過去にSNSで話題となった、東京藝術大学で病んでしまった2人の卒業生による学生生活の振り返り。個人的備忘録。

東京藝術大学は本当に病むところなのか、大学は今回守りに来たのか、アートや学生生活とは何か。今回改めて再確認。
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個人的備忘録 @Matome2401

東京藝術大学の卒展の注意事項が話題になった。東京藝大といえば学生が病んでしまいがちなイメージだが、こんな行為が芸術系の学生を病ませる理由になるのか。もともと病みやすいのか。病んで卒業した人の発信を、個人的な備忘録として2人の事例を個人の特定をされない形で残しておこうと思う。 pic.twitter.com/LPPzcwHdgU

2024-02-02 15:58:06
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個人的備忘録 @Matome2401

①1人目 男性 今から四年前、私は人生で一枚も油絵を描かずに東京藝術大学油画研究室に入学しました。とても嬉しかったです。所謂Fランクと呼ばれる美術大学に通っていた私が、あの藝大に入れたのです。本当に奇跡でした。繁大を目指した理由は色々ありました。憧れの先輩を追いかけるため、

2024-02-02 15:58:07
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どうしても入学して自をつけたかったため、自分のステータスを高めるため、もっと色々な作品を作りたかったため、周囲のやる気のない学生たちを見返すため…。元々ドキュメンタリーや自身のパフォーマンスの映像作品制作を主としてきた私は、美術予備校に長く通っていたわけでもないので、

2024-02-02 15:58:07
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デッサンが殆どできませんでした。 そのうえ美術史にも一切興味がなかったので、入学してからは同級生と話を合わせるのが大変でした。 挙げ句「お前、間違って藝大入ったんじゃない?」と言われました。

2024-02-02 15:58:07
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元々藝大生というのは私にとって3DCGのような存在で、「本当にいるのかな?」と思うような憧れの塊でした。入学前に藝大の学生証を見せてもらって鳥肌が立ったことを覚えています。

2024-02-02 15:58:08
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しかしどうでしょう、実際の藝大生の姿は。 「他校から藝大の院に入ってきた生徒は大生と認めない」と豪語する者。 せっかくのデッサン力を生かさずにペットボトルやゴミばかり集めて何かを作る者。 藝大生はゴミが好きなんだなと思いました。

2024-02-02 15:58:08
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真っ白のキャンバスに「無題」とタイトルを付けて展示する者。 作品を全く作らず、他人の作品の悪口を言う外国人留学生。 藝大の右も左もわからない私に黒い噂や陰口を延々と教え込むちゃらんぽらんとした先輩。 講評に現れない教授。 悪夢のような踊りの映像を作品だと見せつける女。

2024-02-02 15:58:08
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ホームレスの私物を盗む男。 かれらはみな共通して裕福で、実家から多額の仕送りを受けながら学生生活を謳歌していました。 作品をほとんど作らずに、飲み会ばかり開いて。 「藝大生」というものはとてもレベルが高く、お互いを高めあっている筈では? 藝大に違和感を感じ始めたのはこの頃でした。

2024-02-02 15:58:09
個人的備忘録 @Matome2401

もしかして私は「異物」なのではないかと。 正直、まわりの藝大生が作る作品がほとんど理解できませんでした。 何故みなゴミ集めをするのでしょうか?

2024-02-02 15:58:09
個人的備忘録 @Matome2401

絵がかけない私からすると、せっかくのデッサンカを生かさずに意味不明な作品を作る理由が分かりません。 教授も生徒に興味があるのかないのかわからない様子で見守っているので、何が正しいのかわからなくなりました。 私はアーティストなのでしょうか?

2024-02-02 15:58:10
個人的備忘録 @Matome2401

「お前は間違って藝大に入ったんじゃないの?」という言葉がこだまします。とにかく飲み会は沢山開かれるので全て参加しました。その度誰かの悪口大会が始まります。私は作品の善し悪しがわかりません。

2024-02-02 15:58:10
個人的備忘録 @Matome2401

ただ一つ言えることは「これを高校生が見て理解できるのだろうか」といった作品ばかりだったということです。ベロベロに酔っ払いながらアメ横を歩いているとホームレスに絡まれました。 なんとなく会話が成立する感じがほっとしました。 この人は別に人の悪口を言いません。

2024-02-02 15:58:10
個人的備忘録 @Matome2401

なんとなくお酒を飲み、先輩たちや同級生たちに「何も知らないやつ」と認識されて、色々などうでもいい人間関係の情報や聞きたくない黒い噂で頭がいっぱいになった頃。進級の為の制作発表会があるというのでなんとなく作品を作ることにしました。

2024-02-02 15:58:11
個人的備忘録 @Matome2401

私はもう作品を作る気力もありませんでした。ただ眠っていたかったのです。 それなので、医務用ベッドを学校に持ち込んで展示期間中ずっと寝続けることにしました。 聞いたことのない現代アーティストがゲスト講評会に現れ、何故か私のパフォーマンスをめられました。 成績は「秀」でした。

2024-02-02 15:58:11
個人的備忘録 @Matome2401

これでいいの? 私の講評が終わった後、ぼそっと誰かに 「いいよねXくんは」 そう言われたのを覚えています。 アートってなんなんだろう?

2024-02-02 15:58:12
個人的備忘録 @Matome2401

この頃から体調がおかしくなってきました。 深夜の谷中霊園を発泡酒片手にベロベロに酔っ払いながら徘するようになりました。 学校にもあまり行かなくなりました。 面白くないし、悪口を聞くか悪口を言われるかのどちらかになるからです。

2024-02-02 15:58:12
個人的備忘録 @Matome2401

毎日浴びるようにお酒を飲んで、吐いて 一日中パソコンと向き合いながら部屋に閉じこもるようになりました。 ただ、なんとなく社会との繋がりは断ち切りたくなかったのでソーシャルゲームに課金をすることで精神を保っていました。 奨学金を借りていたので、お金だけはそこそこあったのです。

2024-02-02 15:58:12
個人的備忘録 @Matome2401

谷中霊園のカラーコーンを蹴り飛ばし、高校時代の友人に電話をかけ藝大の愚痴を叫ぶ毎日。 Fランクと周囲に蔑まれた地元の美術大学が懐かしく、毎日泣きながら時の写真を見返していました。 一方、両親と地元の友人達は、藝大へ入学できた私と、東京藝術大学を褒め讃えます。

2024-02-02 15:58:13
個人的備忘録 @Matome2401

これまでの冷淡な対応から手のひらを返したかのように。

2024-02-02 15:58:13
個人的備忘録 @Matome2401

精神的におかしくなってきていました。 教授に言いました。 「藝大ってなんなんですか?」教授の答えはこうでした。 「藝大は入れ物である、外見はよい、中身は毎年変わる。」わかったような、わからないような答えだったので、その日もウイスキーとビールを混ぜたものを吐くまで飲みました。

2024-02-02 15:58:14
個人的備忘録 @Matome2401

ある日友人から連絡が来ました。 「映画を見に行かないか?」 これが後の人生を大きく変える出来事となりました。 それは「ガールズ&パンツァー劇場版」というアニメ映画でした。たかがアニメ映画と思っていました。

2024-02-02 15:58:14
個人的備忘録 @Matome2401

気がつけば何度も繰り返し、おそらく100回以上は劇場に足を運び、どっぷりとその世界観に没入していました。聖地と呼ばれる大洗町にも出向き、同人誌制作サークルを立ち上げ、今まで挑戦したことのもなかった「漫画」という世界で戦うようになりました。

2024-02-02 15:58:14
個人的備忘録 @Matome2401

何故か私の同人誌は運良く多くの人に手にとってもらうことができ、経済的にも余裕ができました。累計で何万部と漫画は売れ、数千万円の売上も達成することができました。 ガールズ&パンツァー(以下ガルパン)に出会ってなければ自殺していたでしょう。 または身体を壊していたでしょう。

2024-02-02 15:58:15
個人的備忘録 @Matome2401

陰鬱とした日々は消え去り、漫画の取材のために全国を渡り歩き写真を何千枚と撮りました。 藝大では得られない感動と充実感で満たされていました。 私の人生はここで大きく変わったのです。 ガルパンは、現実逃避にぴったりでした私は日々ガルパンのことだけを妄想し、漫画に描き起こしました。

2024-02-02 15:58:15
個人的備忘録 @Matome2401

ですが、大洗町に通うようになってから、ある違和感に気づいたのです。 ガルパンの聖地、大洗に没入すればするほど、取材の中で町の違和感に気づくようになりました。 本当は経営を辞めたいけれど、ファンの為に続けざるをえなくなった老夫婦。 ガルパンファンをよく思っていない一部の民宿経営者。

2024-02-02 15:58:16
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