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小鼓の基礎知識

令和五年度はじめに投稿して、途中で中断してしまったものを一旦まとめました
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田邊恭資 @takimaturi

新年度ですし、小鼓の基礎知識をつぶやいて行きます。 まず、「コヅツミ」と読まれがちですが、 「コツヅミ」 が正解です。  また、鼓を演奏することを 「打つ」 と言います。 ドラムは叩く、鼓は打つ、と区別しています。 #小鼓 #和楽器 #能楽 pic.twitter.com/UtwgahEuxW

2023-04-08 11:37:36
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田邊恭資 @takimaturi

小鼓はこれらの部品からなります  左から ①鼓胴(鼓筒) ②革2枚 ③調べ緒 ④小締 ⑤締緒  演奏家自身が組み立てます。 #小鼓 #和楽器 #能楽 pic.twitter.com/U3sOfKrU7g

2023-04-08 19:56:42
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田邊恭資 @takimaturi

①胴は、桜の木をくり抜き、漆塗りで金蒔絵を施してあります。 外見は膨らみのあるフォルム。 対して、内径は中心に行くほど細くなっています。 中がお椀型に外型に沿っていたり、ストンとまっすぐ彫られていると、ほぼ鳴りません。 #小鼓 #和楽器 #能楽 pic.twitter.com/ktdlDnY2hv

2023-04-09 20:53:55
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田邊恭資 @takimaturi

①胴 続き 内側には様々な彫り目、刻みがありこれを「カンナ目」と言います。 音色に関係があるか微妙な場合もありますが、仕事に手間を惜しまず、独自の作品を目指した作者達の姿勢があらわれているようです。 (4枚目の写真は現代の機械彫。これはこれで革次第で鳴ります) #小鼓 #和楽器 #能楽 pic.twitter.com/8vGycmjO8i

2023-04-11 07:15:07
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田邊恭資 @takimaturi

①胴 続々 1枚目は瓢箪の蒔絵。 「実がなる」と「音が鳴る」を掛けたダジャレ。 2枚目は神楽鈴蒔絵。 三番叟が鈴之段で振っているアレです。 近代以前の絵には、ただキレイなだけでなく何かのメッセージが込められているので、どうして鼓胴にこの絵を付けたのか、想像すると楽しいですよ。 pic.twitter.com/JuB2C1BF0c

2023-04-14 13:34:04
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田邊恭資 @takimaturi

②革 日本の伝統的な鼓類は、ほぼすべて2枚革です。 丼型に張ったような、一枚革のものはありません。 厚い方が表革(打つ方)、薄いのが裏革です。 これが同じ厚さだと、共鳴せず響きは止まってしまいます。 材質は馬の皮で、鉄の輪っかに張って縫い留めてあります。 #小鼓 #和楽器 #能楽 pic.twitter.com/BT1IfGI3Ru

2023-04-19 11:26:50
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田邊恭資 @takimaturi

②革の続き 小鼓革には漆で修飾がしてあります。 調べ緒を通す穴の周りは「花形」、これは縫い目を保護するため。 大鼓は縫いっぱなしなので、見比べるとよく分かります。 花形、またその周りの縫い目(千綴じ)は革ごとに違い、詳しい人なら見ただけで手掛けた職人が分かるようです。 #小鼓 #和楽器 pic.twitter.com/LWaXXLGmry

2023-04-23 16:55:05
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田邊恭資 @takimaturi

③調べ緒 麻を染め、縒った紐です。 朱色で、作り手やグレードにより質感も色味も違います。 化繊(写真3枚目)もありますが、強すぎて手が傷むような気がします。 長く、片方の端が閉じているのが、革の穴に通す「縦調べ」。 両端が房状なのが、鼓を取り巻くように掛ける「横調べ」です。 #小鼓 pic.twitter.com/00Q6qu8zn3

2023-05-03 13:18:38
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田邊恭資 @takimaturi

調べ緒の続き 実は特注で色を選べます。 左は薄染めで、真ん中と染料自体は変わらないそうです。 右は古物で買った鼓の付属品。 何用なのか…でもなかなか上質でした。 小鼓は左手で音色を操るので、調べ緒の質が演奏に直結します。 「日本の芸能を支える技」 本当にそうです。 #小鼓 #和楽器 #能楽 pic.twitter.com/4WWk7TGNUu

2023-05-03 14:24:33
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小鼓の基礎知識まとめ