東電柏崎刈羽原発・柏崎市・刈羽村調査報告

過酷事故時の対応について 藤堂先生による調査報告
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藤堂史明 @FumiakiToudouTW

来週、柏崎市と柏崎・刈羽原発に調査に伺う予定です。(その他は調整中)。原子力防災という視点からの調査ですので、これまで説明されてきた安全性の議論ではなく、過酷事故が起こった場合の対応を中心に、伺う予定。震災対応についてもお聞きしたいが、論点がぶれないようにしなければ。

2011-11-23 01:40:12
Susanna Yukari Oseki @niigatamama

@FumiakiToudouTW とても大事なことですね。過酷事故が起こった場合に、どのように周辺住民に情報が開示され、どのように避難指示、勧告するのか、今回の震災対応も含めて知りたいです。

2011-11-23 08:49:25
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

@niigatamama 返信ありがとうございます。震災対応(柏崎刈羽としての、と福島の後方支援としての)、過酷事故時の東京電力としての対応体制について詳しく聞いてきたいと思います。

2011-11-23 16:41:58
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

11月29日に、過酷事故の際の対応について、柏崎市、刈羽村、東電柏崎刈羽原発にお伺いし、お話を伺って来ました。今回の調査の趣旨は、原子力発電所の重大事故を超えるレベルの過酷事故(過去の言い方では仮想事故)が起こった際の、測定、伝達、避難、緊急被曝医療等の防災計画に関する調査です。

2011-12-01 17:39:09
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

柏崎市では、原子力災害時の地域防災計画についてお伺いしました。測定及び通信に関して:放射性物質の測定は独自には行なわない、測定器(GM等)は県の機材が、市職員の活動時用に配備されている、ということでした。また、原子力災害発生時の連絡手段として、衛星携帯等が配備されていました。

2011-12-02 02:36:33
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

衛星携帯が配備されるきっかけとなったのは、2007年7月16日の中越沖地震の際、柏崎刈羽原発の通信機器を備えた「緊急時対策室」に入れなくなり、通信ができなかったことを踏まえて、とのこと。 緊急被曝医療に関しては県の担当で、業務としては担当していないとのこと。ヨウ素剤の備蓄はあり。

2011-12-02 02:42:01
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

このヨウ素剤についても、10キロ圏で、しかも限られた範囲の避難しか想定していない現状の計画(キーホール型など、風向を限定した想定)と、現実に福島で起こった、全周の避難が生じた場合の対応とでは全く異なってくること、具体的には緊急被曝医療チームが不足することが想定されるようです。

2011-12-02 02:49:05
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

今後の防災計画の改訂については、周辺自治体との協議や県の調整、国の方針待ちとのことだったが、被害の想定規模が全く異なっていたために見直しが必要との見方。10キロ圏外の市域への避難所の設定が、30キロ圏外へ避難区域の拡大によって全面的に見直しが必要となるだろう、との見通し。

2011-12-02 02:52:22
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

細かい点まで質問に答えていただいた。しかし、運転中の柏崎刈羽原発が、防災計画の改訂前に事故を起こしたらどうするのか?という問いには、今の計画で「対応」する、検討はしている、という趣旨のようだった。 私は、原発への賛否を問わず、事実を踏まえた計画を立ててから実施するのが筋だと思う。

2011-12-02 03:00:41
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

脱原発となった場合の市への影響等については、意外にも(柏崎市の人にとっては意外ではないのだろうが)、既に原発に依存しすぎない市政をめざし、産業誘致も進めている、現在の市長の方針とのことだった。相当数の東電、原発関係者がいるということは影響にはなりそうだが、これは私には意外だった。

2011-12-02 03:02:53
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

原発から恩恵を受けているはずの立地自治体ですら、東電福島原発事故の状況を見て、(また柏崎市は多くの避難民も受け入れたため、状況を体感した人も多い)、産業の長期的発展にはつながらず、むしろ財政状況も低迷する現状からも、原子力に対する諦観を既に得ているようだった。

2011-12-02 03:12:57
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

刈羽村への調査においても、測定、通信、緊急時被曝医療などの体制については、同様の回答であった。ただし、刈羽村において顕著な変化は、原子力災害で想定される被害のレベル別の従来の防災計画が、意味をなさなくなるという、相当に大きな変化だ。

2011-12-02 03:16:32
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

原子力安全委員会の提案が通れば、刈羽村は、村域のほとんどが原発から5キロ圏内の予防防護措置区域、PAZに含まれるためだ。したがって、従来想定されていた、屋内退避、コンクリート屋内退避、そして避難ということではなく、最初から30キロの緊急防護措置区域、UPZ外への避難が想定される。

2011-12-02 03:18:41
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

すると、村としては防災計画を立てようにも、完全に外部の自治体に依存し、調整に期待する、国が全面に出て欲しい、という欲求を示すしかない。そして、その相手は、刈羽村が手にしている膨大な電源立地推進関連の交付金には関係のない、遥か遠い自治体ということになる。これまでになかった問題だ。

2011-12-02 03:24:50
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

刈羽村内にあるコンクリート屋内退避施設や、ラピカ(温水プールつきの健康増進、文化施設)の豪華さを改めて確認しながら、東電の柏崎刈羽発電所に調査に伺った。

2011-12-02 03:26:13
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

東京電力柏崎刈羽発電所では、まず、メモ・録音について外部への公開をしないことを求められた。報告書に書く内容についても、事前に閲覧を申し込まれたので、了承した。もちろん、何を書くかは東電の指示事項ではないが、以降、東電への配慮として詳細な説明は省くとする。

2011-12-02 03:30:26
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

二点ほど、東電への調査で驚いたことは、緊急時被曝医療と、放射性物質による汚染に対する立場だ。東電の責任は、(原子力発電所)所内の安全確保に限られるとのことで、備蓄しているヨウ素剤も復旧要員のためのもの、また、柏崎市のガソリンスタンド等で放射性物質が検出された件も、管轄外とのこと。

2011-12-02 03:33:49
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

こちらとしては用意した質問項目のうち、発電所所内の防災、緊急対応体制についての説明しか受けられなかった形となった。もちろん、脱原発の場合の東電への影響、どれだけの利益が現在、柏崎刈羽原発から得られているか、等の項目についても回答はない。回答がないものは書きようがないが、残念だ。

2011-12-02 03:36:32
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

柏崎・刈羽への調査を通じ感じたのは、原子力開発が確実に終焉へ向かっているという感触だ。原子力が未来のエネルギー源たり得ないことは、原発推進スローガンがまるで見られない原子力立地自治体の現状に感じとれる。昭和期の原発への熱狂は失われて久しい。惰性が原発を動かしているようだ。

2011-12-02 03:46:15
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

もちろん、私個人は、原発が未来のエネルギー源たり得ないことは、当然の論理だと考えている。それは、仕事や利用可能エネルギーを取り出し、元の状態に戻るためのシステムの条件が、外部の環境に変化分に相当するエントロピーを排出することだからである。別に安全や危険という議論には関係がない。

2011-12-02 03:48:12
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

外部の環境にエントロピーを排出し、それがさらにその環境中で循環の上、地球外に排出される、この条件を満たさなければ、いかに膨大なエネルギーを発生させようが、所詮は出口のない汚染物質製造機、それが原子力の実態である。

2011-12-02 03:50:23
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

人間の生存条件を無視すれば、放射性物質もいずれは安定する。だが、人間の存在と相容れないエネルギー利用技術など、商業発電はもとより、道具としての科学技術たり得ない。意味をなすとすれば、格差によって、そのリスクを自分以外の人間に押し付けることができる、一部の人間にとってだけである。

2011-12-02 03:53:00