- uf_arkadia
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紫色をした池の上に浮かぶ、ガラスのように透き通った綺麗な蓮の花。 その周りには毒々しい霧が立ち込めている。 ここは毒沼エリア。 比較的序盤で発見したエリアだが、この毒霧によって探索が不可能だった。 しかし、転生者の身体はこの毒にも耐え得る程に成長していた。
2023-07-09 21:31:00ようやくこのエリアも探索ができるようになったというわけである。 「皆さん準備はどうですか?」 「問題ない、いつでもいけるよ。」 「このために準備も進めてきたしね!」 「えぇえっとぉ…こ、これだけ人数がいれば、わたしいらないんじゃぁないですかぁ!?か、帰っていいでしょうかっ!」
2023-07-09 21:32:00「うん、マルガリィタ君はもしものためにいてもらわないと困るねぇ。」 「こちとら徹夜明けなんですよぉ!」 いつものように締まりのない会話だが、皆緊張でやや声が震えている。 それもそうだろう。 「……。来ます。構えてください。」 「「「……!」」」
2023-07-09 21:33:00時は前日に遡る。 「ミシュカトルさんとママさんは、どうやらクイーンふあんふあんの大鏡によって魔物の姿になってしまったみたいですね…。」 ミシュカトルとマーテルの魔物になった原因を★兎が占う。 「あの青い身体のボスね。アタシと戦った時も鏡で多彩な攻撃を放ってきたわ。」
2023-07-09 21:36:00まゆたろうを除くと、唯一クイーンふあんふあんと戦闘経験のあるカナタが意見する。 「単純にふあんふあんの上位互換の能力があるとすれば厄介極まりないね。能力の打ち消し以外にも光線のような攻撃もできるのもやばい。」 「なんか弱点らしい弱点がないよね…。」
2023-07-09 21:37:00一同がうーん、と頭を捻っている中、こんな意見が出る。 「じゃあ、こっちも鏡を使えば、相手の攻撃反射できるんじゃない?」 「……確かに、奴が繰り出す攻撃は、今現在確認ができる範囲で言うと光系のみ。こちらが鏡を使うっていうのも効果的かもしれないな。」
2023-07-09 21:38:00「マルがいれば鏡を作りたい放題、今夜は徹夜だのう。がんばれマル。」 「な、なななんでですかぁ、いつもいつもいつもわたしばっかり夜遅くまで仕事してるじゃないですかぁあああ!」 「まあ、能力が便利過ぎるから仕方がないよね。」
2023-07-09 21:39:00ブロンの意見にルナが賛成、ネフェルが具体案を出しマルガリィタが嘆く。 こと小道具作りにおいて、マルガリィタの右に出る者はいない。こういった仕事がマルガリィタに回ってきてしまうことは必然であった。
2023-07-09 21:40:00「それではマルさんには社畜に専念していただいて、次の話に参りましょう。」 「今社畜って言ったあ!」 「先程お話した通り、明日、毒沼エリアにてクイーンふあんふあんが待ち受けています。このボスには能力を無効化する能力があるため、わたくしの占いが通じません。」
2023-07-09 21:41:00マルガリィタの叫びを無視しつつ話を進める★兎。 「それでも未来が見えたということは、わざとわたくしに能力を通じるようにしたということ。十中八九罠ですが、クイーンふあんふあんに対して相対するタイミングがわかる場面なんて、今回を逃せばもう訪れないでしょう。」
2023-07-09 21:42:00「相手にもアドバンテージはあるけど、こちらにも十分アドバンテージがあるということか。」 ★兎が見た未来は、クイーンふあんふあんと相対した場面のみ。これ以上の未来はその能力で見ることができなかったようである。
2023-07-09 21:43:00占いが通じない相手など今まで遭遇したことがない為、いつも以上に慎重に話し合いが進む。 「明日行くべきじゃないかな?一刻も早く魔物にされた2人元に戻したいし、不意打ちできるチャンスなんでしょ?それにクイーンふあんふあん倒せばもうふあんふあんが生まれないかもしれないしね。」
2023-07-09 21:44:00「アタシはブロンくんの意見に賛成ね。ちゃっちゃとリベンジも果たしたいもの。今度は…しっかりアタシの手であの鏡粉砕してやりたいわね。」 「じゃあ僕も賛成で。」 「明日までにそんな多い鏡を作るなんて無理ですぅぅぅ!反対!わたしは反対です!」
2023-07-09 21:45:00「…賛成意見が多い為、次の話し合いに進みましょう。」 「また無視したあああ!」 手作りのボードにて作戦を板書する★兎。ボスとの相対はいつも突然だった。しかし、今回は場所に時間が把握できている。綿密に計画を練って対応できることもアドバンテージの1つだ。
2023-07-09 21:46:00「まず、マルガリィタさんは鏡作り、今から取り掛かってください。ヤンさんと憲史さん、そしてヤマトさんは彼女のサポート。」 「しかも早速仕事押し付けてくるし!ブラック上司ムーブ断固拒否です!」 「はいはい、マルガリィタちゃんはこっちで作業しようね~。」 「ムキィー!」
2023-07-09 21:47:00マルガリィタの断末魔?を★兎は耳を折り曲げることで回避しつつ話を戻す。 「明日については、プティさん、ヤンさんは魔物化した2人とまゆさんを見張っていてください。草原エリアの留守番も兼ねて念のためです。」 「うん!」「あーい。」
2023-07-09 21:48:00「その他の皆さんには今から作戦を伝えます。鏡も対策としてはいいかもしれませんが、まだどんな手札を持っているかわかりません。過度の過信は死に直結します。そもそも不意打ちの1撃で殺すことが最良ですので、各自そこを頭に入れておいてください。」
2023-07-09 21:49:00「ボスが2体か…。」 何か仕掛けてくることはわかっていた。 ★兎の占いにはクイーンふあんふあん1体と相対する未来しか見えていなかった。おそらく能力を無効化する能力でプロトタイプの姿を隠して未来を見せたのであろう。
2023-07-09 21:52:00今まで遭遇した中で互いに人型で知能も高いことは見てとれた。つまり、連携も取ってくる可能性は高い。 まとめて戦うにはかなり骨が折れる相手だが、
2023-07-09 21:53:00「まあそのパターンは一応計画のうちなんだよね。」 昨日行った作戦会議で相手が仕掛けてくるであろう罠はあらかた目処がついていた。 複数のボスが待ち受けているパターンも織り込み済みである。 敵を視認した瞬間ブロンが矢を射る。
2023-07-09 21:54:00