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「天才的なアイドル様」ってホントなら歌詞としては結構ダメっぽくて(音数を合わせるために「アイドル様」というほとんど使われてない日本語をねじ込んでいる)、他にも「誰もが信じ崇めてる」とか、あの歌は日本語としては奇妙なコロケーションに溢れていて、早い話が全然美文ではなくて、
2024-02-12 23:56:47にもかかわらずそういう歌詞特有のむず痒さみたいなのは全くなくて、むしろその奇妙なバランスの上に成り立つ独特の美が聴く人に言い知れぬ恍惚を感じさせるんですよね。
2024-02-12 23:56:47自分だったらあんな歌詞は書けないし、それどころかあの曲を聴くまでの自分ならそれを不遜にも「自分だったらあんな歌詞は書かない」と言っていたと思う。
2024-02-13 00:02:48「美文ではなくて」で誤解を与えてしまったかもしれないけど、口語調で砕けた日本語だから美しくないみたいな話ではなくて、文語的な表現と口語的な表現がアンバランスに混在しているという話。
2024-02-13 14:00:11「誰もが信じ崇めてる」では、文語的で格調高い語「崇める」が、唐突に、しかし恰もごく一般的な言葉のように、登場する。まるで「信じ崇める」という複合動詞でもあるかのように、印象的なはずの「崇める」は敢えて「立て」られず、そして「崇める」ではなく「崇めてる」によって口語的に閉じられる。
2024-02-13 14:08:53「アイドル様」も、皮肉の意図がこもってるってのはもちろんわかるんだけど、「ねじ込んでいる」というのが大事で、「天才的なアイドル様」では、皮肉のための即席の造語が、「皮肉のための即席の造語がふつう出てこないような位置」に置かれていて、
2024-02-13 14:16:10そのために「2音伸ばしつつあ段で脚韻を踏むために『様』をこじつけて付け足した」みたいに(あくまで直観的には)聴こえる。
2024-02-13 14:19:08あくまで個人の感性だけど、「アイドル様」みたいな皮肉のための即席の造語は、 ① AメロやBメロで、普通のテンションで登場する ② サビで、「天才的な」みたいな限定表現をつけずに、めっちゃ「立て」られて登場する
2024-02-13 14:33:13③ 初出は①②のどちらにも当てはまらないが、歌詞中に何度も繰り返し登場し、その曲のキーワードであることを印象付ける のどれかが多いんだけど、「アイドル様」は最初のラップパートのラストに一回だけ登場するからすごく浮いてる。
2024-02-13 14:35:32ちなみに附記しておくと『夜に駆ける』にも『ハルジオン』にもこれはほとんど感じなくて、普通に詩的な言葉がストレートに美しい配列で並んでると思います。あくまで『アイドル』特有だと思います。
2024-02-13 14:56:22こう言うポストを見るとアート的な考え方では表現方法を文学的に正しいとされる所からズラして来てる点でアリなんだと思うよね。 まずバズらせる議論を沸かせた時点で大成功。てか売れてる時点で既に大成功だから細かい所はどうでも良いと思う。 アート思考を学びだすといろいろな角度で見えて面白い。 x.com/amapichannel/s…
2024-02-13 20:43:53面白いなぁ。 和歌の時代から連綿と受け継がれる日本語の自由な使い方が今もまだ新しい日本語を生み出し続けているっていうのがホントに面白い x.com/amapichannel/s…
2024-02-13 16:23:12面白い考察でした(*´-`) Reの中にもありましたが 『金輪際』というようなネガのイメージが強い 言葉を効果的に使う事で、歌中のアイドルが 『魑魅魍魎が跋扈する業界で、敵をねじ伏せながら名を上げる怪物』 という印象を与えるようにしたのかな?? と感じております。 x.com/amapichannel/s…
2024-02-13 16:43:23音と韻
これは分野横断的な知識がないと理解できないと思うのでコメントすると、作詞はソノリティや円唇性などに支配されているから、古典詩や小説的なコロケーションから逸脱するわけです。拍数ではなく「様」でアゲるから母音が a に限定されるわけですね。 x.com/amapichannel/s…
2024-02-13 14:50:50「…無い無い無い、好きなタイプは…」のところで ai ai ai を反復しているのは、例えば平沢進の「ヤイヤイと人人人の目が…」のように円唇性でキレを出しているわけですね。ゾンビランドサガOP『徒花ネクロマンシー』は母音と子音が巧みにコントロールされていて参考になると思います。
2024-02-13 14:56:12『アイドル』は(ラップガチ勢からは叩かれているが)ラップパートがあるうえ、かすかにトラップビート風のハイハットを重ねたりしているように、曲全体にラップの雰囲気を纏わせようとする意図が見えるから、YOASOBIの中でもこの特徴が強く出るのだと思います。
2024-02-13 15:01:59x.com/cicada3301_kig… 韻はそうなんですけど、冒頭のラップパートは-iaで脚韻を踏んでいて、特に4行目は-ia-iiaなので最後も-(i)iaで踏むか、あるいは「天才的なアイ」の-ai -aaiから-(a)aiで踏むべきところを「アイドル様」なのはやっぱセンスだと思うんですよね。
2024-02-13 16:24:47「誰もが信じ崇めてる」も、たぶん「誰もが神と崇めてる」の方が、構文も、聞こえ度も円唇性も「誰もが目を奪われてく」に「揃う」んですけど、あえてそうせずに、「ズラす」。
2024-02-13 16:49:02わいはYOASOBIさんの歌詞は完全に日本語ラップだと思ってるから、この考察は興味深い。 x.com/amapichannel/s…
2024-02-13 21:30:35ボカロ
私は当初YOASOBIさんをVOCALOID作曲グループだと思っていたので、違和感なかったなぁと回顧。 界隈的に言えば“音鳴りの良い歌詞を付けるなぁ”という感じ。 VOCALOIDは経緯的に“歌う”より“鳴らす”使われ方をするので。 x.com/amapichannel/s…
2024-02-13 12:44:43