縄文時代6000年前の奈良盆地

大和湖と呼ばれる広大な水面に覆われていたとする説がありますが、それは地質学的証拠に基づかないお話です。
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新之介 @jusojin

大阪高低差学会と関西高低差大学の代表。著書:『地形散歩のすすめ(学芸出版社)』『京阪神凸凹地図(昭文社)』『京阪神スリバチの達人(昭文社)』『ぶらり大阪「高低差」地形さんぽ(140B)』など。大阪高低差学会古墳部管理人。ブラタモリにも出てました。

atamatote.blog119.fc2.com/blog-entry-518…

新之介 @jusojin

京都盆地と奈良盆地は湖だったのか?「奈良盆地には、万葉集が詠まれた時代に湖があったのですか?」という質問のお答えをnoteに整理しました。よろしければ。note.com/jusojin/n/n683… #関西高低差大学 pic.twitter.com/juiH3x0Xfb

2024-02-18 07:38:08
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早川由紀夫 @HayakawaYukio

飛鳥時代にはなかったが、縄文時代の6000年前には奈良盆地に大きな湖があったという。水面の高さは標高70メートル付近だったという。その時代の湖底堆積物がみつかっているのだろうか?堆積物断面を見れば水底か空底かは比較的簡単にわかる。 twitter.com/jusojin/status…

2024-02-18 16:04:08
地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

奈良盆地の縄文時代の湖沼化という話あり。 池田・大橋(1997)の指摘のように「奈良盆地が更新世以降において湛水し湖沼化したという事実は認められない」ものと認識しておりました。 不勉強なため、完新統湖沼成堆積物の分布に基づいた論文などをご存知の方がおいででしたらご教示ください。

2024-02-18 19:43:28
地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

奈良盆地の湖の話、カタカナ系の方が40年前の書籍をもとに、堆積物の層相や分布に拠らず、地図ツールで大胆にも綺麗なお絵描きをしてしまったか。 古地理図は堆積物の年代、分布、堆積環境、また構造運動がわからないと書けません。 声が小さな地形、地質系の本職の方々は声を上げたほうがいいなあ。 twitter.com/jibansaigai/st…

2024-02-19 07:53:28
早川由紀夫 @HayakawaYukio

地質学では、過去にあった湖を、水底にたまった粘土/砂互層で証明する。たとえば浅間山の北側に、25万年前から17万年前までの8万年間だけ大きな湖が存在した。湖底堆積物の間に鳥浜火山灰と空沢軽石と石津原軽石を挟む。湖の水面は現在の標高920メートル付近にあった。 pic.twitter.com/7Lwv3nG5cb

2024-02-19 08:47:43
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早川由紀夫 @HayakawaYukio

湖底堆積物は、嬬恋村高羽根沢と長野原町応桑、そして吾妻川沿いで確認できる。これは高羽根沢の露出。 pic.twitter.com/wNbELD4XHd

2024-02-19 08:48:21
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早川由紀夫 @HayakawaYukio

40年前の書籍にある標高70メートルを、いまどきのツール(カシミール3D)で描画しただけで、縄文時代の湖底堆積物を奈良盆地でみつけたわけではない。事実に基づかないお話だと切り捨ててよさそうです。 twitter.com/HayakawaYukio/…

2024-02-19 09:10:06
地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

奈良盆地南部の5万分の1地質図幅「桜井地域の地質」では湖沼成堆積物の記載なし 氾濫源,谷底平野及び扇状地堆積物 数万年以内の時期に,盆地内を流れる河川によって広範囲に砂礫が供給され,その後比較的細粒な堆積物が供給されながら完新統の時期を経過し今日に至っているものと考えられる. twitter.com/jibansaigai/st…

2024-02-19 09:33:10
地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

出典:地域地質研究報告 5 万分の1 地質図幅 桜井地域の地質 西岡ほか(2001) gsj.jp/data/50KGM/PDF…

2024-02-19 09:33:10
地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

奈良盆地北部の5万分の1地質図幅「奈良地域の地質」でも湖沼成堆積物の記載なし。基本的には氾濫原~河川成か。 全体の傾向として,盆地の中央に位置する低地では,厚さ最大10m程度の砂礫主体の地層が(略)堆積している.さらに,その上位には完新統へと移行する厚さ10-15mの氾濫原堆積物が覆う. twitter.com/jibansaigai/st…

2024-02-19 09:37:24
地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

出典:地域地質研究報告 5 万分の1地質図幅 奈良地域の地質 尾崎ほか(2000) gsj.jp/data/50KGM/PDF…

2024-02-19 09:37:24
早川由紀夫 @HayakawaYukio

(このように2文に分ければ、誤読される心配なかった) 40年前の書籍にある標高70メートルを、いまどきのツール(カシミール3D)で描画しただけ。縄文時代の湖底堆積物を奈良盆地でみつけたわけではない。事実に基づかないお話だと切り捨ててよさそうです。 twitter.com/HayakawaYukio/…

2024-02-19 09:49:40
地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

非常に綺麗な図で伸びていますが、縄文時代(完新世)の奈良盆地に、広大な湖沼でできた地層は発見されていないようです(地質図幅などより)。 古地理図は地層ができた環境や分布、時代等を明確にする必要あり。想像図としては面白い範疇ですが、「伸び投稿=定説化」しないように要注意。

2024-02-19 11:57:07
地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

奈良盆地の縄文時代の地層は、氾濫原(川の流域で洪水時に水につかる低い土地)のものが多いようで、低湿地のような環境はあったか。 趣味の方々にはあまり口は出さないようにしていますが、今後ニュースなどで取り上げられると定説のようになって独り歩きしてしまうので、注意喚起を含めて念のため。

2024-02-19 11:57:07
地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

ある地域の古地理図作成の例。 野外踏査やボーリング調査で地層を観察、地形面や火山灰層などで地層の年代を特定し、地層の分布から堆積環境の変遷、堆積過程、隆起・沈降や想定される世界的な氷河性海水準変動を考慮して作成していく手順が必要です。「なんとなく」描いているものではありません。 pic.twitter.com/HY0eAXsZAt

2024-02-19 12:19:37
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地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

なお、奈良盆地における広範な地域で、実際の踏査で完新世の湖沼成堆積物が発見されているようなことがありましたら、投稿を訂正しますのでご教示ください。

2024-02-19 12:25:38
いしい。 @yois1974

@jibansaigai 奈良盆地の土地勘や地層勘があまりないのですが、KG-NET・関西圏地盤研究会による「新関西地質 奈良盆地 2018」の口絵の、縄文時代から飛鳥時代の各時代の遺跡の標高別分布図では、いずれの時代も標高30~40mにも遺跡がありますね。

2024-02-19 13:03:26
いしい。 @yois1974

@jibansaigai 奈良盆地は完新世の地層の発達があまりよくないので難しいところですが、「新関西地質 奈良盆地 2018」の口絵をみた限りでは、広い湖があったことを示す地層は分布していなさそうです。

2024-02-19 13:14:09
いしい。 @yois1974

@jibansaigai 遺跡の分布高度からも、標高70mに水面を想定するのに無理があるのではないかと思います。お試しで作った図が一人歩きしてしまうので、SNSこわいです。

2024-02-19 13:19:06
いしい。 @yois1974

@jibansaigai 口絵 → 口絵の地質断面図 ですね。

2024-02-19 13:23:41
地盤災害ドクター横山芳春@住宅の災害リスクの専門家 @jibansaigai

@yois1974 ご教示ありがとうござます。勉強になりました。 遺跡の分布高度だけでもキツかったですが(農耕もない時期なら進んで氾濫原に居住地を作らないでしょうし)、堆積物の根拠などなく描かれたお絵描きがスッと賞賛されてしまうのは、仰る通り怖いです・・・

2024-02-19 13:29:22
いしい。 @yois1974

大阪・奈良・京都の大阪層群の時代の古地理図ですが、海成粘土層の分布で描いている海域の分布図はよいとして、「古大阪湖」と表現してしまうのは正しくないと思います。堆積盆地であるのは間違いないですが、広い湖水域があったわけでは無さそう(昔の文献の図の一人歩きこわい)。

2024-02-19 13:32:04