スワローズ妄想劇場【３番 ショート兼探偵 川端慎吾】その3

トゥ・レイン・スワロー @to_rain_swallow

スワローズ妄想劇場【3番 ショート兼探偵 川端慎吾】その3 #swamou #swallows ※このお話は実在の人物・団体・施設とは全く関係のないものです。あしからずどすからす。へでで。

スワローズ妄想劇場 @swa_mou

スワローズ妄想劇場【３番ショート兼探偵 川端慎吾】その3 川端はデーゲームの後、あの老人が入院している慶應病院に向かった。面会時間ギリギリであったが、なんとか滑り込むことが出来た。ナースステーションに向かい、手近な看護士に「あのう・・」と、声をかける。 #swamou

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美人の看護士が「はい？」と振り返り「あら、スワローズの・・川端さん・・？」と答えた。少し恥ずかしくなりながら「はい。で、あの・・先日入院したあのおじいさんの様子はどうですか？」と言うと「お見舞いに来て頂いたんですか。実はまだ意識が戻らないんですよ。」 #swamou

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手にファイルを持って出てきた看護士がそう答えた。川端は更に「ご家族の方は？」と聞くが「いえ、身寄りはなく、長野の方の老人介護施設にいらしたようですね。木下さん・・ああ、おじいさんのお財布の中に色々ありましたので。」との答えに手掛かりが得られそうにない事に落胆する。 #swamou

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しかしどうしても諦められない川端が「実は、木下さんが倒れる直前、頼まれた事があるのですが、その施設の場所を教えてくれませんか？」看護士は「いえ、個人情報ですので・・・うーん」と渋るが、ファイルを川端の目の前に出し「じゃ、これにサインしていただけますか？」と言った。 #swamou

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戸惑いながらも応じる川端。看護士はサインが書かれたファイルを受け取るとパッと開き、挟まれた紙を渡した。「そちらが、その施設の住所です 。」始めから準備してあったらしい紙を「あ、ありがとうございます。」と受け取った。 #swamou

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看護士はスワローズのキーホルダーを見せながら「実は私、スワローズファンなんですよ！じゃ、野球、頑張って下さいね！」と言っていそいそと去っていった。川端はキーホルダーの図柄を見て「・・・22か。」と少し残念そうに呟くと病室を出て車に乗り込んだ。 #swamou

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寮に戻り、長野に行くための準備をしたり、道を調べたりしていた。途中、妹から電話があったが内容も覚えていない。とにかく、この疑問を晴らさなければ前に進めない。（野球以外に集中するなんて、いつ以来だろう。）川端は苦笑しながらスコアブックを見続けていた。 #swamou

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翌日、車を走らせると電話があった。車を停めて出る。「ちょっと！どうなってるの！」と聞きなれた声が騒いでいる。「友紀？どうし・・」と、言いかけたのを遮って妹が「『明日東京に行くからどこかに連れて行って』って約束したじゃない！東京駅で待ってるんだけど！」と捲し立てる。 #swamou

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兄は慌てて東京駅に向かった。車寄せで待っていた妹は眉間に皺を寄せていたが、川端の車を見つけると手を振ってきた。「さすがプロ野球選手！良い車に乗ってるじゃない！」と言いながら乗り込んで、一方的に近況を色々と話し始めた。 #swamou

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しばらくして、報告が一通り済んだのか、「で、何処にドライブに連れてってくれるの？お台場？スカイツリー？」と聞いてきたので、兄は村中のような小さな声で答えた。「長野。」「ふーん・・って、ながのぉ!?」妹が不満を漏らす間も無く、車は高速に乗った。(続く) #swamou