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銀狼 @Nate_Mito
それでは少々、お目汚しを。即興ですので細かい点には目をつむっていただけると幸いですわ
銀狼 @Nate_Mito
最初は何気ない一言からでした。「ふと思ったので御座るが」教室でのいつもの一幕。発端となるその言葉を発したのは二代でした。「どうしました?」智が問います。「いや、大した事ではないので御座るが……」
銀狼 @Nate_Mito
「ふふ、何をもったいぶっているのうっかり侍。焦らしプレイ?」いつもの喜美ですが慣れてきたのでしょう、二代はスルーします。そして僅かに視線をさまよわせた後、一点に定め、ためらいがちに、「拙者、点蔵殿の顔を見た事がないので御座るが」約全員が凍りつきました。
銀狼 @Nate_Mito
「ちょっ――二代ー!?」「な、なんで御座るか!?拙者素朴な疑問を申しただけに御座るが!?」「世の中には言っていい事といけない事があるんです!」「失言に御座るか!?」「もしここが公式の場だったら謝罪会見だな」正純が言うと冗談に聞こえません。いえ、冗談じゃないんでしょうかこれ。
銀狼 @Nate_Mito
「そうよ二代。誰にも触れられたくない部分はあるの。私は別に今のままでまったく構わないわ」マルガが頷きます。「お陰でペン入れが楽」「身内を同人ネタにするのやめようよ……」ハイディが言いますが、「次の本、○べ屋にお願いしようかしら」「先生新刊まだですか!」扱い方をよく知っています。
銀狼 @Nate_Mito
「あのさ、皆」そこで東が手を上げました。「余も見たことないんだけど」……この言葉を皮切りに口々に続きます。「私も見たことないです」「拙僧も知らんな」「僕もだね!」『何、男には謎の一つや二つ付き物である』「ネンジは存在そのものが若干謎さね……」
銀狼 @Nate_Mito
「テンゾー小等部んときから顔隠してたよな。まさか全域忍びな大罪武装か!?いや忍びの感情とかいらねえなあ!俺は常にオープンでカモーンだぜ!」「馬鹿だなあ!彼は顔を晒せない理由があるんだよ!帽子とスカーフで封印しておかないと暗黒忍者の血が暴走するんだよね!」口を挟む余裕がありません。
銀狼 @Nate_Mito
「風呂でも帽子とスカーフを外さないな」ぼそりとノリキが呟きます。「……ええとつまり」ここでようやく私が言葉を発することができました。「誰も、素顔を見た事がない……?」「……」沈黙が肯定として帰ってきました。
銀狼 @Nate_Mito
約全員の視線が一点に集中する中、「……さて」静かに彼は立ち上がりました。「それじゃあ自分、麻ジャンプ買いに行ってくるで御座るからこれにて」親指を立て颯爽と逃げ出そうとしますが、「ちょっと待てえええええ!!」そうは問屋が卸しません。
銀狼 @Nate_Mito
「なあテンゾー、俺たちマブダチだよな?どれくらい友人かって言うと、俺の代わりに新作エロゲの発売日に深夜待機してくれるくらいには友情度高いよな?」「それただのパシリに御座るよ!自分いいように使われてるで御座る!」「おいおい――いつものことだろ?」「否定できないで御座る……!」
銀狼 @Nate_Mito
「いいじゃねえか見せろよ減るもんじゃなし」「その言葉を自分が言われる日が来るとは思わなかったで御座るよ!」「駄目よ愚弟。そんな事したら忍者の忍び属性が減るじゃない。それで保ってるんだからキャラまで薄くなるわよ。最悪消滅するわ」「でも存在感はアップするから相殺してチャラですよね」
銀狼 @Nate_Mito
「まあ待て皆。落ち着け」「正純殿……!」「大丈夫だ。政治家は万人の味方だからな」正純は微笑み、「はーいそれじゃあ――クロスユナイト君の顔見たい人ー」約全員が手を挙げました。「民主主義って素晴らしいな!」「歴史再現的に言っていいで御座るかそれ!?」
銀狼 @Nate_Mito
「これは議会政治における決定事項だ!第二特務、執行!」「悪く思うな、政治だ、政治が全て悪い」「全然そうは思ってないで御座るなあ!?」突撃捕縛を仕掛ける半竜をしかし忍者は身を翻し回避します。この男、存在感が忍んでいてもパシリ属性でもアニメでも出番忍びでも一応第一特務です。
銀狼 @Nate_Mito
しかし正純も頭だけは回ります。「逃がすな!浅間!」「ハナミ、結界お願い!教室を封鎖します!」『拍手――!』この巫女、対妖物用封じ用の結界術式まで持ち出しました。これで袋の鼠です。いくら遁走が得意な忍者でも智のマジ結界が張られた逃げられるものではありません。
銀狼 @Nate_Mito
「さあ神妙に縛に着け!」「ごめんねー。本当はナイちゃんも嫌なんだけど、ほら全部セージュンが悪いから。ナイちゃん悪くない、悪くない」「そうねマルゴット、政治家って本当に卑怯よね」「お前ら最悪だなあ!?」いつもの事ですから白黒魔術スルーです。
銀狼 @Nate_Mito
既に逃げ場のない忍者を皆が取り囲みます。ですが、「あまり忍者を舐めない方がいいで御座るよ……!」そう言うや否や踵を返し、教室の前面へと一息に駆け、「秘技・壁抜けの術――!」ぼごっ、という間の抜けた音と共に壁に穴が開き忍者は隣教室へ。突然の事に驚いた三要先生の悲鳴が聞こえます。
銀狼 @Nate_Mito
「何ー!?」と皆が驚く中、一人総長だけが指を刺します。「あー!それ俺の穴だぞう!通行料払えよ!つか直しとけって言ったじゃん!」そう、それは以前総長が吹っ飛んでいって開けた穴でした(アニメ二話参照)「手抜き工事……!」
銀狼 @Nate_Mito
「忍者に忍び工作の機会を与えた事が間違いで御座ったな!ではさらばっ!」慌ててマルゴットが撃ちますが(まったく手加減がない本気撃ちでした)穴は狭く智の術式で確定された壁に遮蔽されています。翻ったスカーフの先をかすめ、隣教室の壁に穴を穿つだけに終わりました。
銀狼 @Nate_Mito
「追え!逃がすなー!」正純の扇動で皆がどかどかと教室から出て行く中、一人座したまま動かない者がいました。シロジロです。「どうしたよシロ。分かってるけど」「金にならん。時は金なりだ。つまり点蔵を追うのは金の無駄だ」そう、これはそういう男です。
銀狼 @Nate_Mito
しかしぼそりと正純が、「スクープで週刊誌に高く売れるかもな。何せ武蔵の第一特務である忍者の素顔だ。国家機密と言ってもいい」「待て、そこを動くな私の金!」守銭奴の扱い方がよく分かっています。この政治家、実に悪代官向きです。
銀狼 @Nate_Mito
もしそうなったら懲らしめてやりましょうなどと思いつつ私も加勢に参ろうと教室を出ようとしたとき、気付きます。最後にもう一人教室に残る者がいました。「鈴?」「わ、私は、おるす、ばん、してる、から」……彼女は目が見えません。普段歩く程度なら問題ないですが鬼ごっことなると危険でしょう。
銀狼 @Nate_Mito
「……それでは鈴、本丸はお任せしましたわ。大丈夫です。敵の首級は挙げて参りますから」「危ないこと、しないで、ね……?」私は頷き笑みを返しました。「おーいネイトー!猟犬の出番だぜー!」「それ別の方です、って犬じゃありませんわー!」そして私は教室を鈴に任せ、皆の元へと行きました。
銀狼 @Nate_Mito
「……もう、だいじょう、ぶ、かな……?」
銀狼 @Nate_Mito
「いや、すまんで御座るなあ鈴殿。お陰で命拾いしたで御座るよ」壁紙がべろりとめくれ、忍者が姿を現します。隣の教室から逃げる振りをして、もう一つあった穴から教室へと忍び戻り隠れていたのでした。「これ鈴殿には通じないで御座るからなあ。壁穴の件も、黙っていてくれてかたじけないで御座る」
銀狼 @Nate_Mito
外の喧騒とは逆に静かになった教室、忍者は疲れた溜め息を一つつき、ふと顔を上げます。「しかし鈴殿、どうしてかばってくれたので御座るか?」その問いに鈴は少し迷うような揺れを見せた後、ためらいがちに忍者に近付き、小さな声で内緒話をするように言いました。
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