”単純に”面白くない？―ユーモアの面白さと道徳の関係を考える

云々 @0doroku

ユーモアがなにか道徳的でない要素を孕んでいたときに、「単純に面白くない」と道徳の外側から批判する人がいると思うけど、あれってズルくないか？

云々 @0doroku

このズルさは、それが“悪い”ユーモアである限りにおいて、それへの批評に道徳的な含みがどうあがいても内在してしまうことにより発生するズルさだろう。

云々 @0doroku

その含みをいくら退けようとしても、道徳はそれをものともせずついて回ってくるので、原理上“悪い”ユーモアに対して真正面から（ユーモアの尺度から）批評することはできなくなってしまうのね。

云々 @0doroku

しかし、このズルさは「面白くない」と批判する人のせいじゃなくて、あらゆる事柄にストーカーのようにつきまとってくる道徳のせいで発生するものだろう。このストーカーを利用する奴が多すぎるせいで、批判者がズルく見えてしまうのだ。

云々 @0doroku

ユーモアについてだけでなく、こういった構造はもう少し一般的な美でも起こりうることだろう。というか美に関してはもうほとんど道徳に飲み込まれてしまっているんじゃないか。その中でかろうじて生き残っている価値基準がユーモアなんだ、という気がする。

佐藤未悠 @miyou_satou

「単純に面白くない」は、本当は道徳感情の既存が面白く無さの原因なのに、それを隠蔽して「単純に（＝道徳的観点を抜きにして）」と言ってるところにズルさを感じるんだろう。 でも本当にある人にとって単純に（道徳的含み無く）面白くないユーモアがたまたま不道徳な場合もあるから難しい。 twitter.com/0doroku/status…

佐藤未悠 @miyou_satou

✕ 既存 ◯ 毀損

云々 @0doroku

@miyou_satou そうそう、まさにそうなんですよ。でも道徳があるせいで、実際のところ面白いのか、という話がもうできなくなってしまうところが迷惑なんです。

佐藤未悠 @miyou_satou

@0doroku 本当に単純に面白くない場合は感情の波風が無風なのに対して、道徳的含みがあって「本当に面白くない」と言う場合には内心で「本当は面白い」と「面白いと感じてはいけない」で綱引きになるんですよ。 小人プロレスを見たときの高部雨市氏もそういう緊張状態に合ったはず。 twitter.com/miyou_satou/st…

佐藤未悠 @miyou_satou

規制派に論理で批判するのも（相手に誤認や矛盾を気づかせる、という意味で）大切だけど、芸術によっても批判できないか? 例えば小人プロレスを「差別的だからやめろ!」と思っていたのに、いざ試合を見たら笑ってはならないと理性では思いつつ、滑稽な動きについ笑ってしまった高部雨市氏のように。 twitter.com/harukazechan/s…

2020-02-23 01:23:21

佐藤未悠 @miyou_satou

規制派に論理で批判するのも（相手に誤認や矛盾を気づかせる、という意味で）大切だけど、芸術によっても批判できないか? 例えば小人プロレスを「差別的だからやめろ!」と思っていたのに、いざ試合を見たら笑ってはならないと理性では思いつつ、滑稽な動きについ笑ってしまった高部雨市氏のように。 twitter.com/harukazechan/s…

春名風花🌸 @harukazechan

何でも規制すりゃいいって思ってる人は芸術に救われたことなんてないんだろうな

2020-02-22 23:00:12

佐藤未悠 @miyou_satou

@0doroku 北風と太陽的な状態が発生して、笑いと道徳の綱引きで笑いの側に引き込めればユーモアの勝ち、引き込めなければ道徳の勝ち。 道徳を無化しようとする芸人はこの勝負に勝つ必要がある。

云々 @0doroku

@miyou_satou 実際に起こっていることを分析するとそういうことになるんでしょうね。それで言うと「人を傷つけない笑い」とかいうのは、笑いの力を強くすることではなく道徳の力を弱めることで綱引きに勝とうとする戦略なんでしょうかね？

佐藤未悠 @miyou_satou

@0doroku たしかにそう言えそうです。 でも自分の道徳感情って常に自覚的なわけじゃなくて、道徳感情を逆なでするようなユーモアを見て抵抗感感じて（あ、自分ってこういうの見て抵抗感感じる道徳感情持ってたんだ）みたいに気付くことも多い。 自分の眠ってる道徳感情を起こされたくないとかもあるのかも。

云々 @0doroku

@miyou_satou 「道徳感情を起こされたくない」とかそういう気持ちが関与することも含めて、ちょっと道徳の力が強くなりすぎましたよね。「人を傷つけない笑い」でもないと笑いが綱引きで勝てなくなってる。

佐藤未悠 @miyou_satou

@0doroku いきなり強い道徳力と強いユーモア力の綱引きは負荷が大きすぎる。 だから始めは誰もが受け入れられる程度のごく小さな道徳力VSごく小さなユーモア力の綱引きでユーモアに勝たせる。 それが済んだら今度はもう少し強い道徳力VSもう少し強いユーモア力、それが済んだらもっと強い… これを繰り返す。

云々 @0doroku

@miyou_satou お笑いの理論として面白いけれど、それを実践したら炎上しそうだなぁ……笑

佐藤未悠 @miyou_satou

@0doroku 不道徳ユーモアインフレバトルw

顔アカウント @sitasimiyasui

@miyou_satou @0doroku その綱引き自体を別の力学から見て、やっぱり本当につまらないから道徳的にも批難されるという側面もあるんですよね。moralの内側と外側で起こっている綱引きなので、それが内側と外側のどっちで起こっているかの解釈を自由にできる。

佐藤未悠 @miyou_satou

@sitasimiyasui あ、「その綱引き自体を別の力学から見て、やっぱり本当につまらないから道徳的にも批難されるという側面もある」というのはそれとは別のことでしたか？

顔アカウント @sitasimiyasui

@miyou_satou 佐藤さんの言っている綱引きとは、何か不道徳な要素を含むユーモアや作品を見たときに「道徳的に悪い」と見做すか「でも面白い」と見做すかというような価値判断の葛藤のことと理解しましたが違いますか？対してこの話は、価値判断より後にある、どちらの価値判断が正しいかを巡る政治的闘争なのかと。