桜島安永噴火絵図(木下逸雲)

鹿児島県立図書館に保存されている桜島安永噴火の絵図(木下逸雲)の解説です。
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Ryusuke IMURA @tigers_1964

鹿児島県立図書館に保存されている桜島安永噴火の史料は、よく紹介される木下逸雲のこの2枚の絵図を除いて、すべて大正噴火の直後に複写されたものです。 1枚目は西側(鹿児島市側)から,2枚目は東側(垂水市側)から見たものになります.いずれも鹿児島県立図書館蔵. pic.twitter.com/1K0Garbuyo

2022-01-23 21:49:25
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Ryusuke IMURA @tigers_1964

木下逸雲は,安永噴火から約 20年後の寛政十二年 に長崎で生まれた著名な絵師.残されている絵図は,当時の様子を聞いたり,他の絵図を参考にしたりして描いたものだろう.図中に方位や集落名が書かれているので,画家として山水を描いたではなく,薩摩藩から依頼を受けて描いたのかもしれない. x.com/tigers_1964/st…

2022-01-23 22:06:47
Ryusuke IMURA @tigers_1964

西側(鹿児島市側)から見た絵図の一部.武村,赤生原,小池,横山,赤水の集落名が見える.横山の前にあるマツの生えた岡は袴腰.噴出物による火災も赤い点で表現されている.島から逃げようとする人,避難する船(たくさん人が乗ってる)や救助に向かう船(船頭さんしか乗ってない)が描かれている. pic.twitter.com/l8wkpLHT8a x.com/tigers_1964/st…

2022-01-23 22:20:10
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Ryusuke IMURA @tigers_1964

東側(垂水市側)から見た絵図の一部.脇村,瀬戸,黒神,高面(面)の島内集落名と手前に牛根の集落名が見える.赤く表現された火砕物が牛根にも降っている.船で避難する人が,降ってくる軽石をよけるためにムシロかなにかを被っている様子も描かれている.風下側の避難が大変であったことがわかる. pic.twitter.com/hBHvRjC8ed x.com/tigers_1964/st…

2022-01-23 22:27:26
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Ryusuke IMURA @tigers_1964

東側(垂水市側)から見た絵図に描かれた津波.桜島安永噴火に伴う津波は海底噴火によるものなので,この絵に描かれているような山腹陸域から激しく噴火しているときには起こっていない.逸雲はそれを一緒に描きこんだらしい. pic.twitter.com/2dYVYRAHOP x.com/tigers_1964/st…

2022-01-23 22:32:57
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Ryusuke IMURA @tigers_1964

絵図を読み解く時には,「本来は時間差があったことも,まとめて描かれている場合がある」ことに注意が必要であることを学んだ. twitter.com/tigers_1964/st…

2022-01-23 22:33:59
Ryusuke IMURA @tigers_1964

桜島安永噴火開始は安永八年十月朔日(1779.11.8)で激しいプリニー式噴火は翌日まで.最初の津波の記述は約9か月後の安永九年七月六日(1780.8.6). twitter.com/tigers_1964/st…

2022-01-23 22:42:45
Ryusuke IMURA @tigers_1964

南岳山頂ではなく,山腹の複数個所から噴火していることがよくわかります. twitter.com/tigers_1964/st…

2022-01-23 22:48:08