灰羽連盟とグノーシス-神の王国は汝らの間にあり…-

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タト @Leethoo_Tat

マンダ文献曰く、生命は世界の中へ、光は闇の中へ、魂は肉体の中へ「投げ入れられている」。私に加えられた暴力、私を問答無用に私が現在いる場所に置き、現在そうである私にする暴力。また私が作ったわけでもなく、私が従うべき法とは別の法を持つ世界に、私を見出すという受動性。

2011-12-21 23:22:14
タト @Leethoo_Tat

この「投げ入れられている」というイメージは、そのような仕方で始められた実存の全体に、力動的なものという性質を付与している。この性質はある目標ないし結末に向かって「急ぐ」、「過ぎ去り行く」、「旅行く」というイメージで受け取られている。

2011-12-21 23:25:49
タト @Leethoo_Tat

この「過ぎ去り行く者となること」が、イエスと同様に孤独者として立ち、「開示真実」=〈グノーシス〉を得た覚醒者の歩むべき道となる。曰く、「イエスは言っていないか、「自己自身を見出す者に、この世は相応しくない」と」(トマスによる福音書§111)

2011-12-21 23:33:31
タト @Leethoo_Tat

イエスが言った、「心の中で迫害された人たちは、幸いである。彼らは、父を真実に知った人たちである。飢えている人たちは幸いである。欲する者の腹は満たされるであろう。」トマスによる福音書§69

2011-12-21 23:38:44
タト @Leethoo_Tat

イエスが言った、「過ぎ去り行く者(旅行く者)となりなさい」(トマスによる福音書§42)覚醒者は欠乏状態から充満するものとなり、世俗を捨てて「王国」へと旅立つ。『灰羽連盟』のクウの旅立ちについての描写は実に見事なものであった。

2011-12-21 23:43:10