稲川淳二の『つぶやき怪談』(2023.06.29)

稲川淳二 @Junji_Inagawa

と思ってですね、見ると、土の色が違うんで、 私、足で蹴飛ばしたんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

蹴ってって、フッと見たら、 なんか、あのうテカテカに塗装された金属の屋根があるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

車の屋根でした。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（アレッ） と思ってですね、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「なんだいあれか、この辺は車を埋めて、道を広げてんのか」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

って私、笑ってましたよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、温泉に入って、出てきて、 ヒョイと見てみると、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

なんと道路の脇の石垣の上に、 ガードレールがあるじゃないですか。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ガードレールなんてものは、 石垣の上にあるわけないんでね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それも海側じゃなくて、山側にあるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、そばにね、 お地蔵さんがあったもんですから、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

落ちていたコーラのビンをね、 お地蔵さんの後ろに隠しました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、私が、「おい、夜、みんなでもって、 度胸試しをしようじゃねえか」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

って言うとね、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「いいよ」 って、話になったんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

民宿に帰って、夕食がすんで、 みんなとドンチャカ騒いでるうちに、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

いいように酔っ払っちゃった。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

花火なんかやってましてね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そのうち、私は、 （ああそうだ、度胸試しの準備しておこう）

稲川淳二 @Junji_Inagawa

と思って、酔っ払った勢いで、 山道をひとりで、登っていっちゃったんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

“ドンドンドンドン”行ったんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ところが、これが不思議なんですよねえ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

途中まで行ったら、道が無いんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

でも先には、道が見えてんですよねえ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

気がつくと車が２台、止まってんですよ。