 そして、プティを抱きかかえ上空へ飛ぶ。 「逃げた!?」

2023-07-31 22:09:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

ボスの逃亡は計算に入れていなかったため、驚愕する転生者たち。 空へ逃亡した2体のボスを覆うようにふあんふあんの群れが追従する。 「だめだ、能力を使った遠距離攻撃じゃあ撃ち落とせない。」 ブロンがその矢で撃ち落とそうとするが、ふあんふあんに邪魔され、能力が打ち消される。

2023-07-31 22:10:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

「ふあふあ~」 「とりあえず、空島エリアで体制を立て直す。今のみんなだとあそこには近づけないはず…。」 そう言うと一気に高度を上げる。 これで逃げ切ったと思った矢先、 「逃がさない。」 「え」

2023-07-31 22:11:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

クイーンふあんふあんの首が吹き飛ぶ。 「ママさん…」 ミシュカトルも元の姿に戻っているのだ、もちろんマーテルも人型に戻っていた。 手にはサバイバルナイフを持っており、自分たちより更に高所から急降下してクイーンふあんふあんを殺したのだろう。

2023-07-31 22:12:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

「……首を落としたのに…落ちてこない…。」 クイーンふあんふあんの気配は完全に途絶えた。 しかし、プティを乗せた雲は落ちてこないどころか、速度を保ったまま高度をぐんぐん上げていく。 「……雲と人型部分は…別の生命体…判断を間違えたわね……」

2023-07-31 22:13:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

急降下して敵にトドメを刺したことにより、マーテルの能力でも追いつけない距離となってしまった。 こうして、毒沼エリアでの戦闘は、ボス2体の討伐、1体取り逃がした形で終幕となった。

2023-07-31 22:14:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

「なんでプティさんが…。」 戦闘が終わり落ち着いた今、この話題が出てしまうのは仕方がない。 「……でも、プティ、僕、傷つけようとしなかった。武器だけ、狙ってた。」 「た、確かにわたしも武器だけ破壊されましたしぃ…。」 「つまり、何か理由があるってことだね。」

2023-07-31 22:16:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

確かに傷を受けた転生者もいるが、それはプロトタイプにつけられたものであり、プティに直接傷をつけられた者は1人もいなかった。 「今はいったん草原エリアに帰りましょう。ルナさんが目を覚ましません。」 「そっか、大鏡の攻撃直接受けてたもんね。」

2023-07-31 22:17:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

ルナの方に目をやると、顔色が酷く、いつもの余裕のある表情とはかけ離れた表情をしている。 「……ん。」 「あるじ!良かったにゃ!調子はどうにゃ?」 「……そっか…全部思い出した。」 ブロンや憲史の時と同じだ、しかし、他の2人に比べると回復も早いように見受けられる。

2023-07-31 22:18:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

「……前世…か。」 そう呟くと同時に周りを見渡す。 心配してくれた自分をあるじと慕ってくれるムギ、教えたことをどんどん素直に吸収していく弟子のような存在のブロン。他にもこの「NONAME」で助け合ってきた仲間たち。 「とりあえず、肩貸すよ。草原エリアまで戻ろう。」

2023-07-31 22:19:00
未完成の理想郷(完結) @uf_arkadia

「いや、1人で大丈夫だよ。」 (どんなに前世が悲惨でも…) 「僕はもう“ルナ”だから。」

2023-07-31 22:20:00
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