呼吸は意識と無意識をつなぐ
1] 演奏家、とくに歌手は演奏にあたって、ある感情を呼び起こすことが必要である。多くの場合歌詞によって規定される、喜び、悲しみ、驚き、恐れ、満足などの感情を心に呼び起こす必要がある。
2011-12-10 07:04:402] もちろんテクニック的に感情表現をすることが可能かもしれないが、一番確実なのは、歌っている自分の心のなかに感情を呼び起こすことである。
2011-12-10 07:07:193] 感情を呼び起こすことができれば、自然に必要な表現法が出てくる。感情をいちいちテクニックに分解する必要もほとんどないだろう。
2011-12-10 07:10:365] ところが感情を出せといっても、それは簡単なことではない。「感情をこめて歌いなさい」と先生に言われて、すぐに感情を込めて歌えるぐらいなら、苦労しない。
2011-12-10 07:14:508] 私の経験では、感情を呼び起こす方法、その鍵は「呼吸」にあると思っている。喜びにしろ悲しみにしろ、、その気持ちと一緒に呼吸を数回すれば、すっかりその気分になれる。またはそのように訓練する。
2011-12-10 07:20:4511] なぜこのようなことが可能なのか考えているのだが、おそらく呼吸というのが意識と無意識にまたがって、両者をつなぐものだからと思う。
2011-12-10 07:26:1612] 呼吸はふだんは全く意識していない。無意識の運動。でも意識的に息を吸ったり吐いたりすることも可能。息を吸う時間、止める時間、吐く時間ひゃ自由に調整できる。
2011-12-10 07:28:4714] それで、感情というのは、ふつうは無意識に湧き起こるものだから、意識では制御しにくいのだが、両方の領域にまたがる呼吸を通せばコントロールできるのではないかと考える。
2011-12-10 07:32:2115] さて、具体的に呼吸を使って感情を呼び起こす方法だが、これはいたって単純。ある曲を歌うために「喜び」の感情が必要なら、「うれしい!」「やったー!」とかの言葉を心に繰り返しながら深い呼吸を数回するだけでいい。ほんとうに嬉しくなってくる。
2011-12-10 07:36:4317] もうお気づきの方もいらっしゃると思うが、歌を歌うときには息をしなければならないので、その息を感情に結びつければ非常に好都合である。
2011-12-10 07:40:1018] 私の場合は、音楽の前奏や間奏の間に、感情を呼び起こす息を2,3回やっておいて、感情を出し、その延長で最後に吸って、その 空気を使って声を出すのだ。
2011-12-10 07:42:2019] ここでは喜びを例に取ったが、悲しみでも、激怒でも、絶望でも何でもできる。「ああ好きだ!」と息をすれば愛の表現になる。
2011-12-10 07:44:4020] 歌におけるブレスというのは、物理的に音を出すための空気の補給というのを超えて、次に歌うフレーズの感情や、エネルギーを補給する行為と思っている。
2011-12-10 07:47:1521] だから無機的にブレスをしてはいけない。次のフレーズを映し出して、次のフレーズと等価の息をしなくてはならない。それができればそのフレーズの成功は保証される。
2011-12-10 07:49:4722] 歌を歌うときに感情を呼び起こす必要があり、そのためには呼吸をつかうのが良い。その具体的な方法についての連ツイでした。お付き合い有難うございます。
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