Junji Yamada
@JunjiYamada
「ぬぐ絵画」の中で興味深かったのは、工部美術学校の生徒によるデッサンと安井曾太郎のデッサンを比較することができたこと。工部美術学校の生徒は、線を主体に形を描き、輪郭の中のコンテの調子を擦筆で擦って滑らかな階調をつくっている。安井は木炭を使ってガシガシ描いている。
2011-12-14 22:25:27
Junji Yamada
@JunjiYamada
この二つのデッサンの違いは、お手本としたものの違い、工部美術学校の頃のものは、新古典主義的な理想化されたつるつるの表面の絵画を、安井の頃は、印象派的なありのままを描く絵画をお手本としたためと思われる。そして、この安井以降のデッサンの方法を今でも日本の美術系の学校では行っている。
2011-12-14 22:27:10
Junji Yamada
@JunjiYamada
つまり、安井以降現代までの日本の美術系の学校(特に油絵)では、理想化の表現ではなく、まずはありのままの姿を写すことを基礎としてるんですね。。。
2011-12-14 22:28:09
Junji Yamada
@JunjiYamada
ただ、美術系の学校で裸体を描くとなると、ありのままを写すことを基礎としているとはいえ、モデルのポージングは、ドガやロートレックのような日常を覗いたようなものではなく、古代彫刻のようなものが多かったり、エロティックなものではないという暗黙の了解があることが興味深い。
2011-12-14 22:29:55
Junji Yamada
@JunjiYamada
黒田の頃の油絵は、ポーズや状況に非現実性を求められたのに対して、日本画ではそういったポーズのものが少なく、日常的な情景の中の裸体表現が、当時から描かれていたことは、その写実性の差によるものなのかなと思う。写実的に日常の裸体を描くことはタブーとされたということかと。
2011-12-14 22:32:36
Junji Yamada
@JunjiYamada
裸体の表現に関しては、つくづく、理想的な人体造形の表現と、現実的な身体表現の間のせめぎ合いなんだなと思う。そして造形における理想と現実の関係に、自身の身体やエロティックなことへの興味とかが絡んでくるので、なかなか一筋縄ではいかないテーマなんだなと思う。
2011-12-14 22:33:33